AGA(男性型脱毛症)の原因諸説

AGA進行のパターン

AGA(男性型脱毛症)の原因諸説

なぜAGA(男性型脱毛症)になるのか? 諸説紛々①

もともと、その病気を完全に治療しようと思ったら、その病気について完全に知らなければならない。これが常識だ。ところが、AGA(男性型脱毛症)については、なぜハゲるのか、という学会での
説がいまだ固まっていない状態なのだ。そして、AGA(男性型脱毛症)の原因はまじめな説からトンデモない説まで、百花線乱のありさまである。
これまで唱えられてきた、代表的なAGA(男性型脱毛症)の原因説をざっとおさらいしてみよう。
頭皮の素質犯人説
ハゲている人の頭はテカテカと光っていることが多い。そこから、頭の表面にある皮膚の脂質(皮脂)が年齢とともに増えてきて、そのため脂性のフケが出るようになってくる。そのフケによって毛穴がつまり、毛根部に栄養がいきわたらなくなり、栄養障害を起こすためハゲていく、と考える説。実際、髪の毛が薄いくせに、フケだけはやたらに出る人が多いから、これが原因か、とはだれもが考える。
しかし、それではどうして、頭の表面の皮膚に脂質が増えていくのだろうか。根本となるこの部分が、脂質説では不明のままなのだ。
皮膚緊張説
頭の形をつくっているのは、いうまでもなく頭蓋骨である。その頭蓋骨に接して、前頭部から後頭部にかけて、帽状腱膜というものがあり、その間に皮膚の栄養を運ぶ血管が通っている。頭の皮膚にゆとりがなく、ピンと緊張してくると、血液の循環が悪くなり、栄養が十分にいかなくなる結果、ハゲるという説。この説にしたがって、頭の皮膚を叩いて血行をよくする器具とか、ベルトのように順にはめて、頭のてっぺんの皮膚をたるませる器具などというものまで発売された。
これもちょっと聞くともっともらしいが、人為的に髪の毛を剃っているお坊さんなどを見ても、そんなに頭の皮膚がダプダブとゆるい人というのはあまり見たことがない。また、同じ人間であれば、女性にも頭皮の緊張現象はあるはずなのに、女性は男性に比べ、ハゲが極端に少ない。こういうところから、この説も納得できない。
ストレス悪玉説
現代社会において人々は非常に数多くのストレスにさらされており、これが末梢神経や毛細血管をマヒさせ、その結果、髪の毛が抜ける、というもの。
しかし、もし、ストレスがそのように髪を失わせるのであれば、常人とは比べものにならないストレス状態に常に身をおいているスポーツ選手などがみなハゲてしまわないのか。これが説明できない。また、刑務所のなかで死刑を待つ死刑囚の髪の毛など、すぐにぜんぶ抜けてしまうはずである。円形脱毛はともかく、一般のハゲにこの説はあてはまらない。

なぜAGA(男性型脱毛症)になるのか? 諸説紛々②

ハゲの原因とされる説をもう少し挙げてみよう。
頭脳労働者ハゲ説
男は社会に出て働き、女性より多く頭を使っている。また、先天的に男性のほうが頭蓋骨が発達しており、頭皮が緊張しやすいのでハゲる、という説。戦前には、「女性とサルがハゲないのは頭を使わないでいいからである」
とすさまじいことを言った科学者もいた。
典型的な男女差別的論。女性が社会に多く出るようになっても、女性のハゲ頭はそうそう見られるものではない。また大学などで男性以上の能力を見せる女子学生にだって、AGA(男性型脱毛症)に悩む人はあまりいない。これも非科学的論。
短髪・きつい帽子ハゲ説
髪を短く刈ると、帽子が皮膚に密着するようになる。密着すると頭の皮膚が圧迫され、毛根部に栄養がいかなくなってハゲる。
これは戦前、髪を短く刈り込んでいた陸軍の兵士や将校にはハゲが多く、長髪組の海軍将校にはハゲが少ないというデータからいわれた議論で、これも非科学的。短髪にすると、髪の毛の少ないのがハッキリわかるので、陸軍にはハゲが多いという風説が生まれたものだろ
栄養過多説
現代人のほとんどはカロリー過剰の食事をとっている。そのため、血中コレステロール濃度がどんどん高くなり、毛細血管などがそれでつまった状態になり、皮膚の末端部への栄養の流れが悪くなるのでハゲる、という説。
これも、同じ美食をしてコレステロール値が高くても女性や子供はなぜハゲないか、という説明ができない。ただし、栄養ということはハゲを解明する大きなポイントにはなる。
ハゲ遺伝説
ハゲは親からもらった遺伝子の作用であり、父親がハゲていれば、もはやどうあがいたところで自分もハゲるのはいたしかたない、あきらめろ、という説。
オズボーンの説などで広まったもので、ハゲるかどうかは生まれた段階で、遺伝子の情報によりぜんぷ決まっている、というもの。両親の双方にハゲの遺伝子があると必ずハゲる、どちらか片親にのみ因子があるときは表面的には現われない、などというふうにいわれてきた。
日本の代表的な皮膚科医にも、ハゲは遺伝的疾患であり、治療も予防も全く不可能、と断言する者が昔いた。
確かに親がハゲていれば息子もハゲる確率が高いし、前の項でも書いたとおり、遺伝要素が大きくかかわっていることは確かなようだ。しかし、この説でいけば、ハゲの人間の数は最初から一定していることになり、太平洋戦争後に、若い世代にハゲが急増してきた説明かつかない。

