AGA治療薬と日常生活の改善法

AGA治療薬と日常生活の改善法

男性患者の若年化。女性にも増える薄毛・抜け毛は現代の病?
薄毛・抜け毛に悩む人は増えている?
「男女ともに薄毛・抜け毛に悩む人は、年々増加しています」と、最近よく耳にします。 私が、発毛治療を専門として、患者さんと関わり始めて、ト数年になります。その間を通して、クリニックにいらっしやる患者さんの数は、確かに年を追うごとに増えています。それも、このところは、男性では20代(ときには10代)の患者さんの来院が増加傾向にあり、また女性の患者さんも増え始めています。 若い男性の患者さんの増加については、発症する人が増えているというよりは、以前に比べ、薄毛・抜け毛を気にする人が増えている、つまり、脱毛症になる人が増えているというより、容姿・外見を含め、自分に対しての関心が非常に高い傾向が若者に顕著になってきていることが影響し「悩んでいる人」が増えているのではないか、と考えています。これは、のちに詳しく述べることになりますが、治療の考え方や治療薬・治療方針の選択にとても深く関わることです。 一方、女性の患者さんの増加は、まさに薄毛・抜け毛、いわゆる脱毛症の発症の増加に伴っているようです。その背景には、女性の社会進出に伴うストレスや睡眠時間、食生活などの変化が影響していると想像できます。
 
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薄色・抜け色はついに治療の対象となった
医療側の事情も変わってきました。実は、私のように早くから臨床の場で医学的発毛治療に正面から取り組んできた例は多くありません。これまでは、薄毛・抜け毛は単なる個人的な悩みとして扱われ、治療の対象としてなかなかとらえられていませんでした。ところが近年、医療機関で処方する効果的な治療薬が開発され、「脱毛症」に対する科学的な治療法が確立し始めています。 ある民間会社の統計をみると、日本人男性の男性型脱毛症の発病頻度は、全年齢平均で約30%であり、25年前とほぼ同程度と報告されています。 25年前と発症する数にほとんど変化はなくとも患者さんは増加の傾向にあるのですから、時代の変遷によって薄毛・抜け毛の悩みをもった人が表面化してきたといえるのではないでしょうか。

 
脱毛には、「進行する脱毛」と「一時的な脱毛」の二つのタイプがあります。「進行する脱毛」には加齢によるものと、男性型脱毛症があります。加齢によるものは、自然な現象で誰にでもおこるものです。男性聖脱毛症は、発病のしくみが徐々に解明され、進行を抑える薬や発毛を促進する薬による治療が可能になっています。一方、「一時的な脱毛」には、ストレスによるもの、血流障害や頭皮のトラブル、薬や病気が原因のもの、円形脱毛症などがあります。これらはその原因に応じた対処法によって改善します。

男の宿命?男性型脱毛症(AGA)の実態

抜け毛が増え、時間とともに徐々に薄毛が進んでいく進行性の脱毛症の代表が、男性型脱毛症(AGA=Androgenetic Alopecia)で、男性の脱毛症として、最も多くみられるものです。Androgeneticとはアンドロゲン(男性ホルモンの総称)に関係しているという意味ですから、男性である以上、男性型脱毛症になる可能性は誰にでもあるといえます。 思春期以降に、額の生え際あるいは頭頚部のどちらか一方、または、両方の部分で髪の毛のボリュームか減り、地肌がみえやすくなる、というのが典型的な症状です。ボリュームが減るのは、髪の毛の本数が減るためもあるのですか、それよりも、一本一本の毛が細く、短くなっている(ミニチュア化)からです。
男らしさとのジレンマー・テストステロンの変身が鍵
では、男性型脱毛症の最も大きな原因とされる男性ホルモンは、どう影響するのでしょうか。 一般に思春期を迎えると、男子は徐々に体が筋肉質になり、声変わりをして、ヒゲや陰毛が生え、ペニスが大きくなって射精をするようになります。男性ホルモンの一種であるテストステロン(TS)は、こうした変化、成長、いわゆる「男らしさ」に関与している物質で、主に睾丸(精巣)で作られています。 テストステロンは、Ⅱ型5αリダクターゼという酵素の働きによって、ジヒドロテストステロン(DHT)という、より強い作用をもつ男性ホルモンに変換されます。DHTの強力な作用は、髪の毛にとってはマイナスの働きをし、命毛に関わっている毛乳頭を萎縮させ、髪の毛の、九となる毛母細胞の成長を抑制してしまいます。DHTへの変換が活発になると、髪の毛が大く硬く成長する前に抜けてしまい、再度生えてきても一年やそれ以下の早いうちに抜けてしまうため、細く短い毛が多くなるという症状が進み、やがて、葺石か目立つようになってきます。 髪の毛にとっては悪玉の男性ホルモンであるDHTをつくり出すH型5αリダクターゼは、前頭部から頭頂部という限られた部分の毛乳頭細胞、毛母細胞と前立腺に存在しています。男性型脱毛症が、前頭部か頭頂部だけに現れるのは、そのためです。

