“自宅コーヒー”をスペシャルに!

おもてなしの主役級コーヒーをマスターしよう! ハンドドリップのお作法

中米スペシャルティコーヒーに精通したロースター・栢沼良行さんにコーヒーの手ほどきを受けてきました!

目覚めの一杯はもちろん、仕事の合間や、ランチ後の眠気覚ましなど、日々、何かと言えば、口にしているコーヒー。みなさん、家ではどんなコーヒーを飲んでいますか? コーヒーメーカーで淹れる方、手軽にインスタントコーヒーという方、もっぱら缶コーヒーで済ませてしまう、なんて方も多いかもしれません。今回、UPGRADE編集部では、そんな“自宅コーヒー”をおもてなしの主役級にアップグレードさせるべく、最近トレンドのサードウェーブコーヒーにならって、“ハンドドリップでコーヒーを淹れる”ことにフォーカス! たった1杯がひとりの時間も彼女や友達との時間もリッチに変えてしまう、そんなコーヒーの心得を、自ら中米のコーヒー原産地に足を運び、コーヒーを知り尽くすカフェテナンゴ代表の栢沼良行さんにレクチャーしてもらいました。

カフェテナンゴ代表
栢沼良行(かやぬま よしゆき)

コーヒー豆の勉強のため、単身グアテマラに渡ってコーヒー豆の栽培や精製、流通について学ぶ。ニカラグアのカフェ&ロースターで働いたのち、日本人として初めてエルサルバドルのコーヒー学校に入学。2008年にはスペシャルティコーヒーの国際品評会COE(カップ・オブ・エクセレンス)の国内予選から国際審査の全てに参加する。2008年10月、中米スペシャルティコーヒー専門店『カフェテナンゴ』を創立。農園主や現地コーヒー協会と直接連絡を取りながら、こだわりのコーヒー豆を提供している。

基本の道具はこの5つ

ハンドドリップとは、挽いたコーヒーの粉にお湯を注いで抽出するコーヒーのベーシックな淹れ方のこと。まずは最低限、必要な道具をご紹介します!

ドリッパー プラスチック、陶器などさまざまな素材がありますが、初心者におすすめなのは、軽くて扱いが簡単なプラスチック製です。

フィルター(紙、ネル、金属など) 挽いたコーヒーの粉を濾す際に必要なフィルターにも、さまざまな材質のものがありますが、初心者におすすめなのは、ズバリ、紙製のフィルター。手軽さがいちばんの理由です。ちなみに、よく耳にする“ネルドリップ”は、布製(ネル)のフィルターでドリップすることを言い、布目が細かいのでマイルドな味が出るのが特徴です。また、金属製のフィルターは、雑味を含めてコーヒーをまるごと味わえます。ただ、ネル、金属製ともに手入れが大変で、初心者向けとは言えません。

ドリップポット(コーヒーポット) お湯の温度と注ぐスピードを調整するために使います。コーヒー抽出時の適温は90℃前後なので、沸騰したお湯をポットに入れて温度を下げます。また、ポットは注ぎ口が細い専用のものがベターです。コーヒーの濃度はお湯を注ぐスピードによって変わるので、調整がしやすい注ぎ口が細いドリップポットを使うことで自分好みのコーヒーが淹れられます! ドリップポットは雰囲気も本格的になるので、ぐっと気分も上がってきますね!

目盛り付サーバー ついついドリップのコーヒー全部を落とし切ってしまいますが、落とし切ると雑味が出てくるので、サーバーの目盛りを見ながら抽出し、コーヒーを落とし切る前にサーバーを外しましょう。ドリッパーとサイズが合えばメジャーカップでも代用できます。一杯でもドリップの始めと終わりで味が違うので、一度サーバーに抽出してからカップに注ぐことがオススメです。

コーヒーミル(おすすめは電動) コーヒーは挽きたてが命。コーヒーは豆を挽いた瞬間から酸化が始まってしまうので、飲む直前、ギリギリで豆を挽くのがベストな方法です。そのために、コーヒーミルは欠かせません! 電動も手動もどちらも同じくらいの値段で手に入りますが、毎日コーヒーを淹れる、もしくは毎回、複数人数分を淹れるという人には、手間いらずの電動ミルがおすすめです。週末に自分の分だけを淹れるという方は、手挽きのミルでも情緒があっていいかもしれません。

ハンドドリップでコーヒーを淹れてみよう

では、さっそく栢沼さんにハンドドリップを実演してもらいます! コーヒー豆は、朝におすすめのコスタリカ/ラ・カンデリージャ農園のコーヒー豆 [シティロースト]を使用します。

1. コーヒー豆を挽く コーヒー豆を挽きます。コーヒー豆の種類と、ミルの組み合わせによって違うので一概には言えないのですが、カフェテナンゴさんの設備の場合、12グラムの豆でコーヒーカップ一杯(約160cc)を抽出します。ご自宅で実際にチャレンジする場合は、はじめはカフェテナンゴさんの数値を参考に豆を挽いていただき、徐々にご自分の環境に合わせて最適な量を探ってみてください。

2. フィルターに挽いた粉をセットする
ドリッパーの上にフィルターをセットし、その上に挽いた粉をセットします。

3. お湯をわかす
やかんでお湯を沸かします。水は特別なミネラルウォーターが良いと思いきや、「水道水を浄水器などに通したものがベストです」と栢沼さん。日本の水道水は軟水。一方、市販のミネラルウォーターは硬水が多く、コーヒーの味を邪魔してしまう傾向があるとのこと。水道水でいいなんて驚きです!

