お手軽ほっこり。自宅で美味しい果実酒タイムを

余ったお酒と、季節の果実で。自分好みの味を作ってみよう!

爽やかな香りにトロリとした甘さ。お酒があまり得意じゃない方にも人気の果実酒。たくさんのメーカーから発売されていますが、材料を揃えて自宅で漬け込むことも可能です。「実家で梅酒を漬けていた」なんて方も多いのではないでしょうか。

ちなみに梅酒は約1年漬け込んでからが飲みごろと言われています。ちょっと完成が待ち遠しいですね。でも、果実酒は梅だけではありません。レモン・オレンジ・りんご・柿・さくらんぼなど、実は1〜3ヶ月ほどで飲めるものもたくさんあるのです。カラフルなフルーツをビンに詰めて並べたら…キッチンのおしゃれ度も一気に上がりますね!

そこで今回は、なるべく早く仕上がり、なかなかお店では見ない果実酒の作り方を、フルーツの味わい方を熟知した飯田順子先生に教えてもらいました。さらに、自宅でできるアレンジカクテルのレシピ付き。自分好みの味に仕上げて、素敵なくつろぎ時間を過ごしましょう。

飯田順子
お菓子研究家。1998年より料理教室を始める。丁寧な指導に加え、フランス菓子の歴史や文化を解説するレッスンは大好評で、生徒数は350人にも及ぶ。
主な著書:「果実酒・果実酢・フルーツシロップ」「ガトーマジック」〜フランスで生まれた魔法の新食感ケーキ〜「おいしいジャムBOOK―How to make delicious jam」

家にあるものだけで揃えられる! 果実酒作りマストアイテム一覧

一見、手間がかかって難しそうな果実酒ですが、自宅にあるもので簡単に作れます。

【必要なアイテム1】ビン
密封できれば、ジャムの空きビンでもOK
雑菌が入らないようにさえ気をつければ、果実酒作りは難しくありません。専用のビンや初心者向けキットも販売されていますが、しっかり蓋が閉まるビンなら何でも大丈夫です。

【必要なアイテム2】お酒
ホワイトリカー以外に漬けても美味しい!

香りやクセがないホワイトリカー(甲類焼酎)は、果実の風味がしっかり出やすいので、初心者におすすめのお酒。ですが、ブランデー、ラム、テキーラなど、お酒の味を活かした果実酒もとっても美味しいです。味が合わず、飲みきれなかったお酒があれば活用してみましょう。
【注意】酒税法により、果実酒を漬ける場合、20度未満のアルコールの使用は禁止されています。

【必要なアイテム3】果実
お好みに合わせて、旬の味を楽しもう
基本的に、どんな果実でも大丈夫です。単独だけでなく、ミックスすればアレンジの幅が広がります。ミントなどハーブを合わせても美味しいです。
【注意】酒税法により、ぶどう種と穀物(米、麦、あわ、トウモロコシなど)を漬けこむのは禁止されています。

フルーツの旬一覧

果実

いちご

4〜5月

6〜7月

さくらんぼ

6〜7月

トマト

6〜8月

パイナップル

6〜8月(国産の場合)

ブルーベリー

6〜9月(国産の場合)

柚子

10〜12月

キウイ

11〜7月(国産は冬から春、輸入物は春から初夏)

みかん

11〜1月

レモン

12〜1月

【必要なアイテム4】砂糖
甘さの加減を調整できるのが、手作りの良さ
糖分を入れることにより、浸透圧の力で果実のエキスを抽出していきます。じっくり果実の旨みを引き出せるため失敗の少ない氷砂糖を一般的には使用しますが、グラニュー糖やハチミツなどでも代用可能です。
※レシピによっては砂糖を使わない場合もあります。

砂糖の量による味の目安(果実の重さを100%とした場合)

砂糖の量

味の目安

重さ100%

かなり甘口

重さ80%

甘口

重さ60〜70%

標準的

重さ50%

さっぱり

重さ40%

かなりさっぱり

これさえ押さえれば大丈夫! 失敗しない果実酒の作り方

それでは、いよいよ果実酒を作ってみましょう。と、言っても基本的には果実と砂糖をビンに入れ、お酒を注いで保管するだけ。そこでカビなどが発生して失敗とならないためのポイントをご紹介します。

使用するビンは必ず消毒する 市販のキッチン用アルコールスプレーが手軽でおすすめ。ビンの蓋部分も忘れず消毒しましょう。 もしくは煮沸消毒でも十分です。その場合、ビン全体を熱湯で浸し、完全に乾かしてから使用します。

