毛周期

毛周期・ヘアサイクル

毛周期

「毛周期」というのは聞きなれない言葉だと思います。ヒトの頭髪は一本一本に寿命があります。ある一個の毛穴からうぶ毛のような細く短い毛が生え、徐々に太く長くなり、その後は一日平均0.3ミリメートルの速度で伸びつづけます。しかし、2〜6年たつと、いったん抜けてしまいます。数週間すると、同じ毛穴から新しい毛が生えてきます。

毛周期

毛周期

この周期のことを「毛周期」と呼んでいます。医学的には成長期(2〜6年)、退行期(約2週間)、休止期(3〜4ヵ月)を総称して「毛周期」と呼びます。正常な全頭髪中のある時点での成長期毛率は約90%と報告されています。したがって、一生のうちに、一本の毛は十数回生え変わる計算になります。しかし、なぜ、このような現象が起こるのかは、残念ながら解明されていません。
毛周期の季節性
英国のある有名な毛髪科学者の研究では、毛周期には季節性があり、北半球に起源をもつヒトの成長期毛率は秋から冬にかけて低下し、春から夏にかけて増加すると報告されています。これはちょうど、イヌやウサギなどの動物が夏と冬で毛が生え変わることと同じ理由だといわれています。
夏は有害な紫外線が多いので、これを避ける目的で動物は毛の色が濃くなり、ヒトは毛髪量が増えると考えられています。夏には成長期毛率が95%と最大になりますが、冬には成長期毛率が85%と最小になります。秋口になると枯れ葉が落ちるように、抜け毛が増えだすと感じる人が多いのは、毛周期に季節性があることから説明できるのではないでしょうか。
ところで、夏から冬にかけて、約10%の成長期毛率の低下がありますが、この時期には1日に何本の頭髪が抜け落ちるのでしょうか?
頭髪の総本数を10万本とすると、その10%は一万本です。これが、一年の半分の180日で抜け落ちるとすると、10000/180で約56本の毛が抜け落ちる計算になります。1日の生理的脱毛本数は70〜80本といわれているので、夏から冬にかけては、一日に約120〜140本の毛が抜ける計算になります。これが、秋口には抜け毛が増えると思わせる原因で、とくに異常なことではないのです。
毛周期の異常
先に説明した毛周期に異常が起こると、脱毛症を呈します。休止期の異常で起こるものを休止期性脱毛症、成長期の異常で起こるものを成長期性脱毛症と呼びます。
休止期性脱毛症には、分娩後(出産後)脱毛症、ピル服用後脱毛症、ダイエット・飢餓性脱毛症、甲状腺機能低下症(橋本病)による脱毛症、薬剤性脱毛症や男性型脱毛症などがあります。成長期性脱毛症には、円形脱毛症と薬剤性脱毛症などがあります。
男性型脱毛症は休止期性脱毛症に分類されていますが、正常なら2〜6年つづくはずの成長期が数カ月〜1年程度に短縮され、その結果、頭髪が太く長くならず、細く短い状態のまま抜けてしまいます。このような頭髪が多くなると、あたかも禿げたかのように見えるのです。