 
AGAとのたたかいに必要なのは、ディフェンスとオフェンス
男性型脱毛症は進行性ですから、放置しておくと、どんどん薄毛・抜け毛が進んでいきます。そこで、まず、治療として必要なのは、抜け毛をストップさせ、薄毛を食い止めることです。これは、いわば、薄毛・抜け毛の進行をディフェンスする、防衛的な治療と位置づけられます。ディフェンス治療の主役は、近年日本でも使用され始めた治療薬「フィナステリド」です。このディフェンス治療により、進行が食い止められ、現状維持が可能になります。 さらに現状を改善するには、発毛によって毛髪を増量させる治療が必要です。発毛薬の投与は、積極的に発毛を促進する攻めの治療、オフェンス治療といえます。現在、頭髪治療において実際に発毛効果が認められている薬は「ミノキシジル」だけです。 これらの治療は直接毛髪に働きかけるものですが、薄毛・抜け毛の進行には、頭皮の血流や新陳代謝、ストレス、睡眠、食事、喫煙などさまざまな要因が関わっています。それゆえ日常ケアや生活上のアドバイス、不足している栄養補充のためのサプリメントの処方なども治療の重要な一部を担うことになります。さらに、治療には薬を用いますから、その効果や作用を正確に把握し、全身への影響を適切に管理しながら治療を進める必要があります。
薄毛解消の三点法則は絶対、でもそのバランスは患者さんごとに変わる
つまるところ、男性型脱毛症の治療には、抜け毛をストップさせ、進行を食い止める①ディフェンス治療と、発毛を促進する②オフェンス治療、そして、守りと攻めそれぞれの治療がより効果を発揮し、安全に続けることができるように③頭皮・毛髪環境の整備や全身管理を行うという三本柱が欠かせません。治療効果を高めるためにも、患者さん白身には、このことを十分に理解してもらいます。 クリニックに最初に来院したときの患者さんの訴えのほとんどは、「薄毛が気になる」といった漠然としたものです。いろいろな角度から問診を重ねるうちに、抜け毛が多い、毛が細くなった、毛が伸びない、セットがしにくくなった、地肌が透けてみえる、頭皮が脂っぼい、家族に薄毛の人がいるので不安、周囲から薄毛を指摘されたといった個々の患者さんの具体的な悩みかはっきりしてきます。 治療の三本柱には、それぞれの目的があり、一人ひとりの患者さんそれぞれの悩みの解決につながるものです。男性型脱毛症の治療は、一朝一タで効果が現れるものではありません。また、効果の現れ方には非常に個人差があります。だからこそ、患者さん自身が行う治療の意義を納得したうえで、自ら選んでスタートラインになってもらいます。

「抜ける」を止めるフィナステリド

フィナステリドがテストステロンの変換をストップ!
先に触れましたが、男性型脱毛症の原因となる物質は、ジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンです。DHTは、テストステロンから変換される物言ですが、男性型脱毛症を発症した男性と、発症していない男性を比べても、、冗々のテストステロンの量に差はありません。つまり、脱毛を抑制するには、元々のテストステロンの量を減らすのではなく、テストステロンからDHTへの変換をいかに止めるか、かポイントになります。そこで、注目されるのが、変換に関わる酵素、Ⅱ型5αリダクターゼです。この酵素の働きをいかに止めるかが、脱毛の抑制につながることになります。 ディフェンス治療の主役となるフィナステリドは、Ⅱ型5αリダクターゼの働きを阻止する薬です。日本では、2005年に男性型脱毛症の治療薬として承認され、現在は、治療に欠かせない薬として大きな役割を果たしています。 実際にフィナステリドの服用を始めると、患者さんの脱毛量は減少し、やわらかくなった毛が多少硬くなるといった変化が現れますが、患者さんによって、効果に差がみられます。その差は、男性ホルモンに対して敏感な体質であるかどうか(感受性)によると考えられています。

