夏だ! ビールだ! 手づくりだ!

ビールにとことんこだわりたいから、手づくりビールにチャレンジしてみました

日本ではめずらしいブラウマイスター・浅香光氏と一緒に、ビールをつくってみました

連続猛暑記録を塗り替えるような暑さの、今年の日本列島。こんなとき欲しいのはそう、キンキンに冷えたビールですよね。最近ではクラフトビールなんかも流行ってますから、ジブン好みのビールを手づくりしてみるのはいかがでしょうか? 「えっ? つくれるの?」という疑問の声が返ってきそうですが、ハイ、自分でつくることができるんです。というわけで、この夏、UPGRADE編集部はオリジナルビール、もとい法律にひっかからないように“ノンアル”ビールづくりにトライ! 編集部単独では不安だったので、日本人としてはめずらしいドイツの国家資格・ブラウマイスターの称号を持つビールの達人・浅香光氏の手ほどきを受けながら、ビールづくりに挑戦してみました!

浅香 光
ブラウマイスター

日本に招かれて仕事をしていたドイツ人マイスターとの出会いをきっかけに、ビールの道に進むことを決意。ベルリン工科大学ビール醸造学科で日本では数少ないブラウマイスターの資格を取得後、日本国内のクラフトビールメーカー数社にて経験を積む。2015年春、東京・目黒にクラフトビール醸造所を設立し、自身のクラフトビールブランド「マイスターブロイ」をスタート。機械を一切使わず、正真正銘のクラフトビールづくりを行っている。

おいしいものは、時間がかかる

みなさん、ビールづくりは初めてだと思うので、どれくらい時間がかかるのかサラッとご説明したいと思います。ビールができるまでには全工程で、約1ヶ月〜1ヶ月半程度の期間が必要です。作業が大変というよりは、『待ち』の時間が長いのがビールづくりの特徴のひとつ。次のバーベキューで振る舞いたい!なんてお考えの方は、少し余裕を持ってスケジュールを組んでください。また、ビールの仕込み自体も結構おもしろい作業だったりするので、一人で黙々とやるよりは、みんなでワイワイガヤガヤつくることをオススメします。

step0:すべてネットで揃っちゃう材料集め

step1:ビール作りの命である仕込み(作業1日目)

step2:焦らず待てよ、一次発酵(7日間前後)

step3:いよいよ大詰め、ラッキング→プライミング→瓶詰め(作業2日目)

step4:ワクワクしちゃう! 瓶内発酵→完成!(約2週間〜1ヶ月前後)

※step2は、今回のノンアルコールビールでは約2〜3日

必要なものは、ネットですべて揃っちゃう!

それでは早速ビールづくりにとりかかりましょう。東急ハンズ等でも売っていますが、材料はすべてネットでも揃います。
ビールづくりに最低限必要な材料は以下の4つ!

モルトエキス

大麦の麦芽から抽出した水飴状のもの。舐めると、甘くてものすごく苦いです! 今回はニュージーランド産の「BLACKROCK」というブランドのモルトエキスを購入しました。
「BLACKROCK」にはさまざまな種類がありますが、今回チョイスしたのはドイツ発祥で味の濃いビールとして有名な「BOCK(ボック)」。 「BOCK」以外にも様々な種類が存在し、すっきりしてさわやかな飲み口のピルスナーなんかにもチャレンジすることが可能です。詳しくはこちらも参考にしてみてください!

イースト
(ビール酵母)

モルトエキスを発酵させるのがイーストです。単独でも売っていますが、モルトエキスとセットで売っていることが多いので、それを使うのが便利。ちなみに、パンを手作りするときに使うイーストとは種類が違うのでご注意を!