なぜAGA(男性型脱毛症)になるのか? 諸説紛々③

さて、かなりたくさん説が出て驚かれたことと思うが、実はまだあるのだ。
ホルモンのアンバランス説
アメーリカのヤーレ大学の解剖学者ハミルトンは、一九四二年、若ハゲの原因は男性ホルモンの過剰が原因、と発表し、それ以降、これが若ハゲの定説になっている。
ヒゲ、胸毛、陰毛などは男性ホルモンの働きで発生するものであり、、男女ともに分泌される(男性は畢丸から、女性は卵巣や副腎皮質から)男性ホルモンの働きによって体毛が生えてくる、という。実際、畢丸を取り去った宦官の男性に男性ホルモンを与えると、アゴヒゲが生えてきた。毛の発生に男性ホルモンが深くかかわっているのは事実である。
しかし、これだけでは、アゴヒゲが生えてくるのに、どうして頭毛だけが抜けるのかがよく説明できない。
その理由としては一応、頭頂部は女性ホルモンの支配領域、側頭部は甲状腺ホルモンの支配領域でありヽその男女ホルモンのバランスがくずれるためヽと説明されてきた。しかし、男性においては女性ホルモンというのはほとんど分泌されない物質である。これひとつだけですべてが説明できる説ではないといえる。
食生活説
最近、エスニック・ブームとかで、大変に辛い食べ物が出回り、また、そういうものに若者の食べ物の嗜好が変わってきている。そのため、血行が活発になりすぎ、頭皮がほてって、そのために毛が抜ける、という説。
この説でいくと、トウガラシを生のままかじる韓国の人や、トウガラシ料理だけで数百のレパートリーを持つ東欧の人などはみな、ツルッハゲにならなくてはいけないが、むしろAGA(男性型脱毛症)は少ない。
辛いものを食べると、顔や額が火照って汗をかく。そこから思いつかれたのであろう根拠のない説。
このように、脱毛に関してはさまざま、いろいろな説が発表されてきたにもかかわらず、結局のところ、いまだに決定的な原因というとわからないのが現状である。
したがって、AGA(男性型脱毛症)治療にはこれまで、抜本的治療法というものがなかった。頭皮の血のめぐりをよくし、フケをおさえる、などという、せめていくらかでも脱毛のスピードを遅らせるという療法をおこなうのがせいいっぱいだったのである。髪を再生させるためには、髪をはじめ、体中の毛の発生のメカニズムをもう一度、洗いな
おしていかなくてはいけないようだ。
そして、その原因をつきとめることが、髪に対する真実を明らかにする前提条件となるのである。