「増やす」を実現するミノキシジル

毛髪の根源を活性化させる 発毛効果が認められている唯一の薬がミノキシジルです。ミノキシジルは、1970年代に、高血圧に対する降圧薬として開発された薬です。ところか、血圧を下げる効果のほかに、全身の体毛が増える(多毛)という副作用があることがわかりました。 そこで元々は副作用だった「多毛」に着目し、改めて、患部に塗布する外用の発毛薬として再開発され、現在に至っています。日本では、1999年に1%濃度のミノキシジルが家庭用医薬品(リアップ)として発売されました。ところか医家向け医薬品ではなかったため、当時の臨床の現場でその効果について注目する医師は多くなく、実際に使用した場合も比較的低濃度であるため期待するほどの「発毛効果」が得られないこともあり、ほかの育毛剤とほぼ同様に扱われていました。諸外国では、当時から二%、五%など、より高濃度の製品が販売されており、日本でも2009年に5%ミノキシジル外用薬か発売されたこともあり、男性型脱毛症の納涼薬として改めて評価され始めています。 当初は、ミノキシジルの血管拡張作用によって頭皮の配流が改善し、発毛効果をもたらすと考えられていましたが、毛母細胞の分裂を促進する効果があることも明らかになってきています。
治療に重要な2つの薬
2010年に、日本皮膚科学会が「男性型脱毛症診療ガイドライン」という治療の手引きを発表しました。薄毛・抜け毛は専門の医療機関で治療しようという流れが広まってきている証拠です。このガイドラインでは、治療の推奨度を五つに分類しています。これは、国内外の研究の結果から有効性・安全性を判定したもので、フィナステリドとミノキシジルは、どちらも推奨度Aとして挙げられています。 ミノキシジル外用薬は一般的に、ミノキシジル濃度が高いものほど接触性皮膚炎を招きやすくなりますが、その多くはミノキシジルを溶かすための基剤や保存料によるもので、これまでの臨床経験の蓄積があれば、これを防ぎ、患者さんに合った濃度で治療が可能になります。また、フィナステリドがその働きを抑制するジヒドロテストステロン(DHT)は、胎児の男性外性器の発達に関わっています。そのため、妊娠中の女性が服用できないのはもちろん、比較的皮膚から吸収されやすい性質をもっているので、妊娠の可能性のある女性の接触も慎むべきです。
皮脂がたまると抜け毛が進む?
フケや皮脂は、直接は抜け毛や薄毛の原因になりません。クリニックを訪れる患者さんの約40%に、軽度の「脂漏性皮膚炎」がみられます。脂漏性皮膚炎などの湿疹により、時的に抜け毛が増えることもありますか、ケトコナゾール配合の塗り薬やシャンプーによって皮膚炎が改善すれば、抜け毛も治まります。ただし、フケや皮脂を取り除くことに過度にこだわり、シャンプーの際に頭皮をこすりすぎると頭皮が傷つき、肌荒れや炎症をおこす場合かあります。こうした頭皮環境の悪化は、薄毛治療の妨げになってしまうので要注意です。
白髪の量は毛髪にどう影響する?
「白髪が多い人は薄くならない」とよくいわれますが、実際には白髪でも薄毛に悩む人は多く、白髪と地肌のコントラストが目立たないことから起こる誤解だといえるでしょう。また「一夜にして白髪になった」「白髪を抜くと増える」というのも事実とは異なります。白髪は毛根にあるメラノサイト(褐色または黒色の色素=メラニンを産生する細胞)の数が減ったり、メラノサイトの働きが悪くなって、毛髪の色を決めるメラニンの量が減っておこるものです。毛髪そのものは活性を失った細胞なので、あとがら白くなることはありません。また白髪を抜くと、同じ毛根から生えてくるのは白髪ですが、たとえ隣り合っていてもほかの毛根が影響を受けることはなく、メラノサイトの働きが低下しない限り白髪になることはありません。つまり、白髪を抜くと増えるということはないのです。

