髪の毛とは? その2

ハゲの分類

髪の毛とは?育毛基礎知識

男の髪の盛りは18歳?
パンクロックのヘアスタイルの奇抜さはとにかく人目をひく。まるでハリネズミのように尖らせ、ニカワでかためてみたり(これがコンサート会場で隣の女の子を傷つけて、賠償沙汰になったこともあった)、エントツのように高くしてみたり、ニワトリのトサカかサゴヤシの葉のように広げてみたり……老人はこうした若者に顔をしかめるだろうが、しかし、当然すぎるほど当然のことながら、これらはみな、髪の毛が豊富にあるからできることだ。
大人たちがこういう髪型に対し反感を抱くのは、その髪型が体制に対する反発をイメージしているから、というようなことよりも、むしろ髪が豊富にある若者たちをうらやんで、ねたましく思うという意識が働いていはしまいか、と思えるほどだ。
しかし、こういうパンクロックの連中にとっても、すでに髪の減退は始まっているのである。
多くの人では、ハゲは20代のはじめごろから進行する。もちろん、この時期は抜ける毛も多いが生えてくる毛も勢いがあり、ほとんど目立たない。で、ついウカウカとハゲ進行のサインを見逃しているうちに、中年にさしかかる年代になってハッとすることになる。生理学的な立場からやっと、髪の毛が最高に豊富にあり、また勢いがよいのは18歳のころである。いや、これは髪の毛ばかりにかぎらない。肉体の能力も、脳の働きも、そしてセックス能力に関しても、人間という生物がその生命力を最も活発に発揮できるのは18歳という年齢がピークといっていいのである。
別の見方をするならば、人間はその寿命をのばしてしまったあまり、生物としての絶頂期をすぎて、長い長い余生を送らねばならなくなったあわれな生物ともいえるのである。
もちろん、われわれは肉体の絶頂期をして人生の絶頂期とはしていない。長い人生を得たことにより、われわれは体力の衰えをカバーしつつ、知性や人格などという、ほかの動物にない部分において円熟した人間になることができるのであるが。
髪の毛についてもしかり。ただボサボサと量だけ生えていさえすればいい、というものではないのである、われわれの髪の毛は。
20代には20代、40代には40代、50代、60代にはまたその世代にあわせて、人格や社会的地位の上昇にしたがっての髪のスタイルというものがある。
それを考えずに、年をとっても妙に若作りの髪型を保とうと無駄な努力をしたり、カツラなどに安易にたよったりするのは、人生を流れる大きなひズムに反する行為、と見られてもしかたないだろう。
もちろん、若々しさは必要である。しかし、髪型にばかり気をとられて、自分の人間としての成熟の努力を忘れてしまったとき、その髪型は、空虚な、どこかこっけいなものに見えてくるのである。

ハゲに悪人はいない?

