簡単なのに贅沢。ジビエでスペシャルお家ごはんを!

夏バテ予防にもオススメ! 話題のお肉料理に挑戦してみよう

いま、急激に専門店が増えている、注目の食材・ジビエ。シカ、イノシシ、キジ、ウズラ、ウサギ、クマなどなど。野山を走り、大空を駆け巡って育った天然野生鳥獣のお肉です。自然の恵みいっぱいの味は、新しいお肉の感動を呼んでくれます。そこで、今回はお店さながらの美味しいジビエ料理を自宅でやってみませんか?

と言っても難しいことはありません。ジビエフレンチの人気店「Nico Chelsea」の料理長・樋口裕一さんに、お家のキッチンで調理できるレシピを考案してもらいました。どれも、素材の味をふんだんに活かしたものばかりです。ぜひ、特別な日のディナーや、仲間と夏を盛り上げるアイデアとしてお試しください。

樋口裕一
17歳から洋食屋キッチンでアルバイトをはじめ、その後都内ホテルへ入社。以降広尾、六本木などの有名フレンチ・イタリアンに勤務。料理人歴は25年を超える。各店で料理長を務めた後、現在は(株)夢屋へ入社。シニア料理長を務める。

美食家絶賛! ジビエ肉は、美味しくて栄養たっぷり

「ジビエを語らずして肉を語ることはできない」という言葉もあるほど、グルメにファンが多いジビエ。しっかり運動して育った野生鳥獣には無駄な脂肪がほとんどなく、ヘルシーな肉質が特徴的です。旨味たっぷりの赤身肉にこそジビエの醍醐味が詰まっています。
また、お肉により異なりますが、たんぱく質、鉄分、ビタミンなど栄養素が豊富で滋養強壮にも良いと言われています。夏のスタミナ補給としてもぴったりな食材です。

■「ジビエ肉=クセがある」は大間違い! 鮮度の良いお店で購入しよう
ジビエは臭みがあり食べづらいイメージを持っている方も多いかも知れません。たしかに、血抜きなど解体時の処理スピードが遅れてしまうと、野生鳥獣は独特の臭みが残ってしまいます。ですが、ブームに伴い、美味しく処理されたジビエ肉もたくさん出回るようになりました。
スーパーなどではなかなか見かけませんが、最近では通販サイトで簡単にお取り寄せ可能です。オススメなのはハンターや生産者による直営サイト。解体時の処理がしっかりしており、結果、新鮮で美味しいジビエ肉を購入できます。「ジビエ 直販サイト」などで検索してみてください。

■家庭で調理するならコレ! オススメのジビエ肉3種
シカ・キジ・イノシシは流通量が多く、手に入りやすいジビエ肉です。どれも食べやすく、初心者にもぴったり。それぞれの味と特徴をご紹介します。

シカ肉
鉄分、ビタミンB2といった栄養素がバランス良く含まれており、貧血予防にも効果があると言われています。さらに、高タンパクで低脂質。コレステロールも低いヘルシーなお肉です。

キジ肉
カロリーが鶏肉のほぼ半分。サッパリしていながらも、アミノ酸が豊富で旨味がぎっしり詰まっています。地鶏をさらに肉質を強くしたような歯ごたえが特徴的です。

イノシシ肉
牡丹肉とも呼ばれており、日本で古くから愛されていたジビエ肉のひとつです。さらっと溶ける脂と、噛むごとに溢れだす濃厚な旨みが絶品。疲労回復に効果があると言われるビタミンB2が特に豊富です。

■購入したジビエ肉を美味しく“解凍”しよう!
販売店にもよりますが、大半のジビエ肉は冷凍状態で販売されています。冷凍保存されたお肉は、解凍時に繊維や細胞組織が壊れ、旨味となる肉汁が逃げてしまいがち。そこで、せっかくの美味しさが損なわれないよう、冷蔵庫のパーシャル機能を使ってみましょう。

パーシャルは−3℃〜−1℃の室温がキープされるため、肉・魚の解凍にぴったり。約一晩ほど庫内に入れておけば調理しやすい半解凍状態になります。

また、ブロック肉を購入した場合、一度に食べきれないことも。そんなときパーシャルに入れておけば約1週間ほど保存できます。再冷凍は味が落ちる原因なので、避けておきましょう。

自宅で出来る! おもてなしにもぴったりな簡単ジビエレシピ

ていねいに処理されたジビエ肉は、シンプルに調理するのが一番美味しい食べ方。塩・こしょうを振って焼くだけでも十分ですが・・・せっかくなので、ちょっぴり豪華にアレンジしてみるのはどうでしょう。と言っても、料理初心者も安心な、簡単なレシピばかりです。どれも絶品なので、ぜひ一度チャレンジしてみてください。