男性型脱毛症(AGA)の原因と症状

男性型脱毛症を引きおこす主な原因は、男性ホルモン(ジヒドロテストステロン[DHT])ですが、そのほかに、抜け毛が増え、薄毛が進む要因として、加齢、ストレス、食事や生活習慣などが関わっていると考えられています。 抜け毛を防ぎ、治療の効果を高めるためには、頭皮の健康とともに体の健康が必要なことはいうまでもなく、体の健康を害する要素が、すなわち毛髪に対して悪影響を与えます。 例えば、いろいろな病気の発症や悪化に関わっているとされるストレスですが、ストレスによって自律神経やホルモンのバランスがくずれると、過剰な血管の収縮を招くなどして血行が悪化し、毛根にト分に栄養が運ばれずに毛髪の成長が妨げられてしまいます。同時に、ストレスによってある量のコラーゲンが不足すると、髪の元になる毛母幹細胞の分化(毛母細胞への変化)が促進され、一方で分裂(毛母幹細胞の増殖)が抑制されるため、結果として、一時的に髪は伸びても毛母幹細胞の数が減少し、そこから誘導される毛母細胞も減ってしまい、髪は細くなり伸びなくなってしまいます。 また臨床の経験から、睡眠時間が五時間を切ると、抜け毛が目立ってくる。そこで、患者さんには、最低でも睡眠時間は五時間を確保すること、不足しがちなときには昼寝(昼の30分は夜の一時間にあたります)をすることなどを勧めています。 偏った食事バランスや栄養不良、過度のダイエット、不規則な食事時間なども、髪の毛の太さ、成長のスピードに変化を及ぼします。

 
AGAのタイプいろいろ〜日本人版
男性聖脱毛症の発症に関わる物質であるⅡ型5αリダクターゼは、前立腺および、頭部の一部に存在しています。頭部の一部とは、前頭部から頭頂部にかけてで、そこが脱毛の現れる場所となります。 そこで、症状の現れ方としては、額の生え際が後退するタイプ、頭頂部から脱毛が進むタイブ、その両方がミックスされているタイプなどがみられます。こうした脱毛症の部位の評価によく用いられるのが、ハミルトン・ノーウッド分類です。 この分類は日本にも導入されましたが、日本人と欧米人では肺胞の進み方が異なることがわかってきました。欧米の男性は、額の生え際から薄くなることが多いのですが、日本人は、類の生え際があまり目立たないうちに、頭頂部の薄毛が進む人が多いのです。そこで、現在は二九の分類に頭頂部の変化をつけ加えた改変版を主に用いています。ただし、進行のしかたは、人種の差はもちろん、個人差が大きいことにも注意か必要です。 下図のⅡやⅡ‐vertexであれば、地肌が目立だない髪型にすることで対処することは十分に可能であると考えられますが、現状では、クリニックを訪れる患者さんの約四分の一がⅡあるいはⅡ‐vertexです。気になり具合と脱毛の進行の程度は、必ずしも一致しないということの表れでしょう。

ヘアサイクルが語る毛髪のすべて
髪の毛をつくっている毛母細胞は、毛根の最も根元にあたる部分にある毛乳頭の周辺に存在しています。毛乳頭細胞が毛細血管から酸素や栄養を取り込んで、毛母細胞の細胞分裂を促していくことで髪の毛が伸びていきます。 髪の毛には髪の毛そのものの寿命があり、生涯を通じて抜けない毛はありません。寿命を迎えた髪の毛か抜け、生えかわるのは自然なことで、1日80〜100本程度の抜け毛であれば心配はいらないといえます。髪の毛は、抜けては新しい髪に生えかわるというヘアサイクル(毛周期)を繰り返すことで、一定の毛髪量が保たれています。 ヘアサイクルは、「成長期」「退行期」「休止期」の三つの段階からなっています。まず、「成長期」(2〜6年)は、新しい髪が太く長く成長する期間で、この期間は、髪の毛をつくり出す毛母細胞の分裂が活発です。成長期の初期の髪の毛はやわらかい軟毛ですが、徐々に成長し、硬く太い毛に育ち、伸び続けます。 次に「退行期」(約二週間)に入ると、毛母細胞の分裂か衰え、髪の毛の成長が弱まります。 そして、「休止期」(三〜四か月)になると、毛母細胞の分裂は完全に止まってしまい、寿命を迎えた髪の毛か抜けていきます。休止期は次の発毛、成長期への準備期間です。