娘「やあね、お父さんったらツルッパゲで」
母「何を言っているの、昔からよくいうでしょう、ハゲに悪人はいないって……善人の証拠なのよ」
娘「そうかしら」
母「そうよ、悪いことができるような人なら、いまごろもっと出世しているわ」
……というような会話はよくあるもの。しかし、このハゲに悪人はいないという命題が、いったいどこに起源があるのか、知って使っている方は案外少ないように思う。
なにか、日本の昔からの故事・ことわざのように思える成句だが、実はこれは洋ネタ。イタリアの悪名高い犯罪心理学者、チェザーレ・ロンプローゾ(1836〜1909)が言い
出したことなのだ。
悪名高い、といったが、このロンプローゾは生来性犯罪者説というものを唱えて、19世紀末の犯罪研究を一大混乱に陥れた。もともと『天才論』という著書などで、人間の天賦(生まれつき)の能力を研究していた彼は、1876年に、骨相学、人類学、遺伝学、社会学などの学問をごった混ぜにし、犯罪をおかす性質を生まれつき持っている生来性犯罪者というものがこの世には存在し、そういう人物には顔かたち、体つきなどに外見からわかる特徴がある、と発表したのである。
彼は全3巻、1900ページにもおよぶ大著『犯罪者論』を著し、〈犯罪人類学会〉において自説を発表した。そこには千数百例におよぶ実例をあげて犯罪者の身体的特徴が網羅されていたが、そのなかに、禿げ頭という項目はなかった。つまり、ロンブローゾの説を信じるならば、ハゲであれば悪人ではないということになる。積極的に、
「ハゲに悪人はいない」
といってはいないが、ここから導き出せばそういう結論になるのであった。
もちろん、ロンブローゾの学説は現在ではまったく否定されており、顧みるものはいないのだが、この部分のみ、なぜか生き残ってしまつたのである。
しかしこの言葉について、社会犯罪学者たちはまったくのデタラメでもない、という見解を発表している。過去、警視庁に保存されているデータを見るかぎり、刑事事件において、ハゲている人間が犯人である確率は、ふつうの髪の毛のある人間に比べてかなり低いものになっているという。だからハゲのお父さんも、ちょっとは自慢していいかもしれない。もっとも、その理由は遺伝でもなんでもなくて、単に、
「ハゲが犯人だと目立ちやすく、すぐつかまってしまうから」にすぎないらしいが(笑)。
・・・・・・ところで、ロンブローゾが残した、いまだに人口に謄灸し続けている言葉が実はもうひとつ、あ渇。
『天才と狂人は紙一重』というヤツである。

ハゲと動物①

ハゲは人間にのみあるもので、動物にはない、だから動物実験がおこなえず、ハゲの特効薬はなかなか完成しないのだ、という。はたしてこれは本当なのか?
東京都恩賜上野動物園飼育課動物病院係長の獣医師、橋崎文隆氏は言う。
「動物の場合、頭の毛だけが抜け落ちる、ということはないので、いわゆる人間のハゲに当たるようなものはありません。もし体毛や羽毛の一部がハゲていたら、主な原因としては3つ考えられます。ホルモンのバランスが崩れたときに起こる換毛不全や換羽不全、皮膚の病気による脱毛、そして自分で抜いてしまう場合です」
動物の毛や鳥類の羽毛が季節に合わせて生え変わることは広く知られている。冬場になると白くなるウサギやライチョウなどの例は、見た目にもわかりやすい。トナカイなどは、初夏、4、5センチもあるフカフカの体毛が一挙に抜け落ちてツルツルになってしまい、まるで別の生き物のようだという。また、ペンギンも脱皮するかのようにいっぺんに冬の羽毛が抜け落ちる。これらの寒い地方に生きている動物たちは別として、普通、換毛や換羽は季節の変わり目に徐々におこなわれている。しかし、ホルモンのバランスが崩れると、部分部分が徐々に生え変わるはずの毛や羽毛が一挙に抜け落ち、ハゲてしまうのである。また、折癖などの外部寄生虫、白癖菌(俗にいうインキンタムシ)やブドウ状球菌などの細菌によって毛が抜けるのが病気によるハゲ。これは、特に動物にかぎったことではなく、人間にも当てはまることである。
最も興味深いのは3番目の「自分で抜いてしまう場合」である。
「イン.コなんかでよく見られるケースです。自分で羽毛をどんどん抜いてしまい、胴や首部分で、クチバシが屈く範囲にハゲを作ってしまうんです」
「理由はなんですか?」
「暇つぶしですよ。退屈しのぎにやっているうちに、それが癖になってしまうんです」
「それでは、治療法は?」
「エリザベス・カラーという襟巻のようなものをつけて体をつつけないようにする予防法もありますが、まあ、話し相手になってやったり、鏡を置いたり、あるいはオモチャを与えたりすれば治りますよ。オスの場合、鏡に映った自分の姿を一所懸命くどくんです。自分に話しかけてるうちに、悪癖から立ち直るんですよ」
ハゲの治療がおしゃべりだなんて、さすがインコ。
「あと、ゴリラや日本猿なんかの霊長類でも、自分で抜くことがありますね。いまから20年前、私が初めてここ(上野動物園)に来たときにメス頭をやっていたハサンの例などは、ユニークでしたね。自分で剃りこみを入れるんですよ。理由はわかりませんが、目の上の部分の毛をいつもきれいに抜くんです。しかも、だんだん剃りこみは深くなっていきました。
日本猿は母系社会なので、ハサンの子たちもみんな彼女の手によって剃りこみが入れられていました。その娘もまた、自分の子に剃りこみを入れていました。だから、どの猿がハサンの血を引いているか、ひと目でわかるんです」
親子代々引き継がれる剃りこみハゲ、というのもすごい話だ。これが意志によって定着したものならば、インディアンに見られるモヒカン刈りのように、もはや文化といえるのではないか?
「なぜ、ほかの動物たちではなくてインコと猿なんですか?」
「自分で抜く場合というのは、動物や鳥類のなかでも比較的知能の高いものによくみられるんです」
なるほど、してみると動物界においては、ハゲは知能の証明といえそうだ。やはり、文化的といえそうな気がする。

