皮脂についての正しい知識

皮脂

皮脂についての正しい知識

皮脂

皮脂

皮脂は髪を護る大切な成分

皮脂の出方もいろいろだが、皮脂膜が形成されて広がる様もまた、さまざまである。
汗と混じり合った皮脂が、そのまま頭皮に広がる場合もある。
また、髪の根元から毛先にむかってゆっくりと滑るように広がることもある。
このように、悪玉と誤解されることの多い皮脂は、実は、汗と混じり合って私たちの髪と頭皮を乾燥や細菌の感染などから
護ってくれる皮脂膜を形成する、なくてはならない大切な成分である。
私たちの皮膚は、乾燥にとても弱い。空気が乾燥すると肌が荒れるのは、表皮が傷むからである。また、頭皮が乾燥すると細かなフケが発生するのも、このためである。
この乾燥に弱い皮膚を護っているのも、皮脂によってつくられる、皮脂膜である。皮脂膜はその役割から保護膜とも呼ばれる。
皮脂は頭皮を含む、私たちの全身から分泌されて保護膜を形成しているのである。
どんなに乾燥した空気の中にあっても、私たちの身体から水分が蒸発してしまわないのは、この、保護膜のおかげなのである。
保護膜の上には、常在菌と呼ばれる菌が生息していて、皮膚についた雑菌を退治して、私たちの身体を病から護っている。
ところが、この常在菌も、乾燥に弱い。この常在菌を乾燥から護っているのもまた、皮脂でつくられる、保護膜なのである。
余談になるが、皮詣でつくられる保護膜は、美容界では天然の乳液ともいわれている。
私たちが使用している化粧品は、この保護膜に似せてつくられている。化粧品の究極の目標は、実は、皮詣でつくられた保護膜なのである。このように皮脂は、私たちの体を乾燥や雑菌などから護っている大切な成分であって、決して育毛を妨げる成分ではない。
また巷では、皮脂のかたまりが、育毛剤などの有効成分の浸透を妨げるという風説があるが、決してそのようなことはない。
まるで毛穴をふさいでいるように見える、分泌された直後の皮脂のかたまりは、水でも簡単に洗い落とせる、きわめて柔らかなもので、しばらくすると、汗と混じりあって皮脂膜に変わる。
また、皮脂は、人体に必要な成分が皮膚から入り込むのを妨げることはない。
たとえば、湯治といわれる行為は、病や傷などの治癒を目的に、温泉水に含まれる有効成分を、体内に浸透させるために湯につかる行為だが、全身の皮脂を洗い落とさないまま温泉につかる。
それでも温泉の有効成分が、皮膚を通して吸収される。
このことからも、皮脂が育毛剤の有効成分の浸透を妨げるものではないという事実をお分かりいただけると思う。
皮脂の役割
皮脂は汗(水分)と混じりあって、皮脂膜(保護膜)を形成する。皮臨摸は髪と頭皮を万遍なく覆って水分の蒸発を防ぎ、乾燥から護っている。
皮脂は本来、髪と頭皮を護る大切な成分である。
後に詳しく述べるが、皮脂を根こそぎ取ろうと、洗浄力の強いシャンプーを使用したり、頭皮を長時間洗うなどの行為は、頭皮に様々なトラブルを引き起こし、かえって脱毛を促進させる結果となるので絶対にしてはいけない。

皮脂が汚れに変わるとき

皮脂はなくてはならない大切な成分であるが、時間の経過とともに空気中の酸素に反応して、徐々に酸化してしまう。
保護膜であった皮脂が酸化してしまうと、粘着力を持つ。粘着力を持った皮脂はその時点で汚れに変わる。そして粘着力を持って汚れに変わった皮脂には空気中のチリやホコリがつきやすくなる。
大きなフケは、酸化してしまった皮脂と古くなった角質(垢)、そして汚れが幾重にも積み重なってできたもので、フケという字を「雲脂」と書くのはそのためである。
頭皮の汚れを毎日きちんと落とさずにいると、このフケは浮きあがることなく頭皮に付着したままになってしまい、脱毛の大きな原因になる。
また、数日おきのシャンプーでは、頭皮に積もった汚れでかゆみが発生する。
すると、無意識にかゆみのある場所を掻いて、頭皮を傷つけてしまう。
その結果、脱毛が進行することもある。
だから、その日の汚れはその日のうちに洗い落とすようにすれば、老化現象がはじまるまではストレスや病気、ケガなどの例外を除いて、基本的に髪と頭皮のトラブルに見舞われることはない。
ただし、くれぐれも使用するシャンプーとコンディショナーの選択と、洗髪方法を間違えないようにしていただきたい。