皮膚と髪の仕組み

抜け毛、AGA(男性型脱毛症)の正体を突き止めていく前に、自分たちの皮膚と髪の構造をよく理解しておく必要がある。
皮膚は大きく分けると、表皮・真皮及び皮下組織からなりたっている。表皮は外界に接する部分で、その内側に真皮があり、皮下組織に続いている。
このなかで最もさまざまな組織が存在しているのが真皮内であり、毛細血管、神経、リンパ管、ふつうの汗を出すエクリン腺、そして毛を包みこんでいる毛包の一部や皮膚に脂気を分泌する皮脂腺もここに含まれている。
そして最後の皮下組織には、においのある汗を出すアポクリン腺などがある。
また、表皮はいちばん下の部分(基底層)で細胞分裂をくりかえし、成長しながら上へ上へ押し上げられ、最後に角化して皮膚表面からはげ落ちていく。このサイクルは約四週間である。
毛のほうはどうだろう。毛の根元のほうでは、毛の外側を保護している組織があり、とれを外毛根鞘という。さらに、毛の内部を保護しているのが内毛根鞘、皮膚のいちばん外側の角化層にあたるのが毛、ということになる。髪の毛をじっと見つめても、そのような構造をしていることなどわからないが、皮膚の上に出ている部分を毛幹、皮膚の下に埋まっている部分を毛根、その最も下にある、ふくらんだ部分を毛球という。毛球のなかには毛に栄養を補給する毛乳頭がある。
そして、成長した毛の組織は、毛を包み込んでいる毛包と毛や皮膚に脂気を分泌する皮脂腺がワンセットになっており、これを皮膚付属器とも呼んでいる。
毛を包み込んでいる毛包の下部を顕微鏡で拡大してみると、球根状にふくらんだ部分があるが、これが毛球。その毛球底部には毛細血管を含んだ真皮層の結合組織がはいりこんで毛乳頭を形づくり、そこから毛を包みこんでいる組織の毛包に栄養補給をおこなう仕組みにな
っている。いわば、植物の根にあたるわけだ。
そして、毛乳頭をしっかりかかえこんだ状態になっている毛球の下半分が毛母細胞。この毛母こそ細胞が分裂を起こす部分で、それが成長してそれぞれ分化した組織になり、皮膚正面に上がっていくにしたがって角化していき、毛になっていく。表皮から外に出ていないうちの毛は内毛根鞘が包みこんで保護し、毛母を含めて毛と内毛根鞘全部を包みこんで保護しているのが外毛根鞘である。また、皮脂腺は、その排出管が毛孔とつながっており、排出管の開口部とほぼ毛包の中央にある立毛筋の付着部との間が峡部毛鞘である。もちろん、皮脂腺や峡部毛鞘には多くの毛細血管が集まっており、それは毛乳頭ともつながっている。
聞き馴れない名称ばかりでイヤになったかもしれないが、一見単純に思える皮膚と髪の毛にも、このようなしくみがあり、生成・脱落・再生という静かなるドラマが展開されているのだ。

毛根がなくても毛が生える!

育毛・発毛研究において、異色を放っているのが稲葉理論と呼ばれるものだ。稲葉理論の提唱者、稲葉益巳博士は、実は毛ではなくワキガの研究・治療の権威である。
博士はこれまでのワキガの治療手術の、手間ばかりかかって治療効果のパッとしないことに嫌気がさしていた。そして、なんとかワキガの根本原因となる二つの汗腺、アポクリン腺とエクリン腺を簡単に、しかも完全に除去できる方法はないかと模索していた。
そして試行錯誤の結果、開発したのが、皮膚の一部を切開し、そこに鋭い刃を持った器具(イナバ式皮下組織削除器)を差し込み、皮膚に裏側から刃をあて、上からローラーではさみこむようにして圧力を一定にしたうえ、皮膚の裏側から、アポクリン汗腺を、真皮層、皮下組織ごと削り取ってしまう方法であった。要するに、裏側からカンナをかけるようなものである。
この画期的治療法によって、ワキガはごく短時間に、傷痕もごく小さくしか残らず、ほとんど完全な形でその原因を除去できるようになったのである。
この方法で稲葉博士は一万人にも及ぶワキガ患者をその悩みから解放することができた。早く髪の毛のことを書け、って? そう、しかし、実はこれが大きな発見につながっていくのだ。
ここに書いたように、アポクリン汗腺を削り取ってしまうと、同時に毛根を含む真皮層や皮下組織まで全部削られることになる。つまり、毛の生成場所である毛根がなくなってしまうのだ。
理屈でいえば、もうこの手術を受けた部分(液の下)からは毛は生えてこないはずである。ところが、稲葉博士は、その、毛を作る部分を失った人の液の下から、液毛が生えてくることを発見したのである。
これは大きな衝撃だった。
今までの発毛理論によれば、毛根こそが毛の唯一の生成場所であり、ここを除いてしまった場所に、毛が生えるなどということはあり得ないことだった。
まず、最初に疑ったのは、毛根の削り残しがあったのではないか、ということである。しかし、イナバ式皮下組織削除法はかなり徹底的に皮下の組織を削り取ってしまう。そのように毛根が残ることはまず考えられない。
ということは、今までの毛の発生に対する説というものが、そもそも間違っているのではないか。そう考えた稲葉博士は、徹底的に毛の発生のメカニズムを研究してみようと思い立った。とにかく凝り性な博士である。ワキガ治療に画期的な装置を発明したのと同じく、組織観察においても、これまでの薄片標本の数倍も厚い厚切り標本で組織を立体的構造として観察できる方法を開発したり、とにかく専門でない強みの大胆な発想で研究を続けた。
そして、その研究の結果、驚くべき事実が明らかになってきたのである。