4. お湯を注ぐ やかんからドリップポットにお湯を移し、少し温度を下げます。90度前後がコーヒーに適した温度です。そのお湯を一定の細さを保ちながら、ゆっくりと注いでいきます。コーヒーを蒸らすために、ドリッパーからお湯が流れ出ない程度に注ぐのがポイント! また、お湯を注ぐスピードを変えるとコーヒーの濃さを調整できます。濃いコーヒーがお好みならゆっくりと、薄めに淹れるにはスピーディに、お湯を注ぎましょう。

コーヒーを観察していると、ふっくらと膨らんでくるのがわかります。これ、実は炭酸ガスのしわざ。挽きたての新鮮なコーヒー豆には炭酸ガスが含まれているので、ここで膨らまない場合は、炭酸ガスが減っている=コーヒーの鮮度が落ちているということ。直前で豆を挽く大切さを、目で見て実感できる大事なポイントです!

コーヒー豆が落ち着いてきたところに、さらにゆっくりと静かにお湯を加えていきます。今度は泡が沈みきらないうちに、次のお湯を注ぎます。

目標の分量に達したら、ドリッパーを外しましょう。最後まで抽出しきると、雑味が出てきてしまいます。栢沼さんは、2分半で1杯を抽出しました。

5. カップに注ぐ できあがったコーヒーをカップに注ぎます。カップはあらかじめお湯で温めておくと、冷めずに美味しくいただけます。淹れたてをいただいたUPGRADE編集部、フワッと広がる香りと奥深い美味しさに感動!

栢沼さん直伝、目からウロコのコーヒー知識

コーヒー豆は冷凍保存が鉄則!
コーヒー豆は鮮度が命。豆のままの状態で買って、パッケージごと密閉容器に入れ、冷凍庫に保存しておくのを習慣にしましょう。飲む直前に凍ったまま挽くことができ、鮮度も保てる最適な保存方法です。冷凍庫に保存したコーヒー豆は、最長でも2〜3か月のうちに使いきるのを目安にしてください。

まずは自分の“定番”とじっくり付き合うべし!
専門店に行くとさまざまなコーヒー豆があるので、あれこれ目移りしてしまいがち。でも、栢沼さんは「いつも飲む定番のコーヒー豆を決めておくと、コーヒー豆の違いがわかるようになります」と教えてくれました。毎日お米を食べていると新米の時に美味しいと感じるのと同じように、ずっと同じコーヒーを飲んでいれば、たまに違うコーヒー豆で淹れてみるとその違いがすぐにわかる、ということなんですね。違いがわかる大人になるには、自分なりの基準をひとつ決めておくことがポイントです。

コーヒー豆の焙煎(ロースト)の名称基準は、日本独自のもの。世界では通用しない!
焙煎(ロースト)の8段階って、聞いたことがありませんか? 浅煎りから深煎りまで、全部で8段階、それぞれに名称がついています。いちばん浅煎りは「ライト・ロースト」で深煎りは「イタリアン・ロースト」なんですが、実はここの名称、日本の独自基準。海外では通用しないのでご注意を! 栢沼さんによると、海外では「浅煎り」「中煎り」「深煎り」などざっくりとした3段階程度が多く、お店によって独自の名称をつける場合が多いとのこと。ローマのコーヒーショップで通ぶって「イタリアン・ローストで」なんてオーダーしたら、恥ずかしい思いをするかも!?

シーン別コーヒー豆の選び方

最後に、朝・昼・晩のシーン別でおすすめのコーヒー豆の選び方を、栢沼さんに伝授してもらいました。

浅煎りのコーヒー豆
起き抜けに飲む1杯のコーヒーには、浅煎りがおすすめ。浅煎りのコーヒー豆はカフェインが強めなので、目覚めもスッキリ。

香りが個性的なコーヒー豆
仕事中の気分転換には、香りが個性的なものをチョイス。カフェオレにするなど、淹れ方もちょっと変えてみるのもいいかもしれません。

深煎りのコーヒー豆
夜のコーヒーを楽しむ場合は、安眠のためにもカフェインが弱めの深煎りのものを選びましょう。

奥が深い、コーヒー道。まずはハンドドリップから!

いかがでしたか? 知っているようで意外と知らない、コーヒーの深い世界の一端をのぞいて、普段の何気ない1杯が特別なものになった気がしたUPGRADE編集部でした。ハンドドリップは、コツさえつかめば意外とカンタンですし、コーヒーメーカーを使ったときのような、細かなお手入れの必要がないので後片付けも楽チン。自分のためだけでなく、遊びに来た友達や彼女にとびきり美味しいコーヒーを淹れてあげたら、きっと一目置かれること間違いなしです! ぜひ一度トライしてみてください!

         

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  • 2016.04.15

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