 
成長期の短縮化と毛髪ミニチュア化
髪の毛は、通常、ほぼ一定に保たれた周期で、成長期、退行期、休止期を繰り返しています。このヘアサイクルが何らかの影響で乱れると、抜け毛が増え、薄毛を招くことになります。 男性型脱毛症の主な原因であるジヒドロテストステロン(DHT)は、毛乳頭を萎縮させ、毛母細胞の分裂を抑制してしまいます。その結果、通常は2〜6年ほどある成長期が、年、あるいはもっと短くなります。本来はト分な期間を経て、太くて硬い髪の毛になり伸び続けるはずが、正常な成長を遂げられないまま、初期の細くて短い髪の毛のうちに休止期に入り、途中で抜けてしまう。それがまた生えてきても、一年も経たないうちに抜ける、といった異常なサイクルがくり返されていきます(毛髪のミニチュア化)。 成長期が短縮されることで、太く硬い毛に代わり、未発達の細くて短い、さらに色も薄いうぶ毛状の毛が増えるため、頭皮が透けるようになり薄毛状態が加速されます。さらに進むと、休止期から成長期に移行しない、つまり新しい毛を生やす毛根も減り、うぶ毛状の毛さえ減って、毛髪量も減少していくことになります。こうして男性型脱毛症の症状は徐々に進行していきます。

 

フィナステリドとミノキシジルの薬効のメカニズム

男性型脱毛症に対する守りと攻めの代表的な治療薬フィナステリドとミノキシジルについて、その薬効のしくみをみてみましょう。 フィナステリドは飲み薬です。血流にのって毛乳頭細胞、毛母細胞のなかに入り込んだフィナステリドは、テストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)に変換するときに必要となるⅡ型5αリダクターゼという酵素の働きを抑制します。その結果、DHTの生成量が減り、成長期から休止期に移行する毛髪が減っていきます。 ミノキシジルは塗り薬です。前述した通り、当初は、降圧剤として開発された薬なので、末梢血管の拡張作用があり、その作用によって、頭皮の良識の改善効果があると考えられていました。徐々に研究が進むにつれ、それ以外にも、直接毛髪をつくり出す毛母細胞に働きかけ、細胞分裂を活性化する効果があることか解明されてきています。詳しいしくみについては今後のさらなる研究が待たれるところです。 なお、一般に、ミノキシジルは頭頂部の薄毛には効果があり、前頭部の生え際には効果がないとされますが、実際には、長期間にわたって使用した場合、前頭部の発毛効果も経験しています。元々軟毛が存在することの多い頭頂部では軟毛が太く早く伸びる効果が顕著にみられますが、軟毛すらなくなっていることの多い前頭部の生え際では効果が目にみえるまでの期間が長くかかるということなのだと考えられています。

 