毛は皮脂腺で作られる

稲葉博士が提唱した、毛の発生に関するコペルニクス的転換ともいうべき事実とは。
それは、毛は毛根から作られるのではなく、その上部にある、皮脂腺で作られる、という説であった。
ワキガの患者には、肢毛も一緒に除去してほしいと望む人と、液毛はそのままに残しておいてほしいと望む人がいる。博士はその双方に試験をし、液毛の再生を望む人には、アポクリン腺のみを切除して皮脂腺を残しておけば、必ず毛が再生してくることを確認した。もちろん、あまり毛の再生にこだわると汗腺が再発するが、これによって、術後も自然な状態を保つことができるわけだ。
また、液毛の永久的除去を望む患者には、完全に皮脂腺を取り去ってやれば、二度と毛は再生してこない。
つまり、毛の再生には、皮脂腺が絶対のキーポイントとなっているのだ。
博士は前項で述べた厚切り標本を使い、毛の発生のメカニズムを徹底して観察し、調べあげた。そして、毛の発生は皮脂腺の排出部の毛包(峡部毛鞘)のところから毛のもとである毛芽が形成されてくることをつきとめたのである。
毛芽ができると、毛をつくりながら、それは下に降りていく。毛包は下に向かって成長していき、将来の毛乳頭組織をだんだん包み込んで毛球状にふくらんでいく。毛球が丸く大きく発達し、その下半分に毛母が完成すると、毛包の下降はストップする。そして、今度は逆にそこから上に、つまり皮膚表面に向かって毛がぐんぐん伸び出し、毛が再生してくることがわかったのだ。
つまり、稲葉博士の理論をまとめると、
「毛は毛包の胚芽細胞から形成され、毛を作りながら下降し、毛球(毛母)はその後から形成される」
というものだった。これは当然のことながら、それまでの「毛の発生は毛母から」という学説とまっこうから対立する。そもそも、用語からして、毛母、毛根など、毛が作られるという考え方でつけられている。それが、後天的に形成された組織にすぎないというのである。
この本の別項でも定説として紹介している、毛の発生のサイクル、
成長期→移行期→休止期→成長期
というのは正確ではなく、
成長期→移行期→休止期→峡部毛鞘期
とするのが正しい
ということになる。
果たして、この革命的な学説は、どこまで真実なのだろうか。稲葉博士はその理論を実際の治療の場で証明しようと試み、その結果、数多くのハゲ患者の頭に毛を復活させているという。稲葉理論がハゲ治療の救世主として世界に認められる日は果たしてくるだろうか。☆なお、ここでこの説が「皮脂腺説」と名付けられたのは、皮脂腺そのものが毛の中枢という意味ではなく、皮脂腺の排出管の出口の毛包が毛の発生のポイントであるということ、そこの栄養などをつかさどっているのが皮脂腺ということ、などの理由による。したがって、正確には『峡部毛鞘皮脂腺説』ということになる。

ハゲ=AGA(男性型脱毛症)の原因は毛根の死ではない?

