五月病になる前に! 原因と解消方法を知る

UPGRADE流、五月病対策でストレスフルな毎日を乗り切ろう

新入社員をはじめ、多くの人に突如としてあらわれる謎の現象、五月病。新社会人や、転職など新しい環境に身をおく人がかかりやすいのはもちろん、さらには全然関係ない人までかかってしまう可能性があるという質の悪い現象です。主にストレスが原因と言われていますが、その実態は分かるようで、分からない…。

そんなわけで、今回UPGRADE編集部では五月病対策を皆さんにお届けすべく、ストレス性疾患の治療で数多くの実績をお持ちである川村総合診療院の川村院長に五月病についてお伺いしてきました。

川村則行
医療法人社団行基会 川村総合診療院院長 医師/医学博士

川村総合診療院は、すべての年齢層の方の「こころ」の問題の解決にお役に立てることを目的にしている。うつ病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、パニック障害、不安障害、社会不安障害、不眠、摂食障害、適応障害などの「こころ」の病気に対して、薬物療法だけではなく、カウンセリングや各種心理療法、などをご利用いただけるよう準備しています。心理検査、身体的検査を施行し、データに基づいた客観的治療を心がけている。医師を始め、医療スタッフは常に最新の医療技術が提供できるよう日頃から研鑽を惜しまない。

五月病の原因、それはやっぱりストレスだった

まず、五月病にかかると、以下のような症状があらわれます。

  • 物悲しい、虚しくなる、何をしても無意味に感じる

  • すべて自分が悪いと感じてしまう

  • 急に憂鬱になる

  • ちょっとした刺激で気分が落ち込む

  • 疲れやすい、集中できない、眠れない

どうでしょうか? 少しでも思い当たる節があるという方は注意したほうがいいかもしれません。こういった精神的な症状がより深刻化すると、食欲がなくなったり、めまいがするなど肉体面にまで影響が出てしまいます。

では、そもそもなぜ五月病になってしまうのか? その原因は、肉体的・精神的ストレスにあります。寒暖差の激しい春先は昔から「木の芽時(コノメドキ)」と言われ、体調や精神状態が不安定になりやすい時期とされています。急激な寒暖差が肉体的に大きなストレスとなるからです。さらに、仕事や学校、転居などで環境が変わった人は、気がつかないうちに肉体的な疲労と精神的な緊張が溜まってしまっているものです。
この緊張の糸がGWの長期休暇などで緩み、知らず知らずのうちに溜まっていた肉体的・精神的な疲労や不安定さが表面化してしまう、これが五月病になるメカニズムの代表例です。その結果、自律神経に異常をきたしてしまい、精神的な面での不具合がはじまり、次第に肉体的な症状にまで深刻化してしまうのです。

ストレスのおおもとのひとつ、反復強迫

ストレスの原因は人によって千差万別ですが、個々のストレスの原因を紐解いていくと、多くの場合「反復強迫」に行きつきます。反復強迫とは聞き慣れない言葉だと思いますが、要は嫌なことがあった時に、気持ちを切り替えられずにクヨクヨと悩んでしまう状態のことを言います。例えば、上司に怒られたあとに何度も怒られたことを思い出して気持ちが沈んでしまうなどの状態のことです。この状態が続くと、徐々に気持ちが参ってしまい、怒られてもいないのにずっと上司に怒られていると思い込んでしまうといった精神状態になってしまいます。これは典型的な例ですが、川村先生のところにいらっしゃる患者さんの中にも、実際は週に1度しか上司に怒られていないのに、毎日怒られていると思い込んでしまい、精神が参ってしまっている患者さんもいるそうです。

反復強迫、なりやすい人、ならない人

この反復強迫になりやすいのは気持ちの切り替えが得意でない人。怒られてもすぐに気持ちを切り替えることができたり、仕事とプライベートのON/OFFがしっかりできる人や、仲の良い人と話すことで気分を紛らわせることができる人など、悩みを抱え込みすぎない人であれば反復強迫に陥ることは少ないと言われています。
心がまえとしてみなさんにぜひ覚えておいてほしいのは、悩んでも答えがでそうにないことは悩まないようにすることです。事態が好転しそうにないことをいくら悩んでも、解決の糸口をみつけるのはなかなか難しいですよね。なので、忘れてしまうことをおすすめします。難しいとは思いますが心に留めておいてください。

そして、もうひとつ心がまえとして大事なことは、「困ったら誰かに助けてもらえばいいや」というぐらい気楽にかまえておくことです。反復強迫になりやすい人の共通点として他人に助けられているという意識の低いことが挙げられます。「どうして自分だけ」とか「誰も助けてくれない」「自分には味方がいない」と思ってしまうとダメなわけです。「困ったらあの人に助けてもらおう」というぐらいの感覚でいるとよいでしょう。そのためにも、「この人だったら、困った時に助けてくれる」という信頼の置ける人間関係を日頃から築いておくことが非常に重要です。

アクティビティに参加してストレスを解消しよう!