 
治療方針は遺伝子検査で決定できる
抜け毛は遺伝するのか。患者さんのなかには、ご両親をはじめ、おじいさんやおじさんなど親戚に薄毛の人がいるため、将来を心配し、まだそれほど症状が進んでいなくても受診する人がいます。 現在、男性型脱毛症の発症に関わる酵素、Ⅱ型5αリダクターゼがどこに存在して、どのくらい活発に働くかは、両親からの遺伝で決まることがわかっています。 同様に男性型脱毛症を引きおこすもう一つの重要なボイントである、男性ホルモンに対してどのくらい反応しやすいか、という男性ホルモンの感受性については、ある遺伝子(男性ホルモン受容体遺伝子)の塩基の配列を検査することで調べることができるようになりました。この感受性が高ければ、ほんの少しジヒドロテストステロン(DHT)が増えただけで男性型脱毛症が進行してしまいます。逆の見方をすれば、薄毛の症状かそれほど進行していなければ、比較的少量のフィナステリドでも効果を期待することかできます。 一方、感受性が低い患者さんでは、男性ホルモンの影響を受けにくいにもかかわらず、男性型脱毛症を発症しており、それだけ多くのDHTが存在し、Ⅱ型5αリダクターゼの働きも活発であると予測されます。この場合には、ある程度多量のフィナステリドの服用が必要になると考えられます。
女性も男性型脱毛症になる?
最近は薄毛、抜け毛に悩む女性が増えています。とくに、ストレスなどでホルモンのバランスがくずれた場合や、更年期以降などには、女性でも男性型脱毛症がみられることもあります。 女性の脱毛はさまざまな要因が複雑に関わり合っていることが多いのですが、①頭皮の荒れやかぶれなどの皮膚トラブルによる脱毛、②過度のダイエットによる脱毛、③出産後の脱毛、④卵巣疾患による脱毛、⑤甲状腺異常などのホルモン異常に伴う脱毛、⑥自分の頭皮や眉毛を無意識のうちに抜いてしまう「トリコチロマニア(抜毛症)」、⑦円形脱毛症、など一時的な薄毛のほかに、⑧加齢による薄毛、⑨頭皮の血流の低下による薄毛、⑩女性ホルモンの低下による薄毛、⑨女性の男性型脱毛症などの進行性の脱毛症に分類されます。 クリニックを訪れる女性の年代をみると、40〜50代を中心とする更年期世代と、20代の若い女性に大きく分かれ、それぞれ特微がみられます。 40〜50代の脱毛は、加齢に伴い髪が細くなるとともに、髪の維持に働く女性ホルモンが減少する更年期には、髪のボリュームダウンが急速に進みます。 一方、20代を中心とする比較的若い世代の場合、頭皮の血流の低下による脱毛が多く、これはストレス過剰や睡眠不足、偏った食事などの生活習慣に原因かあることも多いのです。 発毛治療にはいずれもミノキシジルが効果的ですが、生活改善も大切な治療の一環で、ビタミンやミネラルのサプリメントも有効です。
治療効果の維持に必要なことは患者さん自身の日常ケア
フケや汚れ、頭皮の炎症や湿疹といった頭皮の状態はもちろんのこと、食事や生活習慣の乱れは、髪の健康に大きな影響を与えます。いくら効果的な薬を用いても、髪の土台となる頭皮、そのまたヒ台となる体そのものが健康でなければ、せっかくの薬の効き目が無駄になってしまうこともあります。 例えば、薄色の原因として、男性ホルモンのほかに、遺伝、ストレス、食事・生活習慣が挙げられます。男性ホルモン、遺伝については、患者さん白身の努力で変えられるものではありません。そのしくみを探り、治療に生かすのは専門家の領域です。しかし、ストレス、食事・生活習慣は、患者さん自身が管理できる要因です。
頭皮環境、生活習慣から今後の薄毛リスクをチェック
薄毛・抜け毛を気にしている人は、悩みが深ければ深いほど、意識が「髪の毛」だけに集中してしまいがちです。しかし、髪の毛は皮膚が変化した皮膚の付属器、つまり体の一部です。全身の健康と無関係なはずはありません。体に良いこと、肌に良いことは、髪にも良いことであり、体に悪いこと、肌に悪いことは髪にも悪いのです。 高血圧や糖尿病になりやすいメタボリックシンドロームと聞いても、肥満気味の中高年の問題、今の自分の髪の悩みとはなんの関係もなさそうだと考えるかもしれませんが、実は、薄毛との関連も指摘されています。血流の悪化は、頭皮や毛髪の成長を妨げます。脱毛症状を悪化させたり、治療の効果を損なわせてしまったりする可能性もあります。 ですから、薄毛治療や自身のケアを効果的に進めるためには、髪の毛に集中しがちな視野を少し広げて、自分の生活習慣はもちろん、全身状態や血管の状態にも関心を寄せ、まず自らの健康を重視して改善していくことが大切です。 頭皮の清潔や、適切なお手入れが欠かせないのはいうまでもありません。まずは、頭皮環境、生活習慣を見直し、今後の薄毛度のリスクをチェックしてみましょう。
 

 