ハゲと動物②

「そういえば、人間でいうハゲとは少しニュアンスが違いますが、多摩動物園には毛の薄い猿がいますよ。ハゲた動物という観点からだと、ほかにもいろいろなケースが紹介できます。たとえばクロトキやハゲコウ、ハゲワシといった鳥たち。彼らのように腐肉を食べるものたちは、頭をシカバネにつっこんで食事をする際に、少々肉片がついても、その部分を清潔に保てるよう進化の過程で頭の羽毛がハゲたものと考えられています。また、最近ペットとして人気のヘアレスドッグや、昔から実験などに使われてきたヌードマウスのように、人間が突然変異を人為的に掛け合わせ、毛のない種類として固定したものもあります」
つまり、神が作りたもうたハゲと、人間が科学によって創造したハゲ……というワケである。
「ハゲワシの機能的なハゲについてはわかりますが、それではもし、本来ハゲていなかった動物が何かの理由でハゲてしまった場合、体温を保つこと以外に、何か不都合があるんでしょう。「ハゲているからといって、集団のなかでいじめられたり、弱者として扱われたりすること
はありません。前に話しました(剃りこみハゲの)ハサンがいい例です。なんせメス頭の証明みたいなものでしたから。でも、結果的に弱者がハゲてしまう場合もあります。ニワトリなんかで見られる現象ですが、鳥の世界には順位というのがあります。集団のなかで順位の低いものがみんなからつつかれてしまうんです。その結果、いちばん弱いものはハゲてしまうんですよ。ほかに、健康面での問題からハゲる例としては、肥満があげられますね」
「肥満? 太るとハゲるんですか?」
「まず第一に、太ると体の表面積が広がるので、毛の密度が下がり、まばらになって、まるでハゲているように見えるんです」
「表面積っていっても、まさかそこまで太るワケじゃないでしょう?」
「太るときはすごいですよ。実例を挙げて説明しますと、アブラコウモリがだんだんハゲてきてしまったことがあったんです。原因はエサでした。犬や猫のペットフードと同様の人工飼料で育てていたんですが、栄養価が高い上に吸収効率がよすぎる。檻のなかではどうしても運動不足になるので、4キログラムだった体重が8キログラムにまでなってしまった。結局、鳥のエサとして市販されているチャイロゴミムシダマシの幼虫にエサを切り替えたら、ダイエットに成功して、ハゲもおさまりました。同様に、いわゆるモグラの仲間である食虫目のテンレックが太ってしまい、毛がまばらになったばかりでなく、実際に脱毛してハゲてしまったこともあります。これも栄養過多と運動不足による代謝不全の結果、毛が抜け落ちてしまった例です」
「それでは、動物の場合、脱毛する原因を挙げるとすれば、どうなるんでしょうか?」
「まず病気。まあ、これは人間も同じで予防と治療をするしかないことです。次に精神面での問題。いわゆるストレスが脱毛につながる場合です。そして最後は健康管理。特に肥満はよくありません。正しい食事と適度な運動さえ怠らなければ、ハゲを未然にくい止めることができるんです」
……なんのことはない、これはそっくりそのまま、人間サマ向けのハゲ予防法の本に書いてあることではないか。万物の霊長といばっていても、やはり人間だって動物の一種類にすぎないのだ、ということがはからずも証明されてしまった。