普通の水道水で大丈夫。あえてミネラルウォーターを選んで、こだわってみるのもアリ。

砂糖

普通の上白糖、グラニュー糖などで大丈夫です。
※モルトエキスの種類によって添加しない場合もあります。

次に、材料の他に必要な『ビールをつくるための道具類』。今回は“コレさえ買っておけばだいじょうぶ!”な初心者にオススメの「手作りビールキット・スターターキット【フルセット】」(アドバンスト・ブルーイング)でチャレンジしてみることに。購入は、もちろんネットでポチリ。 ビール瓶(中瓶24本)付きのフルセット(材料と詳しいマニュアル付き)

ビールづくりは仕込みが命

【1】ココを間違うと、すべてがパーになる、殺菌!
さあ、いよいよ仕込みに入ります。まずはすべての道具を殺菌。殺菌が終わったら、よく乾かしておきましょう。もちろん、自分の手もよく洗って、消毒用アルコールで念入りに。 台所用塩素系漂白剤を殺菌液として使う場合は、水1Lに対して漂白剤を3mlの割合で溶かして使用

漂白剤で殺菌したあとはよく乾かしましょう。使う直前にさらに消毒用アルコールを吹き付けて万全に

浅香POINT!
殺菌はちょっと面倒ですが、美味しいビールをつくるには欠かせない作業です。ぜひ、念入りにやってください。

【2】そーっと丁寧に。モルトエキスをお湯に溶かす
モルトエキスをボウルに入れ、そこにお湯を注いで溶かします。今回、モルトエキスは1缶(1700g)の1/5、340gを使用。ベトベトとした水飴状になっているのでスプーンでこぼれないように丁寧にボウルに入れます。そこに1000ml前後のお湯を注いで、かき混ぜてよく溶かします。

浅香POINT!
モルトエキスはこぼしやすいので、テーブルを汚さないように、気をつけて作業しましょう。

【3】発酵容器に水を投入! 水道水なら一手間加えて
あらかじめ殺菌しておいた発酵容器(20L)の1/3程度に水を入れていきます。水道水を使う場合は、できればいったん沸かして冷ました水を使います。ここでは、奮発してミネラルウォーターを使いました!

浅香POINT!
水道水でも十分おいしくつくれますが、慣れてきた方は水にこだわってみるのもいいと思います。同じ材料を使っても、水が違うだけで味が変わってくることもあります。

【4】発酵容器にお湯に溶かしたモルトエキスを。じょうごを使いましょう
発酵容器に、今度は溶かしたモルトエキスを入れていきます。発酵容器の口が小さいので、じょうごを使うと良いでしょう。今回はペットボトルの口をカットしてじょうご代わりに使ってみました。その後、さらに発酵容器に残りの水を入れていきます。

浅香POINT!
発酵容器の口が小さいのには理由があって、余計な雑菌が入らないようにするためなんです。

【5】発酵容器にイーストを投入する 水を入れ終わったら、イーストを投入します。今回使用するイーストはモルトエキスの缶に付いてきたもの(エールタイプのドライイースト、5g)。半分〜全量を投入し、その後、発酵容器全体にイーストが行き渡るように、よく振って撹拌(かくはん)します。発酵容器をふるのは結構楽しいので、みんなでやると盛り上がるかもしれません(笑)。

発酵容器を撹拌する際、こぼれないように口の部分をゴムのストッパーで栓をします。ただし、このストッパーには真ん中に穴が開いていますので、要注意。

ストッパーの穴にエアーロックを挿し込みます。エアーロックには目盛りがついているので、半分の量の水を入れておきます。

浅香POINT!
エアーロックに水を入れることで、発酵する際に発生する炭酸ガスを逃がしながら、泡の状態とエアーロックで発酵をシッカリ管理。外から雑菌が進入するのを防ぎます。

【6】発酵容器に温度計を貼り付けてこまめに温度チェック! この写真は、撹拌し終わった直後の発酵容器。シール温度計を表面に貼って温度を確認すると、温度は「26度」を指しています。これから数日間、発酵容器の温度が「20〜25度前後」になるように、日の当たらない場所に置きます。この数日間で、発酵が進みます。

ここまでで仕込みが完了! みんなで一緒にやれば小一時間で作業は終わります!

焦らず待てよ、一次発酵

発酵容器を20〜25度前後になるように、部屋の冷暗所に置いて数時間が経ちました。発酵容器を覗いてみると、表面に泡立ちが見えます。一瞬「カビかな?」と勘違いしてしまいそうになりますが、これが、まさに発酵のサインなんです! この泡がもっと広がって液面をおおうようになります。今回、我々が仕込んだのは“ノンアル”ビールなので、一次発酵はものの2〜3日であっさりと終了です。

いよいよクライマックス! ラッキング→プライミング→瓶詰め

左が、市販のビール(BOCK)を注いだもの。右が、発酵容器で仕込んだビール未満の溶液。こんなふうに泡が立つビールに仕上がることを期待!