■フライパン1つで出来るシカ肉ステーキ
フランス料理では高級食材として扱われており、牛肉を淡白にした味わいは一度食べたらやみつきになる美味しさです。シカ肉は焼きすぎに注意。美味しい焼き上り目安は、肉の表面を指で押してしっかり弾力がある状態です。生だとブヨッとし、焼き過ぎだと固く弾力がありません。

シカ赤身肉(もも肉またはロース肉)……200g
塩……2g
オリーブオイル……10cc
バター……10g

[付け合わせ]
スライス玉ねぎ……30g
スライスマッシュルーム……1個
ミニトマト……2個
にんにくみじん切り……3g
パセリみじん切り……少々
クレソン……2本
黒こしょう……適量

【1】
シカ肉をカットし、塩を全体に擦りこむ。

【2】
フライパンにオリーブオイルを入れ、中強火で全面に焼き色を付ける。火力を少し落としてバターを落とし、焼き汁を肉にかけながら約3分火を入れる。

【3】
肉をタッパー等に上げ、ホイルを被せて5分ほど常温に置いておく。

【4】
フライパンに残った焼き汁に、玉ねぎ・マッシュルームを入れて炒める。しんなりしてきたらミニトマト(半割)・にんにく・パセリのみじん切りも入れ、2分火にかける。

【5】
シカ肉をもう一度フライパンに戻し、サッと温め直す。厚さ1センチほどにカットしてから器に盛りつける。黒こしょうを振り、野菜とクレソンをのせて完成。

ポイント
シカ肉の表面を覆っている薄いスジなどは出来るだけ取り除いておくと食感が良くなります。
こしょうは焼きあがってから振りましょう。焼く前だと、こしょうが焦げて香りも弱くなります。粗びき黒こしょうがオススメ。

■シカ肉超粗びきハンバーグ〜トマトクリームソース〜
シカはとてもやわらかい肉質のため、包丁で数回叩くだけで粗びきミンチに。あまり火を通しすぎずレアの部分を残しておくと、タタキのような味わいも楽しめます。まろやかな酸味が心地良い濃厚ソースで彩れば、あっという間にご馳走の完成です。

シカ赤身肉……200g
玉ねぎみじん切り……20g
牛脂または生クリーム……20g
塩……2.2g
溶き卵……1/3個分
粗びき黒こしょう……0.5g
ケッパーみじん切り……3g
オリーブオイル……適量
キャトルエピス……0.5g
※「4つのスパイス」の意味を持つフランス産のスパイスミックス。ジンジャー、ナツメグ、クローブペッパーなどがブレンドされています。シカ肉との相性も抜群です。

[トマトクリームソース]
スライストマト……1個分
にんにくみじん切り……3g
粉チーズ……20g
生クリーム……100cc

[付け合わせ]
雑穀バターライス……適量

【1】
シカの赤身肉を粗めにみじん切りし、肉に少し粘りが出るくらいに包丁で叩きボールに入れる。

【2】
玉ねぎ・ケッパー・生クリーム・塩・黒こしょう・卵・キャトルエピスを加えよく練り込む。

【3】
ハンバーグに成形し、フライパンにオリーブオイルを入れ中強火で返しながら約5〜8分焼く。火を止めた後、ホイルを被せるか、蓋をして5分程、余熱で火を入れる。

[トマトクリームソース]【1】
フライパンにスライストマト・にんにくみじん切りを入れ火にかける。

【2】
にんにくの香りが立ったら生クリームを入れ、弱火で5分煮詰める。

【3】
塩・こしょうで味を整え、粉チーズを入れ火を止める。

雑穀バターライス【1】
米の総量の約1%の塩・約10%のバター・約ローリエ少々と共に、通常より少し減らした水量で雑穀米を炊く。

ポイント
一般的なハンバーグよりも火が通りやすいので注意。ハンバーグにスライスチーズを載せてオーブンレンジで焼くのもオススメ。雑穀バターライスの代わりに、こふきじゃがいもなどの付け合わせもよく合います。

■キジのハーブマリネ〜オーブンレンジロースト〜
火加減はオーブンにお任せするだけなので、見た目の豪華さに反して作り方はとっても簡単。しっとりジューシーな肉の旨みとハーブの香りが合わさり、絶妙なコンビネーションとなります。オーブンは特別な機能がついてないもので十分。小さなオーブンレンジでも1羽丸ごと調理できることが多いですが、個体差により入りきらない場合や少ない量で挑戦したい場合はカットされたものを使用しましょう。その際は塩の量を加減してください。