いまから十年前、すでに養毛剤関係の総売上額は医薬品、医薬部外品をあわせて一兆円を突破していた。
これはさらにその十年前に比べて三十倍以上の急上昇であり、現在はさらに巨額の市場になっている。
テレビのCMなどで、有名タレントたちがせっせと髪に育毛剤・養毛剤をスリ込んでいる光景はみなさんも日常に見ていることだろう。
つまり、それだけの商品が市場に流通しているわけであるが、しかし、若ハゲ人口の増加にはまったくといっていいほど歯止めがかかっていないのが現状だ。
逆の見方でいえば、ハゲが増えているからこそ、養毛剤市場が拡大しているわけだが、考えてみれば、これは現状において養毛剤がいかに効果がないか、の証明のようでもある。
ハゲという現象は、観察上からいえば、髪の生え変わりが繰り返されるうちに髪を包みこんでいる毛包が小さくなり、それに伴って毛が細く短くなり、ついに赤ん坊のようなうぶ毛に変わっていく状態である。 髪は、これまでの説によると、休止期の毛を包みこんでいる毛包の下から再生がはじまり、それがすでに述べた成長期→移行期→休止期→成長期の再生プロセスを経て完成毛になってくるとされていた。
この説にしたがうと、いったん髪(硬毛)がなくなるといわゆるハゲになり、その再生はムリだということになる。
これは若ハゲも例外ではない。
若ハゲは年齢とともに進んでいく遺伝性の疾患であり、治療は不可能、ということを日本の皮膚科の権威も断言している。
そしてその証拠として、若ハゲになると休止期間が増え、それが何回かの生え変わりをくり返すうちにうぶ毛に変化していき、最後には毛根自体がなくなるからである、としている。
現に、有名なカツラメーカーに行くと、まず毛根がまだ現存しているかどうか、というテストをされる。
また、AGA(男性型脱毛症)の人は見た目にも頭皮がツルツルしており、毛根が生き残っているとは思えない。
しかし、アメリカの霊長類研究所のモンタグナ氏は、頭のハゲだ部分を拡大鏡で観察し、
そこにまだあきらかにうぶ毛が確認され、それは一生消えることがないと発表している。毛根が消えるように見えるのは、太い髪の毛が生えなくなってしまったため、毛穴自体が小さく縮んでしまっているからにすぎないのだそうだ。こうなると、ハゲでいる人も、まだまだ望みを捨ててはいけない、ということになる。

食生活にAGA(男性型脱毛症)の原因があった!

髪の発育と脱落の根本原因は、われわれの食生活にある。体をつくり、健康にそれを保っていくためには、炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素にプラスして、数多くのビタミン、ミネラルが必要とされる。昔は食料事情の悪さから栄養不良が大きな問題となっていたが、現代では逆に栄養のとりすぎによるカロリーオーバーが問題となっており、特に脂質によるそれが肥大につながるとされている。
つまり、抜け毛の最も大きな原因とされる皮脂腺の肥大については、われわれの食事内容がカギを握っている、というわけだ。
脂質が皮脂腺を肥大させるという事実は、ナッツやチョコレートなど、脂質の多いものを食べ過ぎるとニキビができやすいということでもわかるだろう。あれも、顔の体毛の根元にある皮脂腺の肥大による結果なのだ。
むかしから東洋人にはハゲが少なく、西洋人の方にハゲが多いと言われてきた。その理由を調べた結果、食生活の内容に原因が求められたのである。
東洋人は、モンゴルの騎馬民族などを除き、大部分が農耕民族である。ことに日本においては、弥生時代以降、主食は米や麦、野菜などで、脂質は主に植物油や魚類などによって捕われ、全体として非常に質素なものだった。テレビドラマ『おしん』で描かれたまずしい食生活が話題になったが、あの時代、あのような食生活がむしろ基本であった。太平洋戦争前まで、農村地帯などでは肉や魚は一年に数回、お祝い事のときに口にするくらいだったので
ある。植物性の油ですら、炒めものやテンプラに用いる程度だった。
こうした素朴な食事をとっていると、カロリーは非常に低くおさえられ、皮脂腺は縮小した状態にある。そうすると、その中にある酵素(5αリダクターゼ)もほどほどにしか存在せず、睾丸から運ばれたテストステロンが大量に強力な5αデハイドロテストステロンになることもなく、髪の毛に対してもほどほどの男性ホルモンは育成をうながすので、若ハゲが少ないということになる。
一方、遊牧民族の末裔である西欧人の主食は肉や乳製品である。したがって、5αデハイドロテストステロンも多くなり、その作用で毛母の細胞分裂もおさえられることになる。細胞分裂がおさえられるわけだから、毛包も短く、小さくなり、内部の毛も細くなる。
日本人は外人のしなやかな髪をうらやましがるが、実はあれは毛包が小さいので髪の毛も必然的に細くなっているからにすぎない。この作用がさらに進むと、毛は抜け落ち、ハゲになるのである。
ほどほどだと毛を育成するが、多すぎると毛を抜けさせる、このホルモンの作用はちょっとわかりにくいが、野菜と肥料との関係に讐えるといちばんわかりやすいだろう。肥料をやらなければ野菜は育たないが、やりすぎは枯らしてしまうのである。

夫のAGA(男性型脱毛症)は妻に原因?