なぜ『ヘア』がシモノケの意味になったか

ヘアといえば毛の全般をさす言葉だが、日本では最近、下の毛、つまりアンダー・ヘア、ピュービック・ヘア、要するにインモウの露出しているヌード写真のことを総称して「ヘア・ヌード」という言葉が一般化してしまった感じがある。
うるさ方評論家として有名な呉智英氏は以前、ヘア・ヌード解禁に関して意見を求められて、
「なぜヘアなどという言葉を使って本質をぼかすのか。陰毛といえばいいではないか」と発言した。
お説はもっともであるが、これが仮に「陰毛ヌード」というネーミングであった場合、アイドルスターたちがこうも続々と脱いでくれるかどうか、きわめて疑問の残るところである。ヘアという言葉で本質をぼやかしているからこそ、モデルたちが羞恥心を感じないですむのである。思えば日本人はこういうふうに、直接そのものズバリをささずにボヤかしてものごとを表現する名人なのであった。戦争に負けた、敗戦の日を終戦記念日などと言い換えるのもそのひとつの例かもしれない。それはともかく、同じヘアであっても、頭髪と陰毛はまったく違う形状をしている。頭髪はほとんどの人の場合、真っすぐか軽くカープをしているのに対し、陰毛は縮れている。また、切断面を顕微鏡で見てみると、頭髪は円形であるのに対し、陰毛は3角形をしているのがわかる。
この違いは、それぞれの毛の役割の違いの差であると思われる。頭髪は大事な脳をおさめている頭の、一種の防御用のものであることに対し、陰毛や液毛は、思春期の第2次性徴のころから生えはじめ、そこにある分泌腺のもつ匂いをできるだけ保つ役割をする。これは、原始時代、まだ匂いというものが人間の生活における大きな識別手段であったころの名残りのものなのである。つまり、陰毛や肢毛というのは、進化の段階からいえば、すでにその役割を終えた器官なのである。
それかあらぬか、19性器、いや19世紀には、絵画のモデルなどは、美的でない、という理由で陰毛を全部抜いてしまうことが広くおこなわれてきた。美術評論家のジョン・ラスキン(1819〜1900)は、そういう絵ばかり見て育ったのでずっと女性は最初からあそこの毛がないものと思い込んでいて、結婚した女性に陰毛があったことに驚き、仰天してセックスができなくなってしまったという。毛をモロに露出する、いまのヘア・ヌードの時代にもしラスキンが生きていたら失神してしまうのではなかろうか。
かわいそうなのはその新妻だが、彼女はたくましかった。一年間、セックスなしの仮面夫婦生活を送ったあと、医者に行って、自分がいまだ処女であることを証明してもらい、しかるのち、婚姻を破棄してフランスに渡り、『落ち穂ひろい』などで有名な画家のミレーと結婚した。ミレーはお坊ちゃん育ちのラスキンに比べて世間慣れしており、別に毛があることにも驚かず、幸せな夫婦になった。

進化するとハゲるって本当?

