お気入りの服と長く付きあえる長持ち洗濯術

高い服や、思い出の服。虎の子の一枚を守る、洗濯のテクニック

お気に入りの服はできるだけ長く着たい。でも、お気に入りだからこそ何度も着ると、自然と洗濯の回数も多くなってしまい、気づけばヨレヨレのヘタヘタ…そんな経験ありませんか?

そこで、今回はお気に入りの服と長く付き合うために、ファッション系メディアでも“引っ張りだこ”なクリーニングアドバイザー神谷知伯さんにお話を伺って参りました! 神谷さんとのお話をもとにまとめた洗濯しても衣類を傷めずに長持ちさせるテクニック、題して長持ち洗濯術をご紹介いたします。

カミヤクリーニング 神谷知伯
「シミには厳しく、衣類にはやさしく」をモットーに、染み抜き方法には強い「こだわり」を持つ。黄ばんだシミで、他店で断られたり、落ちなかった方など、お客様の心配、不安を解消するべく、日々仕事に励んでいる。
数多くのメディアにも取り上げられており、地元住民からの信頼も厚い。

そもそもなぜ衣類は痛むのか

洗濯で衣類が痛むもっとも大きな原因は、衣類同士が洗濯槽の中でこすれてしまう、『摩擦(まさつ)』にあります。この摩擦が何度も繰り返されることで、生地にダメージが蓄積され、よれてしまったり、ヘタヘタになってしまうのです。 「それならば、一着だけで洗えば摩擦が発生しないから痛まないのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、そうすると今度は摩擦がまったく生まれないので衣類がキレイになりにくいといったジレンマがおきてしまいます。

ちなみに洗濯容量以上の洗濯物を入れてしまうとなかなか汚れが落ちないのも、これと同様の理由で、洗濯物が多すぎて洗濯槽内で摩擦が発生せずに、汚れが落ちないというわけです。
つまり、汚れが落ちる程度に摩擦は発生させつつも、汚れが落ちるギリギリまで摩擦をなくしていくことが、衣類を長持ちさせる上では重要なのです。

では、この過剰な摩擦をなくすにはどうしたらいいのか。もっともスマートで簡単な解決方法は、洗濯の時間を短くすることです。

洗濯時間は10分で十分

皆さんは一回の洗濯にどれくらい時間をかけていますか? もしかしたらその洗濯時間、長すぎかもしれません!
というのも、洗濯機に設定されている洗濯時間は、洗濯機が生まれた時代からほとんど変わっていないのです。オフィスや住環境の衛生面が整っていなかった当時ならいざ知らず、働く環境のクリーンさや、洗濯機の性能も上がっている今の世の中なら、洗い4分・すすぎ3分・脱水3分の計10分。コレだけで充分に汚れを落とすことは可能です。むしろ、できるだけ短い時間の洗濯のほうが、衣類同士の摩擦が抑えられ、衣類を長持ちさせることができるのです。

汚れが気になる箇所は部分ケア

10分間の洗濯で、汚れは十分に落ちるのですが、それでもどうしても汚れがちな首周りや袖周りの汚れが気になる場合は、長時間洗濯機を回す代わりに洗濯前に部分的にケアするのがよいでしょう。
このとき、特別な薬剤などを使う必要はありません。汚れの気になる箇所に洗濯洗剤をスプレーなどでかけて、歯ブラシでこするだけでOK! 歯ブラシはブラシの毛が立つように斜めにかけるのがポイントです! 洗濯洗剤を薄めてスプレーで吹きかけるとよいでしょう。スプレーがなければそのまま直塗りしてもOK。

使い終わった歯ブラシなどで磨くだけでキレイになります。

それでも汚れが気になるときは、10分を2セット

それでも汚れがひどい場合には、長時間洗濯機を回すのではなく、10分洗濯を2セット行うといったように、何回かにわけて洗濯するのがおすすめです!
と言うのも、通常の洗濯ですと30〜40分衣類が揉まれっぱなしになってしまいますが、10分洗濯を2セットであれば一回目の10分洗濯のあとに衣類を広げて確認してみたりすることで生地が広がり、結果的にダメージ緩和につながります。

また、10分洗った段階で汚れがひどい箇所を選別することができれば、汚れがひどい箇所に洗剤をつけて歯ブラシで念入りにこする、つけ置き洗いに切り替えていくなど、洗濯の方針をなるべく衣類にダメージが少ないものへと変更することが可能だからです。そういった意味からも、長時間の洗濯ではなく、10分洗濯を2セット行ったほうがより衣類にやさしく洗濯することができると言えるでしょう。

洗濯ネットでダメージ軽減

洗濯時間を短くする以外にも洗濯する際に衣類を傷めないための代表的なテクニックのひとつに洗濯ネットを使うというものがあります。しかし、ただ衣類をネットに入れればいいというものではありません。ネットの中で衣類が動いてしまうと、衣類とネットとの間に摩擦が発生してしまうので衣類へのダメージは軽減できません。写真のようにタオルでネットの首をしばって、衣類が動かないようにすることで生地へのダメージを抑えることができるのです。 中の衣類が動かないようにタオルでグッとしばります。

意識を変えれば、服の寿命が変わります

長持ち洗濯術、いかがでしたでしょうか。今回神谷さんにお話を聞く中で、いかに長時間の洗濯が衣類にダメージを与えてしまっているかということがわかりました。毎日何気なく洗濯機に入れて、そのまま普通コースで洗濯してしまっている服も、これからは基本的に短時間の洗濯コースで洗濯するようにする。そして、汚れがひどいときは短時間の洗濯コースを何セットかにわけて行う、と意識を変えることで衣類の持ちが驚くほど変わります。もちろん、洗濯ネットなども駆使することでさらに衣類にやさしい洗濯が可能です! ぜひ、長持ち洗濯術を使って、お気に入りの服と長く付き合っていきましょう。