本当は怖いこんなシャンプー法

入浴時間も惜しんで受験勉強に専念した甲斐あって、希望大学に現役で合格したCさんの頭髪は、まるで洗髪したばかりのような濡れた感じだった。
濡れているように見えるのは「皮脂のせいなんです」と言う。
聞けば、元々脂性だったCさんは、大学生になって間もない頃、友人たちの間で話題になっていたシャンプーを使用するようになって、洗い上がりのさっぱり感が、脂性と、受験勉強に明け暮れた日々を過去のものにしてくれるように感じたという。
ところがしばらくすると、以前にも増して髪が脂ぎるので、洗髪時間を長くしたところ、しばらくは良かったが、また、髪が脂ぎるようになったので、もっと洗髪時間を長くした。そうしてだんだん洗髪時間を長くしたが、脂性がひどくなるので、今では一日に何度も洗髪するようにしているという。
「僕の青春は受験勉強から、シャンプーに変わりました」と、ユーモラスに言うが、瞳は真剣だった。
私が、「治りますか?」と、尋ねるCさんに、皮脂の役割について詳しく説明し、皮脂は髪と頭皮を護るために、洗髪によって洗い流された皮脂膜に代わる新しい皮脂膜を素早く形成するために、洗髪直後に最も多く、急速に分泌されるプロセスを伝えて、Cさんの現状を、
「洗浄力の強いシャンプーを使用したり、シャンプーをつけてのこすり洗いの時間が長くなるほど、頭皮の保護機能が働いて、皮脂の分泌量が多くなります。そうすると、これまでよりさらに洗浄力の強いシャンプーで時間をかけて洗うようになり、皮脂分泌量が、ますます多くなるといった、悪循環に陥り、皮脂の過剰分泌がクセになってしまった結果」と伝えると、「そうです。本当にその通りでした」と、納得した様子だった。
私はCさんに、私がすすめるシャンプーとコンディショナーを示して、「今日からこのシャンプーとコンディショナーを使用して、洗髪は一日一回だけにしてください。それから、一回の洗髪時間は長くても30秒以内にしてください」と、正しい洗髪法を伝えた。
しかし、「皮脂は育毛の大敵」と、間違った風説を信じきって一日数回、長時間の洗髪を習慣化して来たCさんにとって、「一日一回30秒以内の洗髪」を実行するのは、相当な勇気と強い意志を持ち続ける必要があったようで、
「本当に30秒で皮脂が洗い落とせるのでしょうか?」と、何度も電話で訴える。私は、何度も同じ話を繰り返し、「これ以上悪循環が繰り返されると、やがて頭皮に湿疹ができる。そしてこの湿疹は
次第に頭皮下におよび、脱毛の原因になるといったケースも多い」という現実を説明して、正しい洗髪法を実行するようお願いした。Cさんは渋々と言った感じだったが、約一ケ月後、
「おかげですっかり良くなりました。なんだか悪い夢を見ていたような気がします」という、感想を交えたうれしい報告が届いた。
Cさんのようなケースは、肌に良い成分でつくられたシャンプーとコンディショナーを使用して、正しいシャンプー法を実行すると、1〜2ケ月で皮脂の過剰分泌が治まる。
「30秒の洗髪は、最初は頼りなかったけど、今では当たり前になった。苦労して全く逆のことをしていたのが分かりました」というのが、相談者に共通した感想である。
また、長時間の洗髪以外にも、間違ったシャンプー法を実践して、髪と頭皮に重大なトラブルを招いてしまった方も多い。
シャンプーの選択ミスと、シャンプー法の間違いは、さまざまなトラブルを招くだけではなく、脱毛の主原因になってしまう場合もある。
シャンプーの目的、皮脂の役割をきちんと認識して、これらの間違った習慣を一日も早くなおして、脱毛不安などとは無縁な毎日を過ごしていただきたい。
本当は怖いシャンプー法①
洗浄力の強いシャンプーで洗ってはいけない
肌に良くない成分が多量に含まれているシャンプーや、洗浄力が強いシャンプーは、髪と頭皮を傷めてしまう。
頭皮の肌荒れ、フケ、かゆみ、発疹、皮脂の過剰分泌を招き、脱毛を促進する。
本当は怖いシャンプー法②
頭皮を長時間洗ってはいけない
汚れが落ちた後も洗い続けると、肌荒れ・フケ・かゆみ・炎症・脂性・抜け毛のもとになるばかりでなく、かえって皮脂分泌を盛んにさせる。その結果脱毛がはじまる。
本当は怖いシャンプー法③
シャンプーをつけたまま時間をおいてはいけないフケ・かゆみ・肌荒れ・抜け毛のもとシャンプーが頭皮を傷めつける。
傷んだ頭皮は脱毛の大きな要因になる。
本当は怖いシャンプー法④
ツメを立てて洗っては
角質が剥がれる。頭皮が傷つく。フケ・かゆみのもとになり、これが繰り返されると脱毛がはじまる。
本当は怖いシャンプー法⑤
ブラシなどを使用してはいけない
角質が剥がれる。頭皮が傷つく。
フケ・かゆみ・抜け毛のもとになり、これが繰り返されると脱毛がはじまる。
本当は怖いシャンプー法⑥
髪の毛だけを洗ってはいけない
キューティクルを傷つけあうので枝毛・切れ毛のもとになる。
本当は怖いシャンプー法⑦
もむようにゆるく洗ってはいけない
洗い残しが生じるので、大きなフケ・かゆみ・抜け毛のもとになる。
本当は怖いシャンプー法⑧
殺菌効果のあるシャンプーで洗ってはいけない
皮膚を護っている常在菌が弱まり、雑菌が繁殖する。
その結果、炎症が起こり、抜け毛が増える。