よく、UFO番組などで、宇宙からやってきた、地球人より何百年も科学が進歩している宇宙人の姿、などというのが出てくるが、たいていは体格が小さく、逆に頭や目は大きくて、そして頭にも体にも、体毛らしきものがほとんど描かれていない姿になっている。グレイと呼ばれる宇宙人など、その代表形だろう。要するに、科学が進歩すれば肉体を動かす必要がなくなるから体は退化して小さくなり、また、未来生活において不必要な部分はどんどん退化してなくなってしまうだろう、という推定のもとにあの宇宙人の姿はイメージされているわけだ。
これは科学的に正しい未来の人類の姿なのだろうか。
体格に関しては、進化がすすむにつれて体が縮むという証明は得られていない。ネアンデルタール人から現代人にいたるまで、逆にわれわれ人間の体格というのは時間を経るごとに大きくなっているのだ。
これは栄養の問題もあるだろう。原始的な狩猟生活では、大きな体格を維持するだけの栄養は取れない。肉体の発達には成長期に当たる子供時代に十分な栄養をとることが不可欠だが、それが一般に可能となったのは人類の歴史のなかでもついこの間のことなのだ。
しかし、現代人はすでに栄養の面からいえば、飽和状態になっている。この先、どのような退化が起こってくるかはわからない。
次に髪の毛を含む体毛だが、これに関しては、少なくなる方向に進むことは確実といわれている。共通の祖先であるサルから別れて以来、人類は体毛をどんどん捨ててきた。現在、地球上に存在する人種のうちで最も新しく登場したのは黄色人種だが、これはその他の白人・黒人に比べて体毛が最も少ない。この先、新しい人種が生まれるとすれば、さらに体毛は薄くなるだろう。
しかし、完全になくなるか、というと、まだそれに関してはそう極端なことはないだろうというのが生物学者たちの結論だ。たとえば、眉毛やまつげなどは、目をホコリや汗から守るという大事な役割を持っており、髪の毛にしても、ヘルメットのように、大事な脳の入れ物である頭蓋骨を覆って保護するという役割を完全に捨ててはいないからだ。
それに、髪の毛はいまでは元の役割以上に、異性をひきつける場合のセックス・アピールの道具という2次的な役割のほうが大事になってきている。男女のセックスが頻繁におこなわれる状況下でなければ進化も起こらない。セックスに関連する器官であれば、そう簡単に
はなくならないのではあるまいか。なんにせよ、髪の毛というのは類人猿にはなく、人間独特の器官である(類人猿の頭に生えているのはただの体毛だ)。 髪の毛こそはサルと人間を分かつ証明のような器官であり、人間がこれをわざわざ捨て去るには、まだまだ長い時間がかかると思われるのである。

