40歳までに必ずしたい、お金と人生の10のこと【前編】

“する”と“しない”じゃ全然違う!男の正しい40歳の迎え方「人生設計とお金の関係性」編

マネーのプロが語る、30代のうちにこれだけはしておきたい10のポイント

「人生をアクティブに生きるためのお金の知恵」をテーマに、全5回にわたって紹介するファイナンシャルプランナー山崎俊輔氏の連載第5弾。最終回となる今回は、前・後編の2部構成でお届けします。人生の円熟期、40代を迎えるその前に行うべき10のポイントをマネーのプロの視点から語ってもらいます。前編は、“人生設計とお金の関係性”についてです。

山崎俊輔
1972年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。AFP、消費生活アドバイザー、1級DCプランナー。企業年金研究所、FP総研を経て独立。商工会議所年金教育センター主任研究員、企業年金連合会調査役DC担当など歴任。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。

人生において、40歳をどう迎えるかは非常に重要

あなたは“いい男”として40歳を迎えられるでしょうか?
UPGRADEではこれまでにも男としての格を上げる着こなし術やパーティーテクニックなど、“大人のオトコ”が心得たいスキルを取り上げてきました。これらのスキルを身につけることで、毎日が楽しくなることは間違いありませんが、プラスして習得しておいてほしいスキルのひとつに「お金」のスキルが挙げられます。
40代という人生において重要な局面を迎えるその前に、お金のスキルも自分の武器のひとつとしておくことで、その他のスキルもより一層活きてくるというものです。そんなわけで。人生をアップグレードさせていくためにも考えておきたい「お金と人生の10のこと」を前・後編の2回にわけて紹介していきます。

1. ビジネスで成功したいなら、汗をかけ!

今働いているオフィスで、自分はどこまで登りつめることができるのか。本気で考えたことはありますか? 同期が全員役員になれないことくらいは分かっていると思いますが、自分は課長補佐レベルで終わってもいいのか、部長レベルを目指せるところにいるのか、30代で一度真剣に考えてみたいものです。

優秀な人から先に昇進するのが当たり前の時代ですから、キャリアアップの数年の遅れは生涯賃金でみると数百万円から1千万円のロスになることも珍しくなく、キャリアアップするために本気でアクションを起こすべきタイミングを逃さず実行できるかどうかがカギになります。
ビッグプロジェクトに関わったり、仕事に役立つ専門資格の取得、社内公募への参加や専門誌への投稿など、30代のチャレンジが40代以降の人生に大きく影響を与えます。何もせずに待っていても楽しい人生が送れるだろう、という楽観視はしないほうがいいでしょう。汗をかいた人間だけが、実りある人生を手にいれることができるのです。

2. 30代の身の振り方が人生の豊かさを左右する

30代はキャリアの正念場でもあります。今の職場でビジネススキルを伸ばすのか、新たなフィールドでもう一度チャレンジするのか。また、管理職コースかスペシャリストの道なのかなど、自分自身の適性を見極めることも30代でしておくべきことの一つです。

また、自分のキャリアを検証したときに、今の会社で自分の伸びしろを抑えこまれていると感じるなら、転職することで自分の可能性を高めてみるのも選択肢のひとつです。上手にキャリアアップできさえすれば、40代以降の収入に大きな違いが出てくることでしょう。

自分の客観的評価が分からないなら、人材紹介会社等を活用しアドバイスを受けてみるのもいいと思います。不足しているスキルが明確になれば解消すべき課題がはっきりします。また、自分のスキルや経歴、実績がどこまで通用するのかを見定めるうえでのよい指標にもなるはずです。

もちろん、40代でも転職をするケースもありますが、明確なスキルを「手土産」としない40代の転職はキャリアアップではなく、キャリアの横滑りに終わり、あわや減収なんてことにもなりかねません。

そういった意味でも、30代の転職が自分を飛躍させることのできる最後のチャンスになるかもしれない。そう考えて、自分のビジネスキャリアを磨き、飛び出すべきときにはためらいなく足を踏み出しましょう。また、実際に転職をしないにしても、常に自分を高める気持ちが、仕事面から人生をアップグレードさせるのです。

3. 資格取得とは、自信と信頼を取得すること

もしもあなたが将来の選択肢のひとつとして転職や独立を考えているのなら、資格はひとつの武器となります。「いまさら資格?」と思われるかもしれませんが、「ある」と「ない」では仕事をお願いする側からの信頼や、自分自身に自信を持てるかどうかというメンタル面で大きな違いが出てきます。

