疲れの溜まっている人必見! お風呂とシャワーで回復する方法

入浴効果を理解して、限られた時間を最大限に活かせ!

お風呂とシャワーのプロフェッショナル、早坂信哉教授にお話を伺いました!

お風呂。それは、毎日の疲れを癒してくれる数少ないくつろぎの時間。しかし、忙しさにかまけて、ついついシャワーだけで済ませがちな私たち。でも、シャワーだけだと疲れが残る…なぜシャワーではとれない疲れがお風呂にはいると解消するんだろう、そんな疑問が浮かんだことはありませんか? 今回UPGRADE編集部では、お風呂とシャワーの“回復度の溝”を埋めることができれば、シャワーでもお風呂並みに疲れがとれるようになるのではないかと考え、お風呂とシャワーを研究するプロフェッショナル、東京都市大学の早坂教授に取材してきました!

早坂信哉
東京都市大学人間科学部教授。一般財団法人日本健康開発財団温泉医科学研究所所長。自治医科大学卒業、同大学院修了、博士(医学)。浜松医科大学准教授などを経て現職に。お風呂・温泉の正しい情報を伝える温泉療法専門医として、新聞や雑誌、テレビなどでも活躍。著書に『たった1℃が体を変えるほんとうに健康になる入浴法』(角川フォレスタ)などがある。

そもそも、お風呂に入るとなんで疲れがとれるの?

ズバリその答えは、入浴の効果である温熱効果、水圧効果、浮力作用、清浄効果の4つのおかげです。

1. 温熱効果
読んで字のごとく、お湯に浸かって体を温める効果。血管が広がって血液をたくさん循環させることができ、隅々まで栄養分や酸素が行き届くようになります。同時に、細胞が疲れの原因である老廃物や二酸化炭素を排出してくれるので、こりや痛みがやわらぎ、疲れがとれた状態になるのです。

2. 水圧効果
お風呂の水圧によって、マッサージ効果がもたらされること。下半身に溜まりがちな血液を上半身に持って行き、むくみを解消するのに効果絶大です。また、リンパの流れも改善され、循環器系の機能改善も期待されています。

3. 浮力作用
お湯の中での体重は、浮力がはたらき、わずか10分の1程度になると言われています。普段体にかかっている負担も10分の1になるので、筋肉の緊張を緩めることができます。意識せずとも、いつも張っている筋肉がその役割から解放され、緊張からくる脳への刺激が減少。結果として、精神的にも肉体的にもリラックスできるのです。

4. 清浄効果
入浴時の清浄効果というと、洗い場で体や髪の毛を洗って清潔にすることをイメージしがちですが、お湯に浸かるだけでも清浄効果はあります。皮脂よごれや、汗など不快感の元になるものが洗浄され、精神的に楽になります。 これら4つの効果がはたらくことで、お風呂にはいると疲れがとれた!と感じるというわけなのです。

理想的なお風呂の入り方

では、理想的な入浴の方法とは? 順にご説明していきましょう。

●ぬるめでゆっくりが◎
お湯の温度は38〜39度くらいの少しぬるめに設定しましょう。20分ほどゆっくりお湯につかると、副交感神経が刺激され、リラックスして眠りにつくことができ、疲労回復の大きな効果が見込めます。熱めのお湯に入るのが好きという方も多いかと思いますが、実は一般的に好まれる42〜43度くらいの温度設定はあまりおすすめできません。交換神経が刺激されて寝つきが悪くなってしまいます。また、体への負担も大きく、かえって疲れを感じる人もいるかもしれません。ちなみに、朝であれば熱めのお風呂や、シャワーも良いでしょう。交感神経を刺激することで、心身の緊張を高め頭がスッキリします。

●効率よく疲れを取るには半身浴より全身浴
よく長時間半身浴をする人がいますが、あまりお勧めしません。というのも、疲労回復に欠かせない温熱効果や水圧効果、浮力作用をしっかり得るためには、肩までお湯に浸かる全身浴がお勧めです。体調に問題のない場合、平日はシャワーだけの人も、休日は疲労回復に効率のよい全身浴にしてみましょう。ただし、長時間の全身浴はのぼせてしまい、逆に疲れてしまいますので注意しましょう。