キジ肉……1羽
塩……15g

[ポロねぎハーブオイル]
ローズマリー……2本
スライスにんにく……10g
オリーブオイル……100cc
ポロねぎ輪切り……50g
赤唐辛子……1/2本

[付け合わせ]
玉ねぎ……1個
じゃがいも……1個
ディジョンマスタード……適量

【1】
キジに塩をよく擦り込み(お尻から内側にも塩を振っておく)、30分ほど常温に置いておく。塩の量はキジの重さの約1.2%が目安。

【2】
ポロねぎハーブオイルを作る。
鍋にオリーブオイル・スライスにんにく・ローズマリー・唐辛子を入れ弱火で香りを出す。ポロねぎを加え、きつね色になるまでゆっくり炒め冷ましておく。

【3】
キジの全面に【2】のハーブオイルを刷毛などでたっぷり塗る。

【4】
オーブンレンジの下皿に大きめに切った玉ねぎ・1センチにスライスしたじゃがいもをならべ、キジを置く。200度に余熱しておいたオーブンレンジで約45分〜1時間ほど焼く。

【5】
お皿に盛りつけマスタードを添えて完成。

ポイント
オーブンレンジで焼いている途中にもハーブオイルを2・3回塗ると、よりしっとり焼きあがります。野菜にもキジから出た油をかけて焼くと、さらに風味が増します。マスタードは粒マスタードでも美味しいです。

■イノシシ肉と夏野菜の唐辛子煮込み
硬い筋が残っている場合も、今回のようにじっくり煮込めばトロトロになるため、お肉の下ごしらえもスライスするだけで十分です。夏バテ解消メニューにぴったりな、ピリッとスパイシーな味付けが食欲をそそります。

イノシシ肉(モモやバラ、肩等)……500g
水……1.5L
塩……30g

[煮込み用スープ]
チキンコンソメ……2〜3個
ローリエ……2枚
タイム……2g
カットトマト……1缶
パプリカパウダー……20g
スライスにんにく……100g
オリーブオイル……80cc
水……2L
赤唐辛子……2本

[煮込み用野菜]
茄子……2本
ズッキーニ……1本
青唐辛子(またはシシトウ)……50g
ヤングコーン……8本
パプリカ……1個

【1】
イノシシ肉をひと口大にスライスする。

【2】
水に塩を入れ溶き、イノシシ肉を入れ強火にかける。アクがたっぷり出るのでしっかり取り除き、茹で水は捨て、肉をバットに上げる。

【3】
煮込み用スープを用意する。
大きめの鍋にオリーブオイル・スライスにんにくを入れ、にんにくがきつね色になるまで炒める。【2】のイノシシ肉とその他スープ材料を入れ、おとし蓋をし、約3時間弱火でコトコト煮込む。

【4】
野菜をフライパンでサッと炒め、【3】に入れさらに20分煮込む。お肉が柔らかく煮えていれば完成。

ポイント
イノシシ肉は塩水で茹でて、アクを除くと雑味が取り除けます。ただし、せっかくの旨味が抜けてしまうので、茹で過ぎに注意。アクを除いたら1分程茹でて引き上げましょう。途中、お肉の味を見て柔らかさや塩味を調整します。野菜も煮込み過ぎると見た目が悪くなるため、最後の行程で入れるのがオススメ。なお、圧力鍋を使えば煮込み時間は半分ほどで大丈夫です。

記念日に、ありがとうの代わりに。たまにはあなたの手料理を振る舞ってみては

食材だけ揃えてしまえば、普段はあまり料理をしない方にも簡単で、だけど豪華なジビエ料理。たとえば奥さんや彼女さんに振る舞ってみるのはいかがでしょう。あなたの心遣いがスペシャルな1日をさらに盛り上げるはずです。 いつもと異なる食材を使うだけで、お家ごはんはもっと楽しくなります。どうぞ、食卓を通じて楽しい会話を弾ませてください。

【取材協力】Nico Chelsea
ジビエブームの火つけ役となった「焼ジビエ罠」の系列店として、2016年2月茅場町にオープン。築60年の古民家を改造した趣きある店内で、豪快フレンチがリーズナブルに堪能できると話題に。日本全国のマタギが仕留めた新鮮肉の数々は通をも唸らせるほど絶品。炭火で焼き上げたシカ肉ステーキや、キジから取った出汁が決め手の濃厚スクランブルエッグなど、素材の旨味をふんだんに引き出した逸品が揃う。ジビエの知識に精通したスタッフとのトークも楽しみのひとつ。

住所:東京都中央区茅場町3-3-3
TEL:03-5643-7799

営業時間:

[月〜金]17:00〜23:30
[土]16:30〜23:00

    

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