また、いざ独立しようと思ってから資格をとるようでは時間の大幅なロスにもなります。ビジネスにスピードが求められる現代社会において、独立しようと思ったときにスムーズに独立できる実力を備えておくことが成功の秘訣なのです。

他にも、40代は管理職などのポストを与えられメインの仕事で忙しくなりますし、体力的にも詰め込み型勉強が厳しくなるため、30代までに資格を取っておく方がいいでしょう。あと、資格試験は回数を重ねるごとに難しくなる傾向もあるようです。
やみくもに資格取得すべし!と言うつもりはありませんが、今の仕事に直結してプラスするものを進んで取得したり、今の仕事に関連した一歩先にある難易度の高い資格にチャレンジしてみるなど、資格取得にも思いを巡らせるのが正しい30代のキャリアの考え方ではないかと思います。

4. 人生に不可避な親子間のお金の話は、先手先手で考えよ!

20代の頃、親は自分の偉大な先達であったかもしれません。しかし、40代を迎えるころには親と自分の距離はどんどん近づき、親がセカンドライフに入ることになれば、その関係にも変化が生まれます。

30代では、親と自分の関係においていくつか考えておくといいと思います。いつか親は弱り、介護が必要になるかもしれません。病気療養が長くなったとき、誰かの支えが必要になってきます。そして、最期の日を迎えたときは、見送る立場になるのです。

また、住まいの問題(親と同居するか、別居するか)、相続(相続財産がある場合は、計画的に生前贈与して非課税にしておきたい)、介護(親の住まいが遠距離の場合、介護状態になるときの負担をどうするか)など、親が元気であるうちに意識を少し巡らしておきたいものです。

こうしたテーマは、話しづらいこともあり、親が病に倒れてから考える、なんて方も多いと思いますが、むしろ健康なうちに話し合っておくことが大切です(特に生前贈与による相続税対策は計画性が重要です)。そのときのために今から準備を欠かさないことが大事です。

5. 終わりよければすべてよし! セカンドライフの豊かさは自分でつくる!

現役時代を楽しむためのお話をしてきましたが、自分自身のセカンドライフについても少し考えておきましょう。「老人になってからなんて」…と消極的な方もいるかもしれませんが、現役時代というのは仕事に追われてなかなか自由な時間をつくることができません。余暇時間の長いセカンドライフをエンジョイできるように準備しておくことも、また重要だと私は考えます。

そのためには、セカンドライフを楽しむためのお金を国の年金だけに頼らない意識が必要です。特に「豊かさ」「ゆとり」は国ではなく自力で確保すべき部分だからです。毎月1万円ずつ、さらにボーナスごとに5万円程度の金額を、30歳から30年継続して年4%の利回り(税や手数料を控除後の実質利回り)で確保できれば、1,264万円の資金に育ちます。年4%の利回りと言われると、ちょっとハードルが高いように感じるかもしれませんが、1年で結果を出すのではなく、10年や20年と言った長いスパンで見たときに4%程度の利回りで確保できれば理想的という話です。日本株で投資する投資信託でいえば、過去10年の間で、年4%以上で運用できている投資信託は200本ほどありますから、決して無理な数値ではありません。セカンドライフを楽しむためにもトライすべきだと考えます。
さらに、基本的な積み立てに加えて40代や50代で積立額を増額できれば2,000〜3,000万円の資金確保も可能になり、友人を呼んでのパーティや旅行、ちょっと豪華なディナーなど、セカンドライフも楽しみ続けることができるのです。

【30歳から30年間の基本的な積立をFV関数※で計算】

月々の
給料

毎月1万円、年利4%、30年の試算
=FV(4%/12,30*12,-10000)

694万円

ボーナス

ボーナスごとに5万円、年利4%、30年の試算
=FV(4%/2,30*2,-50000)

694万円

合計

1,264万円

※FV関数…一定利率の支払いが定期的に行われる場合の、投資の将来価値を返す関数。
構文:FV(利率,期間,定期支払額,現在価値,支払期日)

遠い先のことだと考え、引退後に備える人は残念ながらあまり多くはありません。そして定年退職時に蓄えの少なさに愕然とし、つましい生活を余儀なくされることになります。人生を通した豊かさをデザインするという意識をぜひ、30代のうちに持っておいてほしいと思います。

後編につづきます。後編は40歳を迎えるまでにしておきたい、マネープランのお話です。