●いつ入浴するのがよい?
就寝から1時間前までに入るのがおすすめです。人の体は体温が下がるときが一番眠くなると言われています。38〜39度くらいのお湯で20分間お湯に浸かると、1時間後くらいから体温が下がりはじめるので、その頃にベッドに入ると質の高い睡眠がとれるというわけなのです。
また、食後すぐは避けたほうがいいでしょう。食後は食べたものを消化するために、胃や内臓に血液と酸素を回さなくてはならないのですが、入浴すると全身に血が巡ってしまい、胃や内臓に行き届かなくなってしまうからです。

●入浴剤って効果あるの?
リラックスできるかどうかという観点では、入浴剤は効果アリです。疲れを取るためにはリラックスすることが大切ですから、自分が好きなことや気持ちいいことを行うのが一番。好みの香りや色の入浴剤を選ぶといいでしょう。そういった意味ではアロマオイルもいいかもしれません。お肌の弱い方は、成分をよく確認しましょう。

毎日お風呂は無理! シャワーで疲れをとる方法は?

では、シャワーだけの場合はどうなのか? 残念ながらお風呂ほどの回復効果は見込めません。それでも、手軽に、できる限りお風呂の回復効果に近づくような、シャワーの浴び方を紹介します。部分的に短時間しかお湯が体に当たらないシャワーでの血行促進は、少しコツが必要です。
まず、足湯をシャワーと併用してみましょう。足だけでも温まれば、血液は循環しますから、体が内側からポカポカになり、高い温熱効果を得ることができます。シャワーを浴びる前に、くるぶしが隠れるくらいまでバスタブにお湯を張って、その中でシャワーを浴びれば足湯効果を得られます。それも時間的に難しいという人は、バスタブに栓をして体を洗うだけでもOK。体を洗っているうちに自然とお湯が溜まり、足湯効果も期待できます。出張先のホテルなんかでも気軽にできるのでおすすめですよ。

シャワーにもメリットがあるんです!

シャワー独自の優れた点、それは、加圧効果。動水圧と呼ばれる『たたく』マッサージ効果が得られます。たとえば、首や肩のこりが気になるようであれば、シャワーを当てながら、首を前後左右に回したり、肩を上下に回し、軽くもみましょう。 腰痛や、筋肉痛であれば、シャワーを浴びながら両手を頭の後ろで軽く組んで背中を反らせたり前屈をします。ストレッチ効果もあいまって、こりや痛みの解消に効果的です。体は温められることで、より可動域が増しますので、運動前にシャワーを浴びながらストレッチ、というのもおすすめなのです。ぜひ、お試しください。
ちなみに、入浴の水圧効果は、静水圧と呼ばれるじんわりと体に圧力をかける、『もむ』マッサージ効果です。

他にもまだある! シャワーの効果をアップするテクニック

足湯や、シャワー中のマッサージ・ストレッチの他にも効果的なテクニックがありますので、いくつかご紹介します!

●シャワーは体の末端から
足先や手先から温めていくことで血行がよくなり、体が芯からあたたまりやすくなります。ちなみに、いきなり心臓に温かいお湯をかけるのは健康上よくないのでご注意を。体温より熱いお湯で血圧が急上昇し、最悪の場合致命的なアクシデントにつながってしまいます。

●つらい眼精疲労には、シャワーで眼の周辺を温めて
多くの人が悩んでいるであろう、眼精疲労の回復にもシャワーが効果的。お湯を眼の周辺に当てることで、眼精疲労に効果があります。42度くらいの少し熱めのお湯で行うとよいでしょう。

●湯気を吸おう
「喉がイガイガする」とか、「鼻が詰まってる」というときは洗い場の換気扇を止めて、湯気を吸い込んでみましょう。日本人には馴染みが薄いですが、海外では温泉の湯気を吸い込む治療法もあるんだとか。温泉のような薬効はありませんが、喉や鼻の乾燥対策にもってこいです。痰が絡みやすい、タバコを吸う人にもおすすめです。

●シャワーを出たら、蒸しタオル!
それでもシャワーだけではちょっと、まだ疲れが残ってるなぁ〜…そんなときは蒸しタオルの出番です。眼の疲れや、肩こりなど気になる部分に厚手のタオルを温めたものを乗せるだけで温熱効果があり、血行がよくなって疲れや痛み、不快感が緩和されます。

休日のお風呂も、平日のシャワーも充実させて、毎日をパワフルに!

いかがでしたか? お風呂とシャワーをうまく使い分ければ、血行が促進された、疲れを溜めない体を維持することができるんです。「リラックス」を心がけて、紹介したポイントを、毎日少しずつ、できるところから実践してみてください。体も心もすっきりしたら、ますますアクティブにUPGRADEした毎日を過ごしましょう!