反復強迫はストレスが溜まる原因の一つではありますが、多くのストレスに関係してくることですから、解消方法を知ることはストレスが原因で発生するトラブルの多くのケースで役に立ちます。

反復強迫を解消するために最も有効な方法は、気持ちを切り替えること。特に『見る』『聞く』『感じる』といった知覚刺激を体に与えることで、いつもとは違う非日常感を味わい、半強制的に気持ちを切り替えられる状況をつくりだすことがポイントになります。例えば、どこかに出かけるなどして日常から脱出できるようなアクティビティに参加することは、有効な手段の一つとなります。また、先述したように「この人なら相談に乗ってくれる、助けてくれる」と思えるほどの人間関係を構築することも重要ですので、仲間との連帯感を味わえるような何かをするということも大切です。
つまり、ストレス解消のためには、

  • 非日常を味わう

  • 知覚刺激を得る

  • 没入感を味わう

  • 連帯感を感じる

これらのポイントを押さえた、アクティビティに参加するのがよいのです。
「でも、それって一体何だろう?」と思いますよね。そこで、今回は川村先生お墨付き!これらのポイントを踏まえたUPGRADEおすすめアクティビティをご紹介します。

UPGRADE流ストレス解消アクティビティ

■ラフティング
【おすすめポイント】

  • 都会から離れることで、非日常感を味わえる

  • ずぶ濡れになることで、ふだんは味わえない知覚刺激が得られる

  • 自然の中に入ることで、匂いや視覚的な刺激が入る

  • 熱中することで、いつもの自分を忘れられるほどの没入感が得られる

  • 同じラフトに乗った仲間との一体感で、仲間意識が生まれる

■ハングライダー、パラグライダー
【おすすめポイント】

  • 飛ぶという普段味わえない感覚なので非日常感がある

  • 視覚、聴覚、触覚の知覚刺激が多彩であり、気分転換になる

  • 感覚が鮮烈でさわやかなので、没入感があり嫌悪記憶が消去されやすい

■バーベキュー
【おすすめポイント】

  • 視覚、聴覚、触覚の感覚刺激以外に味覚でも非日常感を感じられる

  • いつもは屋内で済ませている食事を外ですることで、開放感がある

  • 仲間と食事をすることで、一体感を味わえる

■屋外ライブ
【おすすめポイント】

  • 開放感ある空間で音楽を聞くことによって非日常感が味わえる

  • 好きなタレントの肉声を聞くことで感覚刺激が得られる

  • 音楽に夢中になることで没入感が得られる

  • ひとつの音楽を共有することで、仲間との一体感が味わえる

これらはほんの一例ですが、どれもストレス解消の効果には間違いがないものばかり。何からはじめればいいかわからないという方はぜひ参考にしてみてください。他にも、先ほどお伝えした『非日常』『知覚刺激』『没入感』『連帯感』を味わえるものであれば基本的には何でもOKです。自分なりのストレス解消アクティビティを探してみましょう。

楽しいことを思い出すだけでも効果アリ

とは言え、ストレスが溜まるたびにどこかに出かけるというのは、時間的にもお金的にもちょっと…という方もいらっしゃることでしょう。そこで、お手軽にできるストレス解消法としておすすめしたいのが、楽しかった時のことを思い出す!という方法です。楽しかった時の写真を見ることで、そのときの記憶が蘇り、ストレス解消の効果が期待できます。ですから、ラフティングなどアクティビティで楽しんだ思い出はバッチリ写真に残しておきましょう。

写真は印刷していつでも目に入る場所に飾っておくのがおすすめです。ストレスを感じてクヨクヨしているときに、わざわざ楽しかった時の写真を探すというのはなかなか難しいもの。SNSや携帯電話の中だけに写真をしまっておくのではなく、自然と目に入る場所に楽しかった思い出の写真を飾っておくことで、意識しなくても楽しかった時のことを思い出すことができ、ストレス解消に効果がある、というわけです。

また、写真の他にも楽しかった思い出のシーンでかかっていた音楽を聴くことでもストレスが解消されます。ですから、アクティビティに向かうまでの車中や、イベントのあとのBBQなどのシーンで音楽をかけておくといいかもしれません。楽しかったときの音楽ということで、自分の中での『元気の出る曲』になるかもしれませんよ。

ストレス解消法を知ることが、ストレス抑制に役立つ

五月病の原因であるストレスは現代社会に生きる人であれば誰しも大なり小なり持っているものなので、まったくのゼロにするということは難しいでしょう。だから大切なのは、溜まってしまったストレスをどう解消するかということ。今回の記事でご紹介した方法でももちろんOKですし、何か自分なりのストレスとの向き合い方をひとつ決めておくことをおすすめします。ストレスが溜まっている、溜まっていないに関わらず、そういった心の拠り所があるということ自体もストレス抑制に役立つのではないかと思います。
そして、これが一番大切なのですが、「何か変だな」と感じたら決して無理はせず、早めの対処を心がけてください。「これくらいなら、だいじょうぶ」はとても危険です。今回の記事内容も参考に、自分の体調と、心と体のバランスに気をつけて、元気な毎日を送りましょう!