このタイトルには語弊がある。現在の男女平等化の流れの中で、男女の家庭での役割分担がしだいにその差をなくしている傾向にあるからだ。
しかし、現在においても、家庭における家事の掌握権はほとんど、女性である奥様が持っていることだろう。まして、AGA(男性型脱毛症)の悩みで心を痛めるのはほとんどが男性なのだから、ここでは、妻の責任において夫をAGA(男性型脱毛症)から守ることができる、くらいの意味で読んでいただきたい。
食生活と髪の毛の間には密接な関係があり、特に肉類の動物性脂肪が皮脂腺を肥大させ、大量の脱毛やハゲの原因になっていくことは述べた。
もちろん、髪の毛に悩みのある人はこの事実を本人自身がよく自覚し、勤務先や宴会の席などでも十分に注意し、高カロリー、高脂肪食に走らないようこころがけることがなにより大切だ。
しかし、それ以外のわれわれの食生活は、ほとんどが家庭でとられることになる。そうなると、夫の食生活は妻に左右されることになる。ところが、妻の食生活に間する知識がまだ改善されていない場合、仕事で疲れて帰ってきたご主人に、また、夜の生活がこのごろあまりさかんでないご主人にと、スタミナをつけるためのお肉などを毎晩奮発することになりかねない。
これが皮脂腺の肥大につながり、抜け毛・ハゲの原因になっていく。なまじ栄養士などの資格を持っている奥様のほうが、こういうことに気がつかず、高脂肪
の食事などをどんどん出していったりする。いまの栄養学は戦後の、日本の食生活を欧米なみのカロリー摂取量に上げようという考えからまだ脱しておらず、どうしても肉・乳製品・加工食品などを多くとらせようという傾向にある。
この栄養学を一掃し、高カロリー・高脂防食を避けていくことが、抜け毛・ハゲばかりでなく、成人病からもご主人を救うことになるのである。
とはいっても、実行となると難しい、とおっしゃる奥様もいらっしゃるだろうが、まず、ちょっとした工夫からはじめれば簡単なことだ。たとえば、これまで食後に食べていたデザートを食事前に食べてみる。そうすると、血糖値が上がるので、実際の食事の際に、あまり炭水化物などを食べる気がしなくなる。
むかしから、
『健康の秘訣は素食にあり』という。粗末な食べ物を意味する粗食ではなく、人間が健康に生きながらえるためには素朴なものを必要とする分だけ食べるにかぎる、という意味での『素食』である。結局、それが体をひきしめ、病気をふせぎ、髪をふさふさとよみがえらせることにつながるのである。
シャンプー・リンス、何を使えば?
皮脂腺が肥大し、皮脂が多く分泌されるようになると、ベトベトした湿性のフケが大量に出ることになる。
このフケが頭部にこびりつくと、皮膚や髪の新陳代謝がうまく行なわれず、頭部は細菌繁殖の格好の場と化し、それがまた頭皮内部の皮脂腺をより一層肥大化させ、ハゲを早める結果になるのである。
したがって、よく入浴し、シャンプーして、頭皮表面の皮脂を取り去ることは大変に大事なことである。それは皮脂腺からの皮脂のスムーズな分泌をうながし、皮脂腺が正常化するきっかけにもなるからである。
よく、洗髪すると髪が抜けるから、とこわがる人がいるが、洗髪を怠っているとますます皮脂がたまって、皮脂腺が肥大し、そこで作られた強力男性ホルモンが毛母に作用してさらに抜け毛を作るという悪循環を繰り返すことになる。
ただし、あまり頻繁にシャンプーを行なったり、マッサージやブラ。シングを行なったりすると、若ハゲの症状がはじまっているときは休止期毛根が多いため、大量の抜け毛をうながすことになる。ほどほどにすることである。
さて、シャンプー選びのコツだが、脂質の多いひとほど、アルカリ性の、脂質を徹底的に洗い流すシャンプーを選びがちである。