果実はしっかり洗って、水気を拭きとる 皮ごと漬け込む果実酒の場合、水洗いで汚れを落としましょう。そのあとはキッチンペーパーなどでしっかり水気を取っておきます。

果実・砂糖を交互に詰める 溶けた砂糖の濃度がビン全体でなるべく均等になるよう、果実と砂糖は交互に詰めるのがおすすめです。

お酒を注いで完了! あとは出来上がるのを待つだけ… しっかり封をして、あとは漬け上がるまで保存しておきましょう。いつ漬け込んだかシールに日付を書いて貼っておけば、飲み頃が分かりやすいです。

漬け込み期間の目安

果実

漬け込み期間

いちご

1〜3週間

コーヒー

2〜3週間

柚子

2週間〜1ヶ月

みかん

3週間〜1ヶ月

レモン

3週間〜1ヶ月

パイナップル

3週間〜2ヶ月

トマト

1〜2ヶ月

キウイ

1〜3ヶ月

さくらんぼ

2ヶ月

3ヶ月〜1年

ブルーベリー

4ヶ月

※レシピによっては砂糖を使わない場合もあります。

お店ではあまり見ない、オリジナル果実酒を作ってみよう

■トマト酒
トマトの爽やかな香りが新鮮! ほどよい酸味がクセになります。
飲み頃:2ヶ月〜

1Lのビン
ミニトマト……200g
氷砂糖……100g
ホワイトリカー(または焼酎)……650ml

【1】
ミニトマトはへたを取ってよく洗い、水気を拭き、竹串で数か所穴をあける。

【2】
保存ビンに【1】と氷砂糖、ホワイトリカーを入れ、冷暗所で保存する。

【3】
2ヶ月くらい漬け込んだ後、トマトを取り出す。

■コーヒー酒
甘いものが苦手な方は砂糖なしで漬け込んでもOK。ビターな風味が楽しめる果実酒です。
飲み頃:3週間〜(砂糖なしで漬け込んだ場合も同様)

500mlのビン
コーヒー豆……50g
グラニュー糖……40g
ホワイトリカー……450ml
(ウィスキー、ブランデー、焼酎、ホワイトラム、ウオッカなど、何でも合います)

【1】
保存ビンにコーヒー豆、グラニュー糖を入れホワイトリカーを入れる。

【2】
3週間ぐらいしたら、色と香りが出るので、ザルでこす。

■パイナップル&ミント酒
甘酸っぱいパイナップルの風味と、爽やかなミントの香りが合わさり、夏にぴったりの仕上がりです。
飲み頃:2ヶ月〜

2Lのビン
パイナップル(カットパインでも可)
……1個(約1kg)
ミント……1パック
氷砂糖……200g
ホワイトリカー(またはホワイトラム)
……900ml

【1】
パイナップルは4等分にして皮をむき、芯を取り、1センチの厚さに切る。

【2】
保存びんに【1】とミント、氷砂糖、ホワイトリカーを入れる。

【3】
3週間ほど保存してからミントを取り出す。

【4】
2ヶ月ほど保存してからパイナップルを取り出す。

■レモン酒
レモンは失敗知らずの果実酒。ウイスキーベースなので、炭酸で割ればレモンテイストのハイボールが楽しめます。
飲み頃:2ヶ月〜

1.5Lのびん
レモン(国産・無農薬のものがおすすめ)
……500g(皮をむいて約10個分)
氷砂糖……200g
ウィスキー(またはウオッカやジン)
……700ml

【1】
レモンはよく洗って水気をふき、白い部分まで皮をむき、厚めの輪切りにする。皮は2個分を取っておく。

【2】
保存びんにレモンと氷砂糖、ウィスキーを入れる。

【3】
皮は渋みが出るので1週間保存した後、取り出す。

【4】
2ヶ月ほど保存してからレモンを取り出す。

■ミックスベリー酒
見た目もキュートなベリー。ふんわりした甘さが楽しめます。イチゴやブルーベリー単品だけで漬け込んでもOKです。
飲み頃:2ヶ月〜

1Lのビン
ミックスベリー(冷凍)……200g
氷砂糖……100g
ウオッカ(またはホワイトリカー)……750ml

【1】
保存ビンにミックスベリーと氷砂糖、ウォッカを入れる。

【2】
2ヶ月ほど保存してから、ミックスベリーを取り出す。

プロ直伝! 氷にこだわって、手作り果実酒をさらに美味しく飲んでみよう

果実酒を仕込んで、出来上がったのがコチラ。 漬けはじめと比べると、色が変わり、果実のフレーバーが溶け込んでいるのがよく分かります。このままロック、水割り、お湯割りなど、お好きな飲み方で楽しめますが、せっかくなのでさらに美味しく飲むコツとアレンジカクテルを、お酒のプロフェッショナル・バーテンダーの依知川崇さんに教わってきました!

