体幹トレーニングで、お困り知らずの万能ボディに。

これだけは押さえておきたい、体幹トレーニング入門

フィジカルトレーナー吉田輝幸氏に体幹トレーニングについて聞いてみました

週末にちょっと運動しただけなのにすぐに疲れる、暴飲暴食したわけでもないのに、ポッコリお腹が出てきた、オフィスワークだけで異常に肩が凝る…などなど、まだまだ人生絶頂期のハズなのに、ちょっとだけ大人の階段を登りすぎてしまったマイボディ。こんな状態になってから、コレではいかん!とトレーニングを真剣に考えはじめる人も多いのでは。
もしあなたもそうならば、最近話題の『体幹トレーニング』にチャレンジするのはいかがでしょう? 「それってアスリートのためのトレーニングだから自分には関係ないんじゃないの?」とお考えのみなさん。
実は、体幹トレーニングはスポーツをしない人にとっても、

  • 適切な筋肉がつき、太りにくくなる

  • 肩こりや腰痛などの症状解消につながる

  • 姿勢がきれいになり、うつくしい体に

  • 効率的に体が動かせるので、疲れにくくなる

などなど、嬉しいメリットがたくさんあるのです! 今回は「100切り達成のポイントは、筋力よりも、体の使いかた!」の記事でもご登場いただいた、フィジカルトレーナー吉田輝幸氏に、初心者でもスグに実践できる体幹トレーニングについて教えていただきました!

吉田輝幸
1975年生まれ。EXILEをはじめとするアーティストにとどまらず、様々なジャンルのアスリートのトレーナーとして活躍。正しい身体の使い方、正しい動きによって最高のパフォーマンスを引き出す「吉田コアパフォーマンスメソッド」を提唱。現在は、自らのパーソナルジム「PCP」において、フィジカルトレーナー&ディレクターを務める。また、多くのフィットネスクラブや専門学校でのパーソナルトレーナー養成やトレーニングマシーン開発補助にも携わり、テレビや雑誌などさまざまなメディアでも活動している。

ところで、体幹っていったいどこかご存知ですか?

体幹トレーニングと聞いて、どんなものを想像しますか? とにかくインナーマッスルを鍛えるのが体幹トレーニングだと考えている方も多いかもしれませんが、それは誤解です。体幹トレーニング先進国であるアメリカで行われている最新の研究によると、体幹とは、筋肉だけではなく、「人間のベースメント」すべてを指すと定義されています。ベースメントとは、『筋肉だけに限らず、関節まで含むより広い範囲におよぶ体の土台を総称して、“体幹”と呼ぶ』ということなのです。

『筋肉を鍛える=体幹トレーニング』じゃないならば、いったいどうトレーニングすればいいのでしょう? その疑問にお答えするには、まず、体幹を構成する、関節の「可動性」と「安定性」と呼ばれる役割についてお話する必要があります。

関節には2種類の役割がある

以前、「100切り達成のポイントは、筋力よりも、体の使いかた!」の記事で少しだけご紹介しましたが、人間の体には“動くべき関節”=「可動性」と“固定すべき関節”=「安定性」の2つの役割が存在します。たとえば、足の裏や指は地面や床をしっかりとホールドし支えるために、役割は“固定すべき関節”、足首はいろいろな角度に曲がったり回転したりすることで、歩いたり飛び跳ねたりする“動くべき関節”となっています。膝は“固定すべき関節”、股関節は“動くべき関節”など、人間の関節は“動くべき関節”と“固定すべき関節”が交互についています。これは、スポーツ科学の分野では「ジョイント・バイ・ジョイント・セオリー」といわれ、体を効率的に動かすために欠かせない常識になっています。

「ジョイント・バイ・ジョイント・セオリー」によると、すべての関節が役割を持っているため、どこかの関節の役割が乱れると体に不具合が生じます。たとえば、柔軟に動くべき足首の動きが硬くなってしまうと腰痛を引き起こすなど、一見関係なさそうな部分であっても、代償動作と呼ばれる現象が発生し、足首をかばって腰が痛くなるといったような連鎖が生まれるのです。そこで重要なのが、関節の動きを整えること。関節がそれぞれ持つ役割を全うできるようになると体がよく動くようになるので、運動能力が向上しますし、日常生活面においても、姿勢が良くなったり、太ももだけ・ふくらはぎだけに筋肉がついてしまうといったアンバランスな体型が改善され、美しいボディラインにも近づけます。