各社育毛剤、そのテクノロジー

いまや3百億円市場に達しているといわれている育毛剤市場。しかし、ただひとつ髪の毛を生やすという目的でありながら、各社がまったく違った育毛理論にもとづき商品を展開しているのには驚くばかりだ。
そこで、ここでは現在発売中の代表的育毛剤6種の育毛理論をご紹介しよう。
まずは、戦前から開発を重ねてきたこの道の老舗で、神戸に本社を持つ加美乃素本舗の最新商品から。加美乃素本舗では、昭和3十一年にすでに自社の持つ育毛テクノロジーを結集したといえる商品を発売している。エンメイソウから抽出したエンメインを主成分にしたカミゲンEと、苦参から抽出したカミゲンKが毛細血管を拡張させて頭皮や毛根の酸化還元機能を高める。これらを中心に血行を促進し、炎症を抑えるネオタカール、毛母の栄養となるパントテン酸カルシウム、ビタミンA、R6、E、F、H、ケラチン生成のためのメチオニン、セリンといった具合に何と十種以上の成分が配合されており、それらが、血行の促進、毛根と周辺組織の活性化、毛穴の洗浄といった効果をあらわすという至れり尽せりの超豪華商品であり、まさに老舗の育毛テクノロジーの集大成といっていい商品だ。 一方の関東育毛界の老舗、かつて『髪は長〜い友達』のCMで一世を風鐸した第一製薬の現在の育毛戦略は″生薬〃だ。従来の血行を促進し毛根に酸素と栄養分を補給する医療用脱毛症治療薬の塩化カルプロニウムに加えて、脂を除去する作用を持つカシュウ(何首烏)と毛根を剌激して毛母細胞の活性を高めるチクセツニンジン(竹節人参)の2つの育毛特許生
薬を配合したとのこと。また、実はあまり知られていないのだが、カネボウもかなり以前から育毛剤を開発して〈シデン〉の商品名で発売していた。それにJ芦を加えた現在のシリーズ最新作では、毛根の土壌である頭皮に着目。脱毛の始まっている人の頭皮は、毛根をはじめ頭皮に柔軟性や弾力性などがなくなるなどの衰えが見られることから、新規育毛主剤ジアルキルモノアミン誘導体を中心とした発毛促進複合成分を配合することにより頭皮に柔軟性と弾力を与えて、
頭皮の緊張を緩和することによって発毛を促進できるとのこと。
次はペンタデカン配合で、現在の育毛剤ブームに火をつけたライオンの育毛理論。栄養分は酵素の助けを借りて分解され、毛根のある代謝回路に入り、ここで発毛を促進するエネルギー物質アデノシン3リン酸に変化する。ところが、男性ホルモンなどの酵素の働きを阻害する物質があると毛根にはエネルギーが行き届かず、それによって、いわゆる薄毛や脱毛が起きるのだという。そこで、その阻害要因の影響を受けないバイパスを通って代謝回路に直接働きかけることのできる成分がないかと研究した結果、発見された成分、それがペンタデカン酸グリセリドだったわけだ。最後に平成7年3月に発売されて以来、メキメキと売り上げを伸ばしている花王の新製品。
いままでは、どちらかといえば育毛について深刻な悩みにまでは至っていない若者がターゲットの育毛トニックといわれる種類の商品を発売していた花王だが、今度は育毛エッセンスと呼ばれる「だいぶ気になりだした」ユーザーに向けての商品を開発、発売開始した。
さて、その育毛理論だが、有効成分が髪を作り出す毛母細胞へはもちろんのこと、さらにその奥で髪の成長をコントロールしている毛乳頭といわれる部分に働く。つまり、毛母細胞の増殖を抑制する血管内皮細胞のブレーキ機能を抑えることによってヘアサイクルを正常化して、抜け毛を防ぎ毛髪の成長を促進するとのこと。また、育毛剤噴射部が丸くなっていて直接頭皮を叩けるというのも人気の秘密だろう。

なぜ縮れ毛はあるのか?