依知川 崇
渋谷のバー・カリラにて、10年勤務しカクテル、シングルモルトを学ぶ。現在はPot Still Tokyoにて、豊富な経験と知識を活かし、お客様に最高の一杯を提供している。

お酒や飲み方に合わせて、氷のカタチを変えてみよう お酒に入れる氷の大きさは主に3種類。それぞれの特徴を教えてもらいました。

キューブアイス
3〜5cm四方程度の、家庭用の製氷皿でも作れるポピュラーなサイズ。ほどよいスピードで溶けるため、サワーやハイボールなどのアイスとしても定番です。

ブロック(キューブ)アイス
液体と触れる面積が少ない分、ゆっくり溶けます。ウイスキーなど、じっくり時間をかけて楽しみたいお酒のロックアイスとしてよく使用されます。

クラッシュアイス
細かく砕いた状態のアイス。すぐ飲み切るタイプのカクテルや、早く冷やしたいドリンクによく合います。また、スムージーなど、氷ごと口に入れる飲み物にも使用されます。

お酒用の氷を自宅で作ってみよう
気泡が入り、白く濁ってしまった氷は溶けやすく、お酒の味がすぐ薄まってしまいます。自宅の冷蔵庫でできるだけ透明な氷を作るコツは、水道水を一度煮沸させた純度の高い水をゆっくり凍らせること。
自宅で氷を作る場合は… 1. 室内温度を「弱」にする
2. 製氷皿を冷凍室に直接置かない

この2つがコツになります。

「めんどくさい!」という方は、コンビニやスーパーなどで購入してしまうのもひとつの手です。最近は様々なサイズの氷を販売しているので、上手に活用しましょう。

思ったより難しくない! クラッシュアイスの作り方
プロにしか作れなそうなクラッシュアイスですが、自宅でも簡単に作れます。

【1】
綺麗なふきんで氷を包む。

【2】
トンカチなどで叩く。

【3】
細かく砕けたら完成。

今回作った果実酒に合う氷はコレだ! カクテルアレンジレシピ

■トマト酒/Wブラッドメアリー風カクテル
トマトの風味がさらに高まるカクテル。リコピンたっぷりで、健康に気を配りたい方にもぴったりです。 【作り方】
トマト酒1:トマトジュース1の割合で混ぜる。お好みでトマトスライスやバジルなどをトッピング。適度に冷やせ、すぐ水っぽくならないキューブアイスがおすすめ。

■コーヒー酒/2段階で変化するカルアミルク風カクテル
エスプレッソを楽しむように、コーヒーの風味が楽しめるコチラは、まずロックがおすすめ。

さらに生クリームを加えたら、カルアミルク風にも変化します。 【作り方】
コーヒー酒に風味を長く楽しめるようブロックアイスを入れる。生クリームの量はお好みで。

■バイナップル&ミント酒/爽快なモヒート風カクテル
パイナップルの甘酸っぱさが爽やか!本来、モヒートはシロップを入れて作りますが、果実酒を仕込む際、砂糖を入れているため、そのままの甘さを活かしました。 【作り方】
さっぱりとした飲み心地になるようクラッシュアイスをグラスに詰め、パイナップル&ミント酒を半分ほど注ぐ。炭酸水で割り、お好みでバジルを散らす。

■レモン酒/欧米で流行中のオールドファッション風カクテル
ウイスキーに角砂糖とフルーツを入れ、フォークなどで潰しながら飲むカクテル「オールド・ファッション」をイメージ。さっぱりとした後味が楽しめます。 【作り方】
フォークなどが入れやすいキューブアイスをグラスに詰め、レモン酒を注ぐ。レモン、ライム、オレンジなど柑橘系のフルーツを浮かべ、グラスの中で潰して風味を出す。

■ ミックスベリー酒/見た目も華やかなカシス風カクテル
ブロックアイスの上に注ぐだけで、十分豪華な見た目になるミックスベリー酒。

甘酸っぱさが堪能できるフローズンカクテルとしてもおすすめです! 【作り方】
全体に混ざりやすいようクラッシュアイスを使用。ミックスベリー酒、イチゴなどの果実と一緒にミキサーにかける。

気取らず、マイペースに。家飲みでもっとくつろごう

気軽に、季節に合わせバリエーションを楽しめる果実酒。ぜひ、自分好みの味を作ってみましょう。手作りの味は夜や週末など、リラックスしたいときにぴったりです。外で飲むのも楽しいですが、心と体を休めたいときは家飲みが一番。お酒、果実、氷…アイテムを少しずつこだわって、自分にご褒美タイムをあげましょう。

【取材協力】Bar Pot Still Tokyo
渋谷駅徒歩4分。道玄坂の裏筋、隠れ家のような趣のショットバー。日本に未入荷のシングルモルトウィスキーを、毎年スコットランドに赴き、買い付けている。渋谷界隈随一の品揃えを誇るザ・シングルモルト・バーです。