それに、体幹を鍛えることはすべての運動に通ずる屋台骨を太くするようなものですから、体幹さえしっかりしていれば、体の動かし方の基礎ができているので、どんなスポーツをやるにしても上達も早いし、ケガの心配も少なくなります。まずは、体幹を鍛えて体の土台をしっかりさせてから、ゴルフやマラソンといった自分がやりたい競技ごとのトレーニングを積み重ねることで、より成果があがりやすくなるでしょう。

つまり、体幹を鍛えるということは、インナーマッスルはもちろんですが、体を正しく動かせるように、“動くべき関節”と“固定すべき関節”を最適な状態に教育することなのです。

イエナカやオフィスでできる、体幹トレーニング基礎の基礎

さて、前置きが長くなりましたが、今回ご紹介するトレーニングは「ジョイント・バイ・ジョイント・セオリー」にもとづいた体幹トレーニングの中でも、基本中の基本。これだけはやっておいてほしいというものばかりです。イエナカでできるものや、オフィスのスキマ時間でも実践できるものを含めた3メニューをご紹介したいと思います。

【1】下腹部の筋肉を鍛えるトレーニング 股関節を動かしながら行う、下腹部の筋肉を鍛えるトレーニングです。座った状態で椅子の座面をつかみながら、写真のように足を少しだけ中に浮かせます。この「1」の状態から、膝をお腹に持ってくるようなイメージで足を持ち上げます。このとき、膝や腹筋に力は入れずに姿勢をまっすぐに保ったまま、股関節をスムーズに動かして、足だけを上げるイメージで行ってください。よくある“仰向けから上体を起こす腹筋”とは違い、腹筋と同時に股関節のトレーニングもできるメニューです。
椅子に座ったままコッソリできるので、オフィスでも休憩中や仕事のキリがいいときに実践して、毎日の習慣にしてください。

【2】腹筋とおしりの筋肉を鍛えるトレーニング 腹筋とおしりの筋肉を鍛えるトレーニングです。うつ伏せの状態から、写真のように腕とつま先で体を支えて、そのままの体勢を30秒保ちます。写真を参考に、二本の腕が平行になるような姿勢で体を支えてください。慣れてきたら、30秒を複数セット行ったり、30秒を35秒、40秒、45秒…と、徐々に時間を延ばしてみてください。 「ダメな例」の2枚の写真のように、太ももからお腹が地面についてしまったり、おしりだけが上がってしまうのはNG。良い例の写真の赤い線のように、頭のてっぺんから、かかとまでが直線で結べるくらいきちんと固定できているのが理想です。

【3】肩甲骨の可動を整えるトレーニング 肩甲骨の可動を整えるトレーニングです。「1front」の写真のように、正座をした状態で、片手を地面について体を支えます。そして、もう一方の手を頭の後ろに置き、肩を背中に丸めこむようなイメージで、体をねじります。数回繰り返したら、支える手と頭の後ろに置く手を逆にして同じように体をねじります。正座している下半身は固定したまま動かさず、肩甲骨を意識して上半身をねじってください。上半身の動きを整えるトレーニングですから、姿勢の悪さが原因の肩こりや、腰痛対策として有効です。

いかがでしたか?
今回ご紹介したトレーニングメニューは基本中の基本ですが、どれもが健康で快適な体づくりを目指す上では重要なものばかり。特に、肩こりや腰痛、疲れやすさの原因は姿勢の悪さや、間違った体の使い方が原因であることがほとんどですから、今回ご紹介したトレーニングを実践して体の動きを整えることで、改善が見込めます!
毎日の習慣に体幹トレーニングを取り入れることで、自分の体をアップグレードして、ますますアクティブに、人生を楽しんでください!