確かに脂質が全部洗い流されるとさっぱりはするが、髪そのものを傷めてしまう危険性がある。脂質は多すぎれば問題だが、本来、ゴミや紫外線から髪や皮膚を守り、細菌の侵入などを防ぐことを目的に分泌されているものなのである。
多少、洗髪力は落ちても、ほどほどに脂気を残しておくのがいいシャンプーといえるだろう。しかし、一般に最近のシャンプーは爽快感を売り物にするため洗浄力が優れており、そうしたものを用いると、洗髪の後、髪の毛がまるはだか状態になってしまう。そこで、脂分をおぎなうために開発されたのがリンス剤だ。
リンス剤は基本的には植物性油分で、毛に吸いついて皮脂をつくるポリペプタイト、帯電防止効果を持つカチオン界面活性剤などが配合されている。配合品によってさまざまな製品があり、オイルリンスは中性、クリームリンスは弱酸性、カチオンリンスはやや強い酸性、とさまざまに特性がある。
したがって、たとえば強いアルカリ性のセッケンやシャンプーで髪を洗い過ぎたと思うときにはカチオンリンスを用いる、という風に、こまかな対応をしていくことが賢いリンスの使い方といえるだろう。なお、セッケンで髪を洗うひとがまま、あって、髪によくないと考えられているが、普通に考えられているほど、セッケン洗髪は髪に悪影響はない。問題は髪の毛の脂分を極端にとりすぎることで、髪の毛が硬くゴワゴワしてくることになる。シャンプーと同じアフターケアが必要になるだろう。
ブラッシングで抜け毛予防を!
ブラッシングの目的は、いうまでもないが乱れた髪の毛を整えることにある。
オシャレ男を自認する若い世代では、常に櫛をポケットに入れ、暇があれば、髪に櫛を入れている。
しかし、プラ。シングはべつに、おしゃれや身だしなみの問題ばかりではない。
乱れた髪がきちんと整うには、髪に程よい脂気が必要である。この脂気は皮表脂膜(皮膚表面に分泌された脂質が作った膜)にある。ブラッシングという行為は、髪を整えながら、実は髪の根元の皮脂を毛の先まで広げることなのである。
この行為はとりもなおさず、頭皮表面から脂分を減らすことになり、そのことが皮脂腺からの順調な皮脂の分泌をうながすし、肥大化を防ぐ効果となるのである。
したがって、プラ。シングはハゲ予防の、有効な方法のひとつといえるのである。
ただし、下手なブラッシングは頭の皮膚を傷めることになる。
そこで、そういうことのないよう、おすすめするのが段階的ブラッシング。最初は目の粗い櫛で毛並みを整え、つぎにクセをつける目的で目の細かいツゲの櫛などですいていくと、毛を傷めることもなく理想的である。
ツゲの木には自然な油分がふくまれており、非常に髪への通りがいい。そして、柔らかな素材であるため、髪を傷めることもない。ツゲの櫛をずっと愛用してきた江戸時代の人間は、実に適材適所的な知恵を持っていたものだ、と感心してしまう。
ともあれ、粗らすき用と仕上げ用、櫛は二種類、用意しておくのがこれからのオシャレ人間の義務だろう。
それともうひとつ、ブラッシングと並行して、ヘアスタイリングにはよくドライヤーが用いられる。男女問わず、現代の若者にとって、ドライヤーの使用はもはや常識といえよう。
しかし、スタイリングのときのドライヤーはともかく、洗髪後、髪を乾かすためにドライヤーをかけるのだけはやめたほうがいい。無理な乾燥はフケの大きな原因となり、ハゲを導くのだ。
洗髪後は自然乾燥を待ち、リンスをふくんだヘアトニックを使用するのがいちばん理想的である。
それ以外では、ドライヤーも髪のために悪者とばかりはいえない。単に髪を整えるばかりでなく、ほどほどのドライヤーの熱は頭の皮膚を温めて、血行をよくする効果がある。また、温度があがることで自然な皮脂の分泌をうながす効果もある。