さて、いよいよ発酵が終わったビールを瓶詰めしていきます! 今回も、まずは念入りな殺菌作業からスタート!

【1】やっぱり大事、殺菌作業 ビールを詰める瓶や王冠、そして作業に使用するすべての道具の殺菌を行います。もちろん、自分の手の殺菌も忘れずに!

【2】酸化に注意! 発酵容器からボトリング容器へうつす(ラッキング) 次に、発酵容器に入ったビールをサイフォンチューブでボトリング容器へうつします。ここでなぜサイフォンチューブを使用するのかというと、発酵が終了したビールは酸化を嫌うから。

浅香POINT!
発酵容器の底に沈殿している澱(おり・活性を失って沈殿したイースト)は極力入れずにうつすのがポイントです。また、サイフォンチューブを使うときのコツは、発酵容器をボトリング容器の高さよりも高い位置に置き、発酵容器にサイフォンチューブを差し込んで、高いところから低いところに流れるようにセットすること。そうするとうまくビールをうつせます。

【3】入れすぎ注意! プライミングの準備 今度は、プライミングの準備に入ります。「プライミング」とは、発酵が終わったビールに炭酸ガスを溶けこませる行程のこと。ビールに欠かせない炭酸がここで追加されるわけですね! この行程で使用する砂糖を「プライミングシュガー」と呼ぶのですが、これをあらかじめ瓶に入れていきます。分量は「ビール1Lあたり7gを少量のお湯(おおむね12mlくらい)で溶かす」ということなので、今回はビール20L分として140gのプライミングシュガーをお湯で溶き、それをビール瓶1本分の分量に分けて、スポイトで瓶に直接入れていきます。

浅香POINT!
ここで、プライミングシュガーを入れすぎると瓶に入ったビールを開栓するときに、ビールがこぼれ出てしまいますから分量に注意してください。

【4】いよいよお待ちかね! 瓶詰め プライミングシュガー入りの瓶が用意できたら、ボトリング容器からビールを入れていきます。ビールは、ボトルの上ギリギリまで入れすぎないように注意! 上から3〜4cmのスペースを残してあげることで、温度変化による液体の膨張でボトルが割れるのを防ぎます。

【5】意外とカンタン! 打栓 ビールを入れた瓶はすみやかに王冠を打って栓をします。打栓器を使えば、力を入れなくても簡単! 生まれて初めて打栓したUPGRADE編集部員、底知れぬ達成感に包まれました!

瓶詰めをしてから最低でも1カ月程度は寝かせて、ビールを瓶内発酵させます。この間に熟成が進み、どんどんおいしくなっていきます。

【6】こだわりのオリジナルラベルにもチャレンジ! せっかく手づくりでビールにこだわったのだから、ラベルにもこだわってみましょう。凝ったラベルをプリントアウトして貼ってみると、オリジナル感は格段にアップします! お気に入りの写真を使ったり、凝った名前をつけてみるのも一興。ちなみに調べてみたら「ビール・ラベライザー」というビールのラベルデザインをWeb上で簡単にシミュレーションできるサイトもありました。いろいろ工夫して楽しんでみましょう!

おいしい手づくりビールの味は…

初めてのビールづくり。途中、細かな手順が正直面倒と感じることもありましたが、自分たちで瓶に詰めるまでをやってみると、感動もひとしお。一本一本に愛情を感じるし、何より達成感がすごい! また、日頃何気なく飲んでいるビールもこうやって人の手によってつくられているんだな〜と考えるきっかけにもなりました。

さて、今回、瓶に詰めたビールをちゃんと飲めるのは約1ヶ月後。UPGRADE編集部ではちょっと気のきいたおつまみとともに試飲して、後日、ビールがどんな味に仕上がったかを皆さまにお届けしたいと思っております。巷では、手作りビールは泡が違う!とか、酵母が生きてるからオイシイ!なんて声も聞こえてきますので、とっても期待できそうです! ぜひ、お楽しみに!

免責事項
日本国内でアルコール度数1%以上の飲料をつくることは法律上認められておりません。読者およびビールキット当選者が自宅で1%以上のアルコール度数でビールをつくった場合、UPGRADE編集部およびハイアール ジャパン セールス株式会社は一切その責任を負いませんのでご了承ください。

    

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