正しいシャンプー法

洗髪は、毎日の入浴時に、顔や身体を洗うのと同じ感覚で行えば良い。
正しいシャンプー方法
ツメを立てないようにして、指の腹で頭皮全体を10〜30秒でゴシゴシ洗う。
毛細血管をもみほぐして血流をうながす意識を持って、頭皮全体を指の腹で、大きくゴシゴシと強くこすり洗う。
ツメを立てて洗うと、頭皮に引っ掻き傷が生じて、脱毛の原因になる場合もあるので、絶対にツメを立てないようにする。
こすり洗う時間は長くても30秒以内に徹底する。
からだの汚れは、石鹸をつけたタオルなどで軽くこすればきれいに落とせるし、頑固な手の汚れも、両手に石けんをつけて10秒もこすり合わせると綺麗に落とせるのだから、頭皮の場合も指の腹で30秒もこすり洗えば汚れはきれいに落とせる。むしろ30秒のこすり洗いは長いくらいである。
1日に何度も洗髪したり、毎回頭皮を5分以上も洗うなどの行為は、トラブルのもとになるので、絶対にしてはいけない。
また、洗髪を髪を洗う行為と勘違いして、髪だけを洗うと、髪の表面を覆っているキューティクルを傷つけてしまい、枝毛、切れ毛などのトラブルにつながってしまうので、よほど長い髪でなければ、髪の毛を意識して洗ってはいけない。
洗髪の真の目的は頭皮表面の洗浄である。頭皮表面を指の腹で、ゴシゴシとこすり洗うと、その泡で髪の汚れは綺麗に落ちるが、抜け毛を恐れてそろそろと洗っては頭皮表面の汚れを落としきれない・頭皮表面の汚れを落としきらないと、大きなフケの原因になってしまうので、思いきって、両手の指の腹で大きくゴシゴシと洗うとよい。ちなみに洗い残しは大きなフケに、洗いすぎによる頭皮の肌荒れは細かなフケの原因になる。洗髪の唯一絶対の目的は、髪と頭皮を傷めることなく汚れのみを綺麗に洗い落とすことである。
また「30秒以内のこすり洗いでは洗った気がしない」という人がいるが、洗髪は気分の問題ではないので、シャンプーをつけてこすり洗う時間は、必ず30秒以内で
徹底してもらいたい。洗髪は1日1回でよいが、暑い夏などに汗を大量にかいた後に入浴する場合は、洗髪も行った方がよい。
洗髪後は必ず良質のコンディショナーーで、髪と頭皮の状態を整えることが大切である。
たとえば顔を洗った後、化粧水や乳液を使用すると、洗顔後の肌の岬(酸性度・アルカリ度)が整えられると同時に潤いがもたらされる。
同様に洗髪後の髪にコンディショナーを使用すると、髪のゴワゴワ感がうすれ、髪にツヤとコシをもたらすと同時に、髪と頭皮の岬を弱酸性の理想的な状態に整えることができる。
また、皮脂の分泌が最も活発になるのは、シャンプーによって洗い落とされた保腹膜に代わる、新しい保護膜が形成される洗髪直であるが、コンディショナーを使用すると、急速に保護膜を形成する必要がなくなるので、皮脂の分泌量が抑えられる。なので、皮脂が過剰に分泌されてべ夕つきが気になる人の悩みも解消される。髪と頭皮の汚れを綺麗に洗い落とした後には、必ずコンディショナーを使用することを強くお勤めする。
ヘアケアの基本はシャンプーとコンディショナーをセットで使用することであり、洗髪はコンディショナーーの使用によって完結する行為である。
ただし、使用するシャンプーは洗浄力の強いものは極力さけた方が良い。
また市販のリンスやコンディショナーーの中には、本来の目的に合わない品質のものも多いので、必ず品質の良いものを選ぶようにしてほしい。
すでに脱毛などのトラブルがある方の場合は、なおさら慎重に選ぶべきである。