整髪料・注意点は?

髪を洗ったあとに使う整髪料。最近は数も多くなり、カラフルになっているが、それぞれどんな効果があり、どういう注意をして使ったらいいのだろうか。
ポマード
昔からよく用いられているもので、鉱物性油と植物性油を用いた二種類がある。外国では
主として鉱物性のようだが、日本製のものはほとんどが植物性ポマードで、日本人の髪には
適している。また、洗髪の際にも落ちやすい利点がある。
チック
これはポマード成分中のロウの成分を多くして、棒状に固めたもの。硬い癖毛を整えるに
は効果があるが、洗髪のときに落ちにくいので、あまり多量につけすぎないこと。
ヘアクリーム
流動パラフィン、ラノリンそのほかの油脂を乳状にしたもの。
髪の表面を油分で包んで保護し、栄養を与えるためのもので、乳化剤がはいっているので洗髪のときもよく落ちる。
ヘアスプレー
ェチルアルコールにアクリル樹脂などの皮膜形成剤が加えられて、髪を一定の形に整えるために用いる。
ヘアリキッド
エチルアルコール水溶液に油分、整髪基剤、湿潤剤などが入っている。
ヘアトリートメント
硬い髪の毛をやわらかくする毛髪乳化剤がふくまれており、髪にツヤを出す効果もある。
こうして見ると、髪にはいろいろなものがつけられているのだなあ、と感心してしまう。
一般的に、選ぶ基準としては鉱物性のものより植物性の油を用いている製品がいい、ということ。また、使用するときには、頭の地肌につけないように心がけること。地肌にこういうものがつくと、皮表脂膜がとり除けなくなる。
髪に水分が必要なときはヘアクリームを用いるのがいい。ヘアリキッドはアルコール性の
ため脱水作用があるので、これも頭皮につかないようにすることだ。

コールドパーマ液で髪が生える?

稲葉理論の稲葉博士が科学雑誌『サイエンス』に「毛はどのように発生するか」のテーマで新しい髪の発生理論を発表したところ、それを読んだ読者(ある研究所の所長)がわざわざ訪ねてきて、完全な脱毛症の人にパーマをかけると髪が生えてくる、という興味ある実例を報告してくれたという。
さっそく稲葉博士も実験にとりかかり、テカテカと脂ぎっている患者の頭にパーマの溶液を塗ってみたところ、確かに硬い髪がところどころに生えてきたという。
……もっとも、この方法はハゲ頭のうちはいいが、治療を続けているうちに、せっかく生えてきた髪を傷めることになるという痛し輝し的な方法であり、実際にハゲ治療法として適用するまでにはいたらなかった。
しかし、なぜコールドパーマの液が、ハゲ頭に髪を生やすのか?
その前に、コールドパーマの理論をざっとおさらいしよう。あれはなかなか化学を応用した興味深い作業なのだ。
髪の組織は、いろいろなアミノ酸から構成されている。そして、アミノ酸のなかでも、特にシスチンというアミノ酸が髪の硬化に役立っている。システィンというアミノ酸があって、これに酸化作用が加わると、シスチンに変化し、髪は硬化する。
そこで、コールドパーマをかける場合、まずシスチンを含む髪にチオグリコール酸などの還元剤を塗る。このチオグリコール酸の還元作用によって、シスチンがシスティンに戻り
(似たような名前でまぎらわしいが)、柔らかくなったところで、ヘアカーラーに巻きつけるなどしてカールして、好きな形にウェーブをかけ、セ。トする。
ウェーブがかかったら、次はまた硬くしなければならない。ブロム酸ナトリウムやカリなどの酸化剤を用いて再びシスティンをシスチンにし、ウェーブのかかったまま硬い毛に戻す、というわけだ。
ところで、皮脂腺のなかには5αリダクターゼという還元酵素があり、それが男性ホルモン・テストステロンをより強力な5αデハイドロテストステロンに変化させる、ということを先に述べた。この5αデハイドロテストステロンが若ハゲの原因となるのだ。
どうも、このコールドパーマの液の中の酸化剤、つまりプロム酸ナトリウム、カリなどが、還元酵素である5αリダクターゼの還元プロセスを阻害し、5αデハイドロテストステロンができるのを防ぐらしいのである。
したがって、失われた髪が復活するというわけだ。これまでこの働きが知られていなかったのは、男、それもハゲかかった人はパーマなどかけることがなかったからである。まあ、無理もないという気がするが。

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