実は気になる! 「投資デビュー」のキホン

第1回 マネーのプロが語る、人生を積極的に生きるためのお金との付き合い方

マネーの専門家、ファイナンシャルプランナー山崎俊輔氏に聞きました!

結婚→子ども→住まい→遊びと教育…。これからどんどん必要になってくる20〜30代の男性こそ、いま特に真剣に向き合わなければいけないのが“お金”です。
UPGRADEでは、そんな人生のターニングポイントを迎える皆さまへ、人生に役立つお金の知恵を全5回にわたってご紹介します。お話しいただくのは、ファイナンシャルプランナーの山崎俊輔氏。マネーのプロが語る、人生を積極的に生きるためのヒントとは?

モーニング連載マンガ「インベスターZ」を読んだり、ニュースで「日経平均株価2万円」という記事を読むと、投資をしてみたくなりませんか? しかし、FXで全財産を溶かしてしまったネットの噂を聞くと怖くて手が出ない人も多いはず。そこで投資デビューをするための最低限度の基礎知識をコンパクトにまとめて紹介しましょう。カモにされない5箇条とは?

山崎俊輔
1972年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。AFP、消費生活アドバイザー、1級DCプランナー。企業年金研究所、FP総研を経て独立。商工会議所年金教育センター主任研究員、企業年金連合会調査役DC担当など歴任。退職金・企業年金制度と投資教育が専門。

本当はチャレンジしてみたい投資デビューの前に

「日経平均株価が2万円回復!」というニュースをみると、株価が上がってきた!という印象を受けます。アベノミクス相場が始まる前は日経平均株価は9,000円台でしたから、うまくいけば2年ちょっとで財産を2倍に増やせた計算です。投資でうまく資産を増やした人の話をネットや雑誌でみると、自分もうまくやれないものかと思います。おそらく20〜30代のビジネスマンの多くは投資に興味があることと思います。

しかし、素人がいい加減な気持ちで手を出すと財産をどんどん減らしてしまうことになります。どんな上昇相場でも下手な投資をするとお金は増えるどころか減っていきます。FX(為替保証金取引)で、数百万円をあっという間に溶かしてしまった話をネットで見たことがある人は多いと思います。「溶かす」というのはスラングですが投資初心者の失敗する姿をよく現しています。
「普通の会社員ができる投資術」をテーマに投資教育家として活動する筆者が、投資デビューの際に最低限抑えておきたいポイントを5つ紹介します。

ルール1)投資金額の上限を先に決める

まず最初にやることは銘柄選びでも口座開設でもありません。「いくらまで投資するか」の決定です。
自分自身の全財産のうち、いくらまで投資をするか決めてください。具体的には「投資資金が半分になっても生活に困らない金額」を決めてください。
セールス担当者の話を聞いてから投資金額を決めよう、と考えるとついつい高額の投資をしてしまいます。大儲けの夢物語を先に考えると思わず全財産を投入してしまいますが、これは絶対にNGです。
また、「投資上限額を決めたら、負けても追加入金しないこと」を自分に課してください。投資で負けたとき、ずるずる追加入金をし負け続けるのは絶対に避けなければならないからです。

ルール2)銀行ではなく証券会社で口座を作る

投資をするなら証券口座が必要ですが、これは銀行でも手軽に開設できます。しかし証券口座で口座開設するほうが商品数も情報も豊富で有利です。
スマホを使える世代にとっては、新聞に出るような有名証券会社よりオンライン証券会社(ネット証券)のほうがスマホ対応も完璧でさらに便利です。
オンライン証券会社は、営業マンがほとんどいないので電話営業で何か売りつけられるような心配も無用ですし、証券会社の支店に足を運んで口座開設する必要もありません。口座開設はネットで完結し(免許証を撮影してメールする程度)、郵送書類を待つだけです(住所確認が必要なため一度は必ず書類郵送がある)。
オンライン証券会社の口座が開設されたら、いろんなメルマガを登録したりコラムを読み込みながら「生きた投資」の勉強をしていきましょう。実は口座を作るだけなら無料なので、いくつも口座作ってしまってもいいと思います。

ルール3)最初は10万円以下で2〜3社買ってみる

投資については小さな金額からスタートすればいいと思います。実際、5万円あれば日本国内の株式について430銘柄以上の選択肢がありますし、10万円あれば1100銘柄以上の選択肢から企業選びができます(2015年5月12日現在)。実は投資のハードルはそれほど高くないのです。
10万円以下で買える会社を1〜2社選んで買ってみます。ネット証券のホームページの「スクリーニング」という機能がそうしたフィルタリング検索をしてくれます。知っている名前の会社と、聞いたことがないが業績が良さそうな会社を選ぶと、投資の勉強になります。
もう1つ買えるなら、ETFといってTOPIXや日経平均株価に連動する商品を買ってみるといいでしょう。個別企業の株価は下がっても、日経平均株価が上がっている日などがあり、これまた投資を勉強する格好の材料になります。

ルール4)レバレッジ投資はしない(FXはしない)

実際の入金額以上の売買をできる仕組みをレバレッジといいます。CMも多いFX(為替保証金取引)では10万円で250万円分のドルやユーロが買えます。250万円分のドルが10%も動けば、25万円も儲かることになり有利だと説明されますが、初心者は手を出さないことが無難です。ドルを買ったのち、円安に振れれば25倍儲かる仕組みは、たった4%円高に振れれば10万円が吹っ飛ぶ仕組みでもあります。損した場合も25倍で跳ね返ってくるからです。簡単で投資のスタンダードのように誤解されがちですが、FXは初心者の投資デビュー向きではありません。10万円で10万円の株を普通に買うほうがよほど安全な投資です。株がある日紙くずになることはありません。どんなに値下がりしても30%オフで売り払えるはずです。もちろん上がれば2倍も夢ではありません。

ルール5)儲けと損を経験してみる

投資において100戦100勝は絶対にありません。最盛期のイチローですら60%はヒットを打てなかったですし、プロ野球チームは25%くらいは負けても優勝できるのに、私たちが勝率100%になるはずがありません。だから失敗してもそれは仕方がないことですし、勝率100%を目指してはいけません。
投資をデビューしたらできるだけ早く「儲かったので売ってみる」経験と「損をしたから売ってみる」経験をしてみてください。投資においてはこの2つがあってはじめて一人前です。
そして、売ったり買ったりしたお金は取り崩さず、また別の企業に投資してみてください。会社員として働く以外に自分のお金が増減し、収益を産む経験をすることが、おそらくあなたのビジネスキャリアにもプラスになってくることでしょう。これもまた、投資家として成熟していく一歩です。

できるだけ長く投資を続けていこう

投資は、最終的には経済の成長があれば儲かるようになっています。経済が成長するにはある程度の時間がかかります。あなたの仕事で業績を出すために何年も努力する必要があるのと同じです。
投資初心者ほど、数日あるいは数分で儲けようと考えないことが大切です。「ルール1」で少々損をしても投資を続けられる金額を設定したのですから、企業から送られてくる決算報告や株主優待などをもらいつつ、企業の成長を見守るような気持ちで投資を続けてみましょう。
そしてできるなら、ちょっとずつ投資金額を追加投入していろんな会社に投資の世界を広げてみてください。10社くらいに投資経験があるようになれば、ニュースを見る目もまったく違ってきますし、投資の面白さはあなたを捉えて放さない「大人の趣味」のひとつになってくることでしょう。

         

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  • 2017.04.05

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