睡眠不足、喫煙、ストレス……髪の毛に良くない六つのこと

すでに述べているように、髪の毛は、皮膚が変化したものです。睡眠不足で肌が荒れるとかニキピが増えるといったトラブルかおきるように、睡眠不足は、薄毛にも大敵です。 髪の毛は、主にケラチンというたんぱく質でできており、髪の毛をつくる過程では、ビタミンや亜鉛などのミネラルが必要となります。材料となる栄養素を食事から摂取できないようなバランスの悪い食生活では、健康な髪の毛をつくることはできません。 喫煙は血管を収縮させ、頭皮の血流を悪化させるので、当然のように育毛を妨げます。 飲酒は適量ならば血行を良くするのですが、アルコールを分解するためには髪の毛にとって大切なビタミンやミネラル、とくに亜鉛か消費されるので、飲みすぎには注意が必要です。 運動不足は全身の良流を低下させます。ストレスも、自律神経やホルモンのバランスを乱し、結果として血流を悪化させるので、育毛にはマイナスの影響を与えます。 また、ストレスは髪のもととなる細胞の数を減らしてしまう可能性があります。 睡眠不足、不規則でバランスの悪い食事、喫煙、過度の飲酒、運動不足、ストレスの六つが、髪の毛にとって良くない生活習慣といえます。
繰り返します、生活習慣の見直しとリニューアルが大事
六つの良くない習慣をポイントにして、自分の生活を見直してみてください。
【睡眠】よく眠れていますか?育毛に大切な働きをする成長ホルモンの分泌は、一日のうち夜の10時から夜中の2時までの時間帯に増加するといわれています。一方、時間帯にかかわらず、入眠後暫くすると、成長ホルモンの分泌が完遂することもわかっています。睡眠の時間帯を気にするより、少なくとも睡眠は五時間以上とるようにしましょう。
【食事】バランスはどうでしょう?肉や、魚、大豆、野菜など、偏りのない食客を心がけると、良質のたんぱく質、ビタミン、ミネラルなど髪の発育に必要な栄養素を万遍なく摂ることができます。健康な髪をつくるには体のなかではつくることができない必須アミノ酸が必要であり、食事からコンスタントに摂り続ける
ことか大切。外食の多い人などは、サプリメントの利用も役立ちます。
【喫煙・飲酒】禁煙が難しければ、節煙をして徐々に減らしていくことが大事。頭髪だけに限らず、全身の健康のために重要です。また、飲酒は適量にとどめるようにします。
【運動・ストレス]激しい運動は体内で活性酸素が発生することもあり、かえって毛根にダメージを与えるかもしれません。軽いウォーキングやストレッチなどで血行を改善し、習慣として身についてくれば良いストレス解消にもなります。
あれもしなければこれもしなければと神経質になりすぎるのも逆効果。それがストレスにならない程度に、徐々に改善するようにしましょう。
毎日の習慣がモノをいうシャンプー&マッサージの極意
直接、髪と地肌に触れるシャンプーの成分や洗い方、マッサージのしかたを見直すことも、とても大切です。 シャンプーは肌刺激の少ないものを選ぶようにします。頭皮にしみたり、シャンプー後に頭皮がつっぱったり、乾きすぎたりといった違和感のあるものは避けます。 実際のシャンプーのしかたは、一度洗いでも二度洗いでも、自分の好みでかまいません。洗い方のコツとしては、シャンプーを十分に泡立てて、泡に皮脂や汚れを溶かしこむようにして、地肌を丁寧にやさしく洗うこと。地肌は指先ではなく、指の腹を使って洗います。 まず、髪全体を十分なシャワーの量でよく濡らし、頭皮と髪の汚れを大まかに洗い流します。シャンプーをよく泡立て、髪全体にやさしく万遍なく伸ばしたら、首筋のすぐ上から地肌を洗い始めます。地肌を洗うときには力を入れすぎず、指の腹を使い、汚れや脂分を浮き出させ、シャンプーの泡になじませるようにして洗います。爪を立てたり、ゴシゴシとこすったりするのは禁物です。すすぎは、時間をかけてト分に行います。シャンプーが残っていると、頭皮に負担がかかり、肌トラブルの原因となります。シャンプー後は、濡れたままにしておかず、ドライヤーで乾かします。 マッサージは頭皮の血行を良くするのが目的です。シャンプーのときと同じ要領で、指の腹で、力を入れすぎず気持ちが良いと感じる強さをキープして、頭頂部へ向かい地肌を押し上げるようにします。濡れている頭皮は、こすると刺激を受けて傷つきやすいので、シャンプー前のマッサージがお勧めです。
日々の小さなケアで頭髪トラブルを防ごう
治療中の患者さんはもちろん、治療が必要でないと判断した患者さんにも、今後の頭皮のトラブルと髪のトラブルをできるだけ避けてもらうために、一人ひとりの状況に合わせて、頭皮や毛髪の具体的なケアの方法をアドバイスしています。その際の重要なポイントは、次の三つです。
1.頭皮をこすりすぎないこと
2.頭皮の深淵に気を配ること
3.バランスの良い食事を摂ること
髪の毛に悩みをもつ人の大部分に共通するのは、「やりすぎ」の傾向があることです。とくに頭皮のこすりすぎによる目に見えないほどの小さな無数の傷が、頭皮トラブルのほとんどを招く原因になっています。頭皮を激しくこするのは、抜け毛を助長すると認識して、絶対やめてほしいことです。 シャンプーやマッサージのしかたに注意するほかに、ブラッシングのときにもプラシは頭皮には当てないようにします。ブラシの選び方としては、髪を整えるときには静電気のおきにくいつげのくしや、ブタの毛、イノシシの毛を使った良質のブラシを使うようにします。 それから、頭皮の保湿も大切。乾燥が気になる季節には、保湿性の高いシャンプーやコンデイショナーを選ぶようにします。乾燥による静電気は、髪をもつれさせ、髪が傷む原因にもなります。 また、紫外線の頭皮への影響がよくいわれます。髪にも関係する真皮のコラーゲン層へのダメージについては定かではありませんか、髪の毛を傷めるのは確かなので、強い日差しの当たりすぎには要注意です。