学校、特に小学校ではイジメられっ子といえば、縮れ髪のコが多かった。
どうも、髪の毛が縮れるというのは、親からの遺伝が多いようで、いままで何人の縮れっ毛少女や少年たちが、親を恨み、「何で私の髪の毛はほかの人と違って、縮れているのかしら?」と思い悩んでいたことか。
そんな少女や少年たちのためにも、そして、そんな苦渋を経て現在に至っている方のためにも、ここでは縮れ毛のメカニズムを紹介しておこう。もちろん、イジメていたあなたにも。
人間の毛髪の太さはまちまちで、そのことがズバリ縮れ毛に影響している。
日本人の平均的な太さは0.027〜0.1で、黒髪は太いといわれており、横断面はほぼ円形をしている。
この横断面というのも、縮れ毛には影響していて、縮れ毛の人は形が不整であり、楕円形のものや、3角形のものや、妙にゆがんだソラ豆形のものさえあるのだ。そして、問題の横断面の太さだが、やはり細ければ細いほど、張りがないせいか縮れ髪となる。それを如実に示す事実がある。
縮れ髪といって思い出すイメージに黒人の方々の髪があると思うが、実際に黒人の方々の髪の毛は細いというデータが出ている。
『毛髪図鑑』 (須藤武雄著)に、毛髪指数というものが出てくるが、これは横断面のいちばん長い寸法といちばん短い寸法とを計り、いちばん長い寸法をいちばん短い寸法で割った百分比で、この指数を元にデータを取ると、日本人の毛髪指数が70〜80あるのに対して、アフリカに住む黒人の人々は毛髪指数が50〜60しかないという。
これは直毛の多いインディアンが毛髪指数86・4なのに対して、アラビア人が59・8、ホッテントット族の毛髪指数が40〜50と低いのを見ても、間違いないところだろう。
最近では縮れ毛もJハ然パーマ〃という呼び方に変わり、カッコいいといわれこそすれ、あまりこれでいじめられる子もいなくなったようだが、いくらカッコよくても縮れ毛では絶対に困るのがハワイやトンガ出身のお相撲さんたち。響を結うには直毛であることが必要なのだ。そこで、定期的に彼らは美容院で、縮れ毛を直毛に直すストレートパーマをかけてもらっている。このあいだ引退した小錦関などがストレートパーマをかけてもらっている図は、よく週刊誌などに載ったから、ご存じの方も多いだろう。
さて、最後にこのストレートパーマのメカニズムに簡単に触れておこう。先に髪の毛の断面が円形でない髪が縮れやすいと述べたが、この状況を人工的に作り出すのが、いわゆるパーマネントというやつだ。つまり、毛質の分子結合を一度外して、ロッドに巻くことによってズラし、その状態で固定した結果、縮れた状態にする。これがパーマネント。
その逆のことをするのが、ストレートパーマなのだ。要するに、縮れた状態の分子結合を一度外して、それをブラッシングするなり、板に貼るなりして伸ばし、その状態で固定するのである。
ただし、いままでのストレートパーマはもちが悪く、すぐに縮れ髪に戻ってしまうことが多く、毛のツヤが悪くなってしまうという難点があった。
しかし、現在ではツヤが変わらず、効果も2、3カ月近く持つという方法も開発されているという。頼もしいかぎりだ。

髪の毛が伸びるのに個人差があるのか?

一昔前、久米宏氏が自分の番組中で「広島カープが優勝しなかったら坊主頭になる!」と公言して、みごとに坊主頭になったことがあったのを覚えていらっしゃるだろうか?
これは、髪の毛に興味を持っている方々に、画期的な毎日の楽しみを与えてくれたものだ。
久米さんはご存じのとおり毎日(ただし土日を除いて)某テレビ番組に出演している。つまり、毎日一定の時間に久米さんの髪の伸び具合が観察できたのだ! もう、そっちのほうに気がとられて、ニュースどころではなかったのを覚えている。
毎日、久米さんの頭をウオッチングしていて気になったのは、なんと伸びるのが早いことか、ということだった。実際、みるみるうちにその頭は黒くなっていき、ひと月ちょっとで元の髪型とほとんど変わらなくなってしまった。週刊誌などでも、あれは何か特別の養毛剤を使っているんではないか、と騒がれたほどだった。
そこでフツフツと沸き上がってくるのは、まず、人の頭髪は一日でどのくらい伸びていくのか? そして、伸びる速度に個人差があるのか? というギモンである。
数ある髪の毛に関する本によると、だいたい成人の毛髪成長速度は、頭髪で一日に平均で0・35〜0・4ミリ、ヒゲで0・38ミリ、陰毛でも0・2ミリずつ伸びているとある。
このことは前にも記した。
ただし、『カネボウ美容白書』によると、現時点では髪の毛の成長速度を正確に測定する方法がまだ確立されていないとのことなのだ。
それを裏打ちするかのように、参考にさせていただいたモノの本では、実は微妙に平均成長速度が違っている。やはり、あれだけ細い毛髪の成長をキチンと測定するのは意外に難しいことなのだそうで、従来、毛細血管を調べたり、放射線や蛍光染料を用いて測定していたが、決定的なものはまだ開発されていないのだという。とはいえ、おおまかにいえば毛髪の成長速度は一日に0・3〜0・5ミリといった結果からそうはズレ込まないことは確かだが。で、この伸長速度に個人差があるのかといえば、やはり健康な人と、ハゲている人では成長速度が明らかに違うとの共通する調査結果が出ている。
それによると、健康な人の髪の毛の伸びる成長速度は0・ニミリ以上で、成長速度の早い人になると一日で0・5ミリ近く伸びている。一方、悲しいかなハゲている人は髪の毛の伸びる速度も遅く、薄くなり初めの人は0・25ミリ、かなり進行している人に至っては一日
24時間かかって、0・15ミリしか伸びていないというつらい結果が出てしまっているのである。抜けるときには一気にゼロ、ご破算になるというのに……。
つまり、ハゲている人は、抜ける速度が早く、フォローするべき毛髪の成長速度も遅いという、まさに絶体絶命状態といったカンジの、実に理にかなったうれしくない結論となってしまった。

ハゲとホルモン

ハゲるということには男性ホルモン、テストステロンが大きな因子として作用していることは別項でも触れているが、最近は女性にも、この男性ホルモンが原因によるハゲが増えてきているという。
女性なのになんで男性ホルモンが、と思われるかもしれないが、実は女性の体のなかでも、男性ホルモンはごく微量だが作られている。その逆も真で、男性の体のなかにも女性ホルモンはちゃんと存在する。それによって、肉体のバランスが保たれているのである。ところが、女性が社会に進出して、ライフスタイルが男性に近くなったから、なのかどうかはよくわからないが、最近の傾向として、女性の体内に分泌される男性ホルモンの量がしだいに増えていっているのである。20代、3十代のキャリアウーマンは、この男性ホルモンによる若ハゲに注意をおこたらないほうがいい。
ところで、ハゲの原因が男性ホルモンならば、というわけで、一時、究極のハゲ治療法といわれたのが、頭皮に直接、女性ホルモンを注射するという方法だった。それも、毎日である。ハゲ頭に太い注射を何本もズプリ、ズプリと突き刺すというのは考えただけでも痛そうだが、本人にとっては必死なのであろう。その気持ちは笑えない。しかし、それが思わぬ珍事件を引き起こすことがある。
特に名を秘すが、一時、テレビによく出ていた芸人さんがいた。この人がみごとなハゲ頭で、逆にそのハゲのおかげで仕事がよくきていたのだが、本人としてみれば、かなり気にしていたらしい。この人が、右記の女性ホルモン治療法を受けていたのである。彼はもうそのころ、50を越えていたから、
「いまさら毛をはやしてどうするんだい」と仲間に言われてからかわれていたが、
「いやあ、やはりあるとないとでは見映えが違うからね」と答えて笑っていた。
……ところが、それからしばらくして、この女性ホルモンが効果をあらわした! ただし、彼が期待したような髪の毛に、ではなかったが。
なんと、彼はある日突然、オカマになってしまったのだ!
楽屋に突然、手ぬぐいを姉さんかぷりにして現われた彼を見て、最初、笑っていた芸人仲間も、そのうち、ホンモノらしいと気がついて唖然とした。そういえば、体の線もどことなく丸みを帯びて女性っぽくなっている。それからというもの、彼はいつでも女言葉で、付き人もかわいい男の子に変え、頭に手ぬぐいをかけた姿でシャナリシャナリと歩いている。ネズミなどが出ようものなら、
「いやあん」
と大騒ぎだ。果たして本当に彼は女性ホルモンの効果でオカマっぽくなったのだろうか。
それとも、女性になって髪の毛を生やしたい、という願望のなせるわざなのか?
彼の頭だけは依然として、ハゲのままなのだが・・・
 

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