シャンプー剤は何がいい?

薄毛や抜け毛が気になり始めたら、普段のヘアケアにも目を向けたいものです。頭皮環境を整える基本となるシャンプー、ポイントは、主成分となる洗浄基材(界面活性剤)です。洗浄基材の代表的なものには、石油系、石鹸系、アミノ酸系の3種煩があります。 石油系シャンプーは、合成界面活性剤が主成分で、泡立ちが良く洗浄力が強いのが特徴です。市販のシャンプー剤の多くはこのタイプです。石鹸系シャンプーは、石鹸成分が主成分で、洗浄力が強いのが特徴ですが、アルカリ性のため洗い上がりがごわついた感じになりますし、良く洗い流さないとね鹸カスが残ることかあります。アミノ酸系シャンプーは、天然素材であるアミノ酸を原料とした洗浄成分か主成分なので、頭皮への刺激か少なく、保湿性もあるので髪のパサつきを抑え、頭皮の乾燥を防ぐ効果もあります。薄毛や抜け毛、頭皮に不安のある方に適したシャンプーともいえるでしょう。 最近、シャンプーでノンシリコンという言葉を耳にすることが多くなってきました。シリコン配合のものより、頭皮や毛髪にやさしいという印象かおりますが、シリコンは必ずしも毛穴に詰まったり、頭皮に負担をかけたりするようなものではありません。ただし、シャンプーに含まれる有効成分の頭皮や毛髪への浸透を妨げるものではないことが確認されている一方で、シャンプー後の育毛剤や発毛剤の吸収が悪くなるともいわれています。

市販の育毛剤って効くの?

薄毛や抜け毛の心配が出てくると、まず、思いつくのが「市販の育毛剤」を試すこと。患者さんの話を聞いていて、意外なのは、育毛剤の効果を求めなから、実は、成分や使い方をよく理解しないまま購入し、使用していることです。 数多くの育毛剤が市販されていますが、選択にあたっては、「有効成分」と「期待される作用」を見極めることが大切です。代表的な成分としては、ミノキシジル(毛母細胞に働きかけ発毛・育毛を促進する)、センブリエキス(頭皮、毛根への血流を良くする)、ニコチン酸アミド・アデノシン(毛母細胞を活性化させる)、β‐グリチルリチン酸(殺菌作用がある)、ショウキョウチンキ(血行促進や抗菌作用、抗酸化作用がある)、塩化カルプロニウム(頭皮の血管を拡張する作用かおる)、サイトプリン(毛根を再活性化する)などがあります。 作用としては、毛母細胞の活性化作用を重視して開発されたものと、頭皮や毛根の血流改善に重点を置いたものとの、一種類に人別することができます。しかし効果の現れ方には個人差があり、かなり時間もかかります。あれこれ浮気せず「自分に合っているな」と感じるものを、少なくとも3〜6か月は継続